抗う練習

購入した作品の読み方

あらすじ

■権力に抗う。差別に抗う。偏見に抗う。

でも、いつしか「抗うなんて、かっこ悪い」という時代になった気がする

「失われた30年」を他人事のように眺めながら
「常識」「ふつう」「みんな」という名の同調圧力に屈する

本書は「抵抗することを忘れてしまった時代」に生きる我々に
「自分らしく生きていくために抗う術」を伝える

■「抗う」ことの意義
1998年(平成10年)7月25日に起きた
「和歌山カレー事件」

夏祭りの会場で提供されたカレーを食べた67人が
吐き気や腹痛を訴えて病院に搬送され4人が死亡した事件だ

当初は食中毒だと思われていたものの、
そののちの調査で毒物のヒ素が混入されていたことが判明

事件から数か月後
元保険外交員・主婦の林眞須美氏が
夫の林健治氏とともに逮捕された

眞須美氏は一貫して容疑を否認しているが
2002年12月11日に和歌山裁判所で死刑が言い渡された。

ところが、この事件に関する裁判には
大きな問題があることが、のちの検証により明らかとなってきた。

そして今も
事件当時11歳だった長男だけが
職場や友人に身分を隠しながら、
無実を訴え続ける母親と面会を続けている。

本書の後半は、そんな彼の「抗い続けるさま」を
ロングインタビューの貴重な記録である。

■本書の章立
1章 いつも、抗ってきた。
2章 抗う作法
3章 ささやかな「抗い」のプロセス
4章 僕が伝えたい「抗う人」たち
5章 いまここで抗い続ける人の声を聴く―林眞須美死刑囚の長男との対話