料理に「究極」なし <辻静雄ライブラリー 7>

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あらすじ

西洋の食文化を日本に伝え、多くの名料理人を育ててきた稀代の料理研究家「辻静雄」。
生誕80周年・没後20年にあたるメモリアル・イヤーに、復刊された名著全7巻。題して<辻静雄ライブラリー>。

フランス政府から外国人としてただ一人、フランス料理界に貢献した最高の料理人に贈られる「MOF(フランス最優秀職人)名誉賞」を与えられた著者。
日本に本物のフランス料理を紹介し、また世界に日本料理を知らしめた辻静雄がいたからこそ、日本人の「食」は豊かで喜びに満ちたものになったとも言われる。その数多くの著作の中から、選りすぐりの7巻を編む選集です。

シリーズの最後を飾るのは、氏の没後1年目に出版された遺作エッセイ集『料理に「究極」なし』。
本書は、1993年に急逝した著者の遺稿集ともいえるエッセイ論集。
氏の個人史と、半生を賭けた料理とのかかわり。また東西の文明比較論や、ギリシア・ローマ時代の食文化から現代に至るまでのヨーロッパの料理史をたどる。
辻静雄の“後世に贈る珠玉のことば”がちりばめられた最後の一冊。再収録した“お別れの会”における丸谷才一氏の「弔辞」には胸がつまる。

▼内容
I 美味づくりの旅
-西洋料理の受容/贅沢の人間学/汗/くやしい/会食の至福
II 食卓・西と東
-自己完結型の満足/東西食卓学/食卓の比較文明論
III ヨーロッパ料理の変遷
-バッハの食生活/ヨーロッパの料理とその変遷/『高雅なる悦楽と健康』/西ヨーロッパの食生活/料理の未来
弔辞 丸谷才一
あとがきに代えて 辻芳樹
解説 石毛直道