フットボール批評issue34

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あらすじ

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教養としての現代サッカー



時期を合わせるかの如く欧州帰りの選手から「日本と欧州のサッカーは別競技」なる発言が飛び出すようになった。立て続けの印象が強いのは欧州から日本に帰還する選手が増えた証拠であろう。彼らが言いたいのは、欧州のサッカーは善、日本のサッカーは悪ではなく、欧州のサッカーは現代、日本のサッカーは非現代というニュアンスに近いのではないだろうか。もちろん、「組織」などのレンジの広い構造面も含めて……。



好むと好まざるとにかかわらず、現代サッカーの教養を身に付けない限り、「別競技」から「一緒の競技」に再統合することは断じてない。幸いにも同業界には現代サッカーを言語化できる日本人は少ないながらも存在する。攻撃的か守備的か、ボール保持かボール非保持かのようなしみったれた議論には終止符を打ち、現代か非現代か、一緒の競技か別競技かのような雅量に富む議論をしようではないか。



【特集I】教養としての現代サッカー

●現代サッカーの教科書

Ballgewinnspiel ボールを奪うプレー 河岸貴

●フットボールの主旋律Op.2~カオスに抗うアナリスト~

第2楽章 有効性か効率性か 「現代サッカーの申し子」ユリアン・ナーゲルスマンを丸裸にする 庄司悟

●現代サッカーを言語化する

酒井高徳が語る欧州基準と日本基準 柴村直弥

●真の現代CBとは何か?

冨安健洋に見るCBとSBの差異 ジョナサン・ウィルソン

●現代5レーン征討

コモディティ化されたトレンド戦術を殺す次なる一手を探る 龍岡歩

●ドイツ式現代GK育成法

田口哲雄(JFA・前ケルン育成部門GKコーチ) 木崎伸也

●現代サッカーのパフォーマンスを疑え

選手の成長を“見える化”し、進化を加速させよ

里大輔(スピード&ムーブメントコーチ) 鈴木康浩

●メキシコから見た日本のリアル

西村亮太(U-24メキシコ代表コーチ)×岩政大樹 清水英斗



【特集II】新しい現代サッカーの教科書

●レッドブル帝国の野望

プレーヤーの限界を引き出す「才能のハッキング」に迫る 結城康平

●モダンフットボーラー育成論~エコノメソッドの場合~

ダリオ・ロドリゲス・マンチャ(奈良クラブメソッド部門ダイレクター) 小澤一郎

●現代中学校・高校サッカー育成メソッド

FC LAVIDA→昌平高校の場合 河野正

●明治大学発、現代大学サッカー進化論

プロ量産の背景にある巧みなマネージメントの極意に迫る 加部究

●ハラスメント問題に揺れるJリーグをどう見るか?

為末大が推奨する「させる力」より「させてしまう力」 海江田哲朗

●「現代サッカーとは何か?」を考える

山田大記(ジュビロ磐田)×井筒陸也(Criacao Shinjuku) 井筒陸也



●壁を超えるフットボーラー

短期連載III 田邊雅之



【連載】

蹴人のジレンマ 龍岡歩

デザインドフットボール『言葉』を掘る 岩政大樹

汚点 横浜フリューゲルスはなぜ消滅しなければならなかったのか 田崎健太

世界サッカー狂図鑑 金井真紀

スポーツ文化異論 武田砂鉄

※新連載 フットボーラー経歴マニアックス 土屋雅史

青年監督の本棚 河内一馬

書架へのロングパス 陣野俊史

新刊ガイド サッカー洋書案内 実川元子