又蔵の火

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あらすじ

脱藩の果て、一族の面汚しとして死んだ放蕩者の兄。その兄にも三分の理があると信じ、一心不乱に剣の精進を重ね、理不尽ともいえる仇討ちを甥に挑む又蔵。鮮烈かつ哀切極まる決闘場面の感動が語り継がれる表題作の他、島帰りの男と彼を慕う娘との束の間の幸せを描いた「割れた月」など全5篇収録。「主人公たちは、いずれも暗い宿命のようなものに背中を押されて生き、あるいは死ぬ」(「あとがき」より)。“負のロマン”と賛された初期名品集。