宇宙のランドスケープ
レオナルド・サスキンド(著)/林田陽子(訳) 2,420円
あらすじ
「宇宙はなぜこのようになっているのか」「宇宙に生命が存在できるのはなぜか」という誰の心の中にもある根本的な疑問を追求したポピュラー・サイエンス。サスキンドはひも理論、インフレーション宇宙論、最新の宇宙観測結果に基づいて、この大いなる謎を探究する。本書で中心的な役割を果たすのは、ランドスケープと呼ぶ概念である。これはひも理論の研究から生まれたもので、可能な物理法則の全体を指す。この宇宙の物理法則だけでなく、いっさいの可能な物理法則からなる巨大な空間である。サスキンドは物理法則の可能性全体の空間を「風景」に見立てることで、そこに山や、谷や、平原などを見出す。その「風景」の中で、宇宙はボール玉のように転がってゆく。この宇宙の歴史とは、サスキンドによれば、「インフレーションの棚」を転がってゆき、きわめて小さな宇宙定数を持つ谷で静止することだったという。しかし、この宇宙は、もっとはるかに広大な、いわゆる「メガバース」の中のほんのちっぽけな片隅を占めるにすぎない。メガバースの中で、無数の種類の小宇宙が無限回出現するという新しい宇宙像にたどり着く。世界天文年2009日本委員会の公認書籍。