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どうして幼い少女はテロリストにならざるおえなかったのか。世界では考えられないほどの暴力と過酷な日常が平然と存在していて日本人として日々毎日を消化している私たちにとってはそれらは結局のところ対岸の火事のようなものである。けれどテロはけっして許していいものではない。今回「機龍警察 未亡旅団」では私たち日本人がテロに対してどう向き合っていくのかがひとつのテーマだ。テロリスト集団「黒い未亡人」と深くかかわり合うことになる由起谷主任は元不良の警察官だ。不良だったという点では少しだけ一般人とは違う観念を持つ彼だが、それでも平和な日本で生まれ育ったことは変わりがない。そんな彼が未成年テロリストの少女をどう変えていくのか。重いストーリーだが最後のある種爽やかなラストは惨憺たる現代のテロ事情に一筋の希望を見るような素晴らしい締めだ。
2015/04/17