青春の門
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北九州・筑豊の炭坑地帯に生まれた伊吹信介は、そこの風土の中で育った。そして、父・重蔵は、《のぼり蜘蛛の重》と呼ばれ筑豊の顔役として、その存在は北九州一帯に知れ渡る人物だった。その重蔵が、新興やくざ・塙竜五郎とカフェーの女給タエを巡り大喧嘩となり、死闘の末彼女を手に入れたのは重蔵だった。信介の二度目の母親となった。
その2年後、竜五郎の関係する炭坑で落盤事故が起き、坑夫たちが坑道に閉じこめられてしまう。重蔵は竜五郎の見守る中、単身ダイナマイトを持って坑道へと突き進み、発破を仕掛けた。多くの坑夫が助かるものの、遂に重蔵が帰ることはなかった…信介5才の時の出来事だった。以来、タエが採炭の仕事をしながら、女手一つで信介を育てた。父の血を受け継ぎ、負けん気な少年に育つ信介は、また一角の男である金朱烈と出会う。金は落盤事故の際に救われた坑夫の一人であった。
戦争を経て、信介が中学生になったころ、タエの体は過労のため、結核に蝕まれていた。そのため、信介とタエは飯塚で運送業を営む竜五郎のもとへと引き取られることになった。それは、淡い想いを寄せる織江との別れでもあった。竜五郎が腹を撃たれるという事件が起こる。それを朝鮮人労働者の仕業と知った竜五郎一家の長太が単身殴り込みをかけるものの、逆に囚われの身となる。その長太を引き取りに竜五郎が乗り込むと、その前に立ち塞がったのは金朱烈だった。対峙する二人の間に割って入ったのが信介だった。「俺は筑豊の子、だれの味方でもなか」と長太を担いで出て行った。すべてを捨てて自分で生きて行こう。信介は上京を決意し、療養所のタエに報告に出かけた。信介が一人前の男になったとタエが喜んだのもつかの間、翌朝おびたたしい血を吐いて他界してしまう。タエの葬儀を終えた信介は、竜五郎に置き手紙を残し、東京へと旅立つのだった。
- ジャンル
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制作国
日本
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制作年
1980年代
- シリーズ
- キャスト
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スタッフ
原作 : 五木寛 監督 : 蔵原惟繕、深作欣二 脚本 : 野上龍雄