藤沢周平 77件 人気順 新着順 周平独言 藤沢周平 「私のエッセーは炉辺の談話のごときものにすぎない。さほど大声には語らず、その場かぎりで消えるのが建前である」と記している著者による、初めてのエッセイ集。惹かれてやまない歴史上の人物、そこから湧き出てくる創作への意欲、故郷庄内の風土や人々への思いが濃密に凝縮された、藤沢ファン必読の記念碑的な1冊。時には小説の中からでなく、日常の言葉でじかに読者に話しかけてもいいのではなかろうか──自らを語ることの少なかった、藤沢周平の素顔がここにある。 712円 春秋山伏記 藤沢周平 白装束に高足駄、髭面で好色そうな大男が、羽黒山からやって来た。はじめ彼は村びとから危険視され、うさん臭く思われていたが、子供の命を救ったり、娘の病気を直したりするうち、次第に畏怖と尊敬の眼差を集めるようになった……。年若い里山伏と村びとの織りなすユーモラスでエロティックな人間模様のうちに、著者の郷里山形県荘内地方に伝わる習俗を小説化した異色の時代長編。 572円 小説の周辺 藤沢周平 北斎晩年のやり場のない鬱屈を鮮烈に描いた処女小説「溟(くら)い海」は、執筆当時の作者の自画像であったという。当代随一の時代小説の書き手であるこの作家は、これまで自身を語ること稀であった。郷里鶴岡と幼年時代、師や友、創作秘話、日常身辺などを簡潔に綴る、作品と併せ読むべき興味津々たる一冊。藤沢ファン待望の名エッセイ。 502円 早春 その他 藤沢周平 主流を外れた静かな職場、地方で入婿状態の息子、よりによって妻子持ちと交際中の娘。5年前に妻を亡くし、まだローンの残る建売の家でぽつんと一人、主人公は自分の役目は終わったと感じている。そんなある日、娘に再婚を勧められ──。初老のサラリーマンの寂寥をくっきりと描く「早春」。加えて時代小説「深い霧」「野菊守り」と、司馬遼太郎について書いた「遠くて近い人」など、著者晩年の心境をうつしだす随想、エッセイを収録。藤沢周平が身近に感じられる1冊です。 460円 竹光始末 藤沢周平 一家の糊口を凌ぐために刀を売り、竹光を腰に仕官の条件である上意討へと向う浪人の心意気『竹光始末』。口喧しい女房を尻目に、藩の危機を未然に防ぐ一刀流剣士の手柄『恐妻の剣』。他に『石を抱く』『冬の終りに』等、小説巧者・藤沢周平が、世の片隅で生きる男たちの意地と度胸を、ユーモラスに、陰翳豊かに描く傑作時代小説、全6編。 528円 たそがれ清兵衛 藤沢周平 下城の太鼓が鳴ると、いそいそと家路を急ぐ、人呼んで「たそがれ清兵衛」。領内を二分する抗争をよそに、病弱な妻とひっそり暮らしてはきたものの、お家の一大事とあっては、秘めた剣が黙っちゃいない。表題作のほか、「ごますり甚内」「ど忘れ万六」「だんまり弥助」「日和見与次郎」等、その風体性格ゆえに、ふだんは侮られがちな侍たちの意外な活躍を描く、痛快で情味あふれる異色連作全八編。 616円 天保悪党伝 藤沢周平 天保年間の江戸の町に、極めつきのワルだが、憎めぬ連中がいた。博打好きの御家人・片岡直次郎、辻斬りで財布を奪う金子市之丞、抜け荷の常習犯・森田屋清蔵、元料理人の悪党・丑松、ゆすりの大名人として知られた河内山宗俊、そして吉原の花魁・三千歳。ひょんなきっかけで知り合った彼らが、大胆にも挑んだ悪事とは……。世話講談「天保六花撰」に材を得た痛快無比の連作長編! 572円 長門守の陰謀 藤沢周平 長門守(ながとのかみ)・酒井忠重が、藩主の世子を廃し、自分の子を後継に据えようとしている──荘内藩空前の危機、いわゆる「長門守事件」を題材とした表題作。権謀術数がうずまく政治の世界に生きる男たちを描くこの作品とは対照的に、小藩の武士の世界をその妻の視点からユーモラスに描いた「夢ぞ見し」。ほそぼそと街場に暮らす人々の哀歓を愛情深く描く「春の雪」「夕べの光」「遠い少女」。藤沢周平の魅力を堪能できる、5つの初期短篇。 544円 橋ものがたり 藤沢周平 様々な人間が日毎行き交う江戸の橋を舞台に演じられる、出会いと別れ。男女の喜怒哀楽の表情を瑞々しい筆致に描く傑作時代小説。 616円 驟り雨 藤沢周平 激しい雨の中、一人の盗っ人が八幡さまの軒下に潜んで、通り向いの問屋の様子を窺っていた。その眼の前へ、入れかわり立ちかわり雨やどりに来る人々。そして彼らが寸時、繰り広げる人間模様……。表題作「驟り雨」をはじめ、「贈り物」「遅いしあわせ」など、全10編を収める。 616円 花のあと 藤沢周平 娘ざかりを剣の道に生きた以登(いと)。色白で細面、醜女ではないのだが父に似て口がいささか大きすぎる。そんなお以登にも、ほのかに想いをよせる男がいた。部屋住みだが道場随一の遣い手、江口孫四郎である。許婚の決まった身ながら、お以登は一度だけ孫四郎との手合わせを望む──。老女の昔語りとして端正に描かれる異色の武家物語は、北川景子主演の映画化原作。表題作ほか、藤沢周平の円熟期の秀作を“町人物”と“武家物”併せて七篇収録。 572円 半生の記 藤沢周平 「自分の過去が、書きのこすに値いするほどのものかといえば、とてもそんなふうには思えない」という含羞の作家・藤沢周平が、初めて綴った貴重な自叙伝。郷里山形、生家と家族、教師と級友、戦中と戦後、そして闘病などが淡々と描かれ、藤沢文学の源泉をあかす稀有なる記録ともなっている。巻末に詳細な年譜も付した、伝記の決定版。 523円 日暮れ竹河岸 藤沢周平 盛りを過ぎた吉原の花魁、自分の不注意で子を亡くしてしまったおんな、嫁入り前の不安な心をもてあます娘……作者秘愛の浮世絵から着想を得て、江戸に暮らすおんなたちの心の揺れを描いた12の掌篇。かつて「江戸おんな絵姿十二景」という題で雑誌連載されたもので、各篇約4000字の小品とは思えないくらいの味わい深い読後感を残す。さらに安藤広重「名所江戸百景」から触発された、市井の人々の陰翳ゆたかな人生絵図を描いた7つの短篇も収録。生前最後の作品集。 561円 秘太刀馬の骨 藤沢周平 北国の某藩で、筆頭家老が暗殺された。暗殺につかわれたのは、幻の剣「馬の骨」。下手人不明のまま、それから6年。闇にうもれた秘太刀の探索を下命された半十郎と、その上司の甥で江戸からやってきた銀次郎は、ソリが合わぬまま、藩内の剣客ひとりひとりと立ち合うことになる。「馬の骨」を伝授された者はだれか? 一体どのような剣なのか? やがて秘剣のうらに熾烈な政治の暗闘がみえてきて……。“下手人さがし”というミステリーの味わいも深い、藤沢時代小説の傑作。 616円 ふるさとへ廻る六部は 藤沢周平 「ふるさとへ廻る六部(巡礼)は気の弱り」これは、山形出身の著者が初めて青森、秋田、岩手へ旅したときの気持を、やや自嘲的に表現した古川柳。だが、言葉とはうらはらに、この旅は東北人である自分の根を再確認する旅だった。――庄内地方への郷愁、変貌する故郷への喪失感、時代小説へのこだわりと自負、創作の秘密、そして身辺・自伝随想等を収めた文庫オリジナル・エッセイ集。 704円 又蔵の火 藤沢周平 脱藩の果て、一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄。その兄にも三分の理があると信じ、一心不乱に剣の精進を重ね、理不尽ともいえる仇討ちを甥に挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「割れた月」など全5篇収録。「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」(「あとがき」より)。“負のロマン”と賛された初期名品集。 627円 密謀(下) 藤沢周平 秀吉の遺制を次々と破って我が物顔の家康に対抗するため、兼続は肝胆相照らす石田三成と、徳川方を東西挟撃の罠に引きこむ密約をかわした。けれども、実際に三成が挙兵し、世をあげて関ケ原決戦へと突入していく過程で、上杉勢は遂に参戦しなかった。なぜなのか――。著者年来の歴史上の謎に解明を与えながら、綿密な構想と壮大なスケールで描く渾身の戦国ドラマ。 572円 無用の隠密 未刊行初期短篇 藤沢周平 人に恐れられる隠密という存在も、巨大な組織からすれば卑小な歯車に過ぎない──老中松平定信が寛政の改革をおこなうにあたって諸国に放ち、やがて時間とともに忘れ去られた男の悲哀を描く表題作。ほか、歴史短篇「上意討」、悪女もの「佐賀屋喜七」、切支丹もの「如月伊十郎」、こけし作りに心血を注ぐ男を描く「木地師宗吉」など、作家デビュー前に書かれた幻の14篇に加え、藤沢の浮世絵への深い関心を物語る「浮世絵師」を収録。阿部達二による作品解説あり。 792円 闇の穴 藤沢周平 わたしを棄てた男が帰ってきた。大江戸の裏店でそっとともした灯を吹き消すような暗い顔。すさんだ瞳が、からんだ糸をひくように、わたしの心を闇の穴へとひきずりこむ――。ゆらめく女の心を円熟の筆に捉えた表題作。ほかに、殺人現場を目撃したため、恐怖心から失語症にかかってしまった子供を抱えて働く寡婦の薄幸な生を描く「閉ざされた口」等、映画化作品「小川の辺」を含む時代小説短編の絶品七編を収める。 528円 闇の傀儡(かいらい)師 上 藤沢周平 鶴見源次郎は無眼流の剣の達人だが、御家人の身分を捨て、いまは内職で生計を立てる長屋住まい。ある日、ひょんなことから瀕死の公儀隠密に密書を託される。そこには「八は田に会す ご用心」とあった。田とは今をときめく老中の田沼意次。八は“八嶽党”。徳川将軍家が代がわりする度に、暗躍してきた正体不明の徒党である。「老中、まつだいら、さまに」と託された密書だが、しかし、松平姓の老中は三人いる。藤沢周平が愛読した立川文庫に想を得た、伝奇時代小説の傑作。 649円 1234 TOP 電子書籍(本・小説) 藤沢周平 3ページ目