警視庁物語 一〇八号車

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330円 濃い朝もやの中に、その巨大な姿を黒々と浮かばせる大東京の夜明け―。人々はまだ平和な眠りの中にひっそりと沈んでいる。だが、この時刻にも全都に散在する警視庁パトロールカーは、突発する犯罪に備えて休みなく活動している。“警視一〇八号”を運転する石川巡査と金原巡査部長は、とある横道に停まっている小型トラックに眼をとめ、刑事特有のカンを鋭く働かせた。不審をいだいて飛びうつった石川巡査を乗せたまま、そのトラックは急に逃走した。追跡に移ろうとして、パトロールカーの方向転換を焦る金原部長の耳に、一発の銃声が響いた。駆けつけた彼は、鮮血にまみれて倒れている石川巡査の姿を呆然と見下ろした。暁のしじまを破って、緊急手配が八方に飛ぶ。然し、トラックはようとしてその消息を絶ってしまった―。 夜明けの大東京。まだ人々が平和な眠りの中にいるこの時間に、警視108号のパトロールカーは不審な小型トラックを見つけだした。パトロールカーの運転を金原巡査部長に任せて、石川巡査はトラックに飛び乗った時、トラックは急に動き出した。方向転換に焦る金原は一発の銃弾が襲い、そのままトラックは行方を消してしまう。車のナンバーを手がかりに警視庁捜査一課が動き出した。その結果、このトラックは修理業者から堀和彦と名乗る男に売られていたことが判明。だが運転免許台帳から浮かび上がった二人はシロ。唯一顔を知っている、修理業者の主人から人相写真を割り出すほかはなかった。長田刑事の提案で、交通違反調書から車の所有者の割り出しに入ることになった。翌朝、ようやくトラックの所有者が木谷三造という男と判明。だが木谷は既に引っ越した後で、彼の仲間に金山五郎という男がいることが判明する。一方、トラックの名義変更にやってきた山西一郎と名乗る男を確保するが、トラックの出所については口を割らなかった。だが彼の靴底が、この事件と同時刻に起きたトランジスター窃盗事件の現場に残された足跡と一致していた。
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  • スタッフ
    監督 : 村山新治、若林栄二郎 脚本 : 長谷川公之
(C)東映

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