レオナルド・サスキンド(著)/林田陽子(訳) 2件 人気順 新着順 宇宙のランドスケープ レオナルド・サスキンド(著)/林田陽子(訳) 「宇宙はなぜこのようになっているのか」「宇宙に生命が存在できるのはなぜか」という誰の心の中にもある根本的な疑問を追求したポピュラー・サイエンス。サスキンドはひも理論、インフレーション宇宙論、最新の宇宙観測結果に基づいて、この大いなる謎を探究する。本書で中心的な役割を果たすのは、ランドスケープと呼ぶ概念である。これはひも理論の研究から生まれたもので、可能な物理法則の全体を指す。この宇宙の物理法則だけでなく、いっさいの可能な物理法則からなる巨大な空間である。サスキンドは物理法則の可能性全体の空間を「風景」に見立てることで、そこに山や、谷や、平原などを見出す。その「風景」の中で、宇宙はボール玉のように転がってゆく。この宇宙の歴史とは、サスキンドによれば、「インフレーションの棚」を転がってゆき、きわめて小さな宇宙定数を持つ谷で静止することだったという。しかし、この宇宙は、もっとはるかに広大な、いわゆる「メガバース」の中のほんのちっぽけな片隅を占めるにすぎない。メガバースの中で、無数の種類の小宇宙が無限回出現するという新しい宇宙像にたどり着く。世界天文年2009日本委員会の公認書籍。 2,420円 ブラックホール戦争 レオナルド・サスキンド(著)/林田陽子(訳) 「情報のパラドックス」という問題をめぐって、理論物理学者のレオナルド・サスキンドはスティーヴン・ホーキングと20年以上にわたって論争を続けた。本書はその理論的対決の物語だ。 「情報のパラドックス」とは、ブラックホールに落ち込む粒子の情報は永遠に失われるのかという問題である。ホーキングは一般相対論の立場からその情報は永遠に失われると論じた。それがサスキンドのいう「ブラックホール戦争」の始まりだった。 サスキンドによれば「情報の保存」は「物理法則の時間的な可逆性」という形で物理学に深く刻み込まれていて、ホーキングの主張は物理学の土台に爆弾を投下することに等しかった。サスキンドはホーキングの主張に抵抗し、ゲラルド・トフーフトとともに情報が失われることはないという論陣を張った。 この論争が重要であるのは、量子論と一般相対論をいかにして調和させるのかという問題に結びついていたからである。量子論と一般相対論は物理学のもっとも根本的な理論でありながら、互いに両立できないままだ。ブラックホール戦争は、ふたつの理論を調和させることを目指した新しい物理学の基本的な枠組みをめぐる、熾烈な格闘だった。 20年以上に及ぶ論争から「ブラックホールの相補性」や「ホログラフィック原理」といった新しいアイデアが生まれ、それらは今では世界中で盛んに研究されるにいたっている。ブラックホール戦争によって、物理学にパラダイム・シフトが起こったとサスキンドは断じている。 サスキンドは理論的な対決の物語を遊び心たっぷりの読み物に仕上げた。読者を楽しませるための仕掛けが本書にはたくさんちりばめられている。サスキンドは基本的なことからていねいに説明しているので、本書を読むのに特別な知識はまったく必要ない。 2,640円 1 TOP 電子書籍(本・小説) レオナルド・サスキンド(著)/林田陽子(訳)