スタンフォード・ソーシャルイノベーション・レビュー 日本版 04――コレクティブ・インパクトの新潮流と社会実装
SSIR Japan
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なぜコラボレーションはかくも困難なのか? 伝説の論文「コレクティブ・インパクト」が書き直されなければならなかった理由とは何だったのか?
複雑な社会課題の解決には、異なるセクターのコラボレーションが必要である。この「あたりまえ」のことが実行に落とし込めないために、善意、人、お金をいくらつぎ込んでも社会システムの根本的な変化を起こすことができなかった。そこに新しい協働の思想と技法をもたらした2011年の「コレクティブ・インパクト」の論文は、世界で熱狂的に受け入れられた。それから10年。実践者と成功事例が増えたのと同時に、批判と失敗事例も集まった。それらを踏まえて、より「包括的(誰も取り残さない)」で「公正(特定のグループが支配しない)」なコラボレーションのあり方が問われている。本号では、「エクイティ」を中心に据えた「コレクティブ・インパクト」の最新の流れと、コラボレーションをめぐるさまざまな課題をとりあげる。
<目次>
Editor’s Note
・コレクティブ・インパクトの試練と深化
COMMENTARY
・ソーシャルイノベーションの2つの系譜とコレクティブ・インパクト
FEATURE
・コレクティブ・インパクトの北極星はエクイティの実現である
・なぜ「地域の声を聞く」だけではインパクトが生まれないのか
・横断型コラボレーションを襲う5つの岐路とその乗り越え方
CLASSICS
・コレクティブ・インパクトの実装に向けて
CASE STUDY
・エシカル・テクノロジーで音楽業界の常識を変える
OUR IDEAS
・「やっかいな問題」の解き方としてのネットワークーー災害復興の鍵を握る「ハブ」は何をしているのか
OUR CHALLENGE
・30人から始めるスローイノベーションーー地域の社会課題に取り組む実践共同体のつくり方
DIFFICULT QUESTIONS REGARDING COLLABORATION
社会を変えるコラボレーションをめぐる「問い」
・決定権限がある側と一般市民の「パワーの差」をいかに解消するか(鎌田華乃子)
・当事者の声を守り「対等な連携」を進めるために何が必要か(吉岡マコ)
・「奪い合う関係」を「与え合う関係」に変える仕組みとは(新井和宏)
・リスキリングにおいて官民連携の核になるものは何か(後藤宗明)
・コラボレーションで生じる「わかりあえなさ」とどう向き合うか(鬼澤秀昌)
・セクターを越えて社会を変えていけるのはどんな人か(濱川知宏)
・70~80点の短期的な成果を長期的なシステム変化につなぐには(小田理一郎)
・「チャレンジの総量」を増やす際の障壁をどうやって取り除くか(齋藤潤一)
・なぜ日本では企業とNPO・NGOの連携が進まないのか(羽生田慶介)
FACTS & FIGURES
・世界の人権意識の高まりとビジネス上の人権リスク
VIEWPOINTS
・気候変動対策がジェンダー不平等を拡大する危険性
・「不安の解消」がコラボレーションを加速する
RESEARCH
・企業がBコープ認証を求める2つの理由
・雇用における差別はなぜなくならないのか
・時間の寄付か、お金の寄付か
BOOKS
・人に見せたくないものを覗き見られない権利をいかにして守るか
・「規模の拡大」の教科書が見落としていること
・分断を超えたなめらかで豊かな未来創造
Thoughts fo 2,750円