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我ら山人たち 我々山国の人間が山間に住むのは、我々のせいではない
動画ポイント対象
550円
ムーラーの故郷、スイスのウーリ州。変わりゆく山岳地帯に住む山人たちの生き方と精神世界に迫る。
映画は地域によって三つのパートに分かれている。ゲシェネンの渓谷が描かれる第一部では、トンネル建設によって自然環境のバランスが崩れ、牧畜経営がやがて破綻することが示される。第二部の舞台となるシェーヒェンの渓谷では、伝統的な高原の牧畜経営が維持されている。ここでは、直接民主制によって多くの政治的選択が行われている。第三部マデラーナー渓谷のブリステンでは、牧畜経営だけでは共同体の運営が難しいため、住民の半数は車でよそへ働きに出ている。対象となる地域だけでなく、民俗学的なテーマや、共同体の閉鎖性など『山の焚火』に直接的に繫がる多くの要素がこの映画のなかに認められる。村人たちの語りが画面の「オフ」で聞こえるがゆえに、彼らの眼差しは無言で見つめるかのように観客へ投げかけられる。
- ジャンル
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制作国
スイス
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制作年
1970年代
- シリーズ
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スタッフ
監督 : フレディ・M・ムーラー