機龍警察 未亡旅団

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あらすじ

チェチェン共和国から侵入してきた女性だけのテロリスト集団、『黒い未亡人』と特捜部との壮絶な闘いを描く至近未来警察小説。日本SF大賞&吉川英治文学新人賞受賞シリーズの最新第4弾    チェチェン紛争で家族を失った女だけのテロ組織『黒い未亡人』が日本に潜入した。公安部と合同で捜査に当たる特捜部は、未成年による自爆テロをも辞さぬ彼女達の戦法に翻弄される。一方、特捜部の城木理事官は実の兄・宗方亮太郎議員にある疑念を抱くが、それは政界と警察全体を揺るがす悪夢につながっていた――世界のエンタテインメントに新たな地平を拓く“至近未来”警察小説、衝撃と愛憎の第4弾。

レビュー・口コミ(1件) 一覧へ

  • どうして幼い少女はテロリストにならざるおえなかったのか。世界では考えられないほどの暴力と過酷な日常が平然と存在していて日本人として日々毎日を消化している私たちにとってはそれらは結局のところ対岸の火事のようなものである。けれどテロはけっして許していいものではない。今回「機龍警察 未亡旅団」では私たち日本人がテロに対してどう向き合っていくのかがひとつのテーマだ。テロリスト集団「黒い未亡人」と深くかかわり合うことになる由起谷主任は元不良の警察官だ。不良だったという点では少しだけ一般人とは違う観念を持つ彼だが、それでも平和な日本で生まれ育ったことは変わりがない。そんな彼が未成年テロリストの少女をどう変えていくのか。重いストーリーだが最後のある種爽やかなラストは惨憺たる現代のテロ事情に一筋の希望を見るような素晴らしい締めだ。

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    荻原遠子さん