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『殺人鬼フジコの衝動』でイヤミス界の女王に君臨する真梨幸子のデビュー作『孤虫症』。本作でメフィスト賞を受賞しているのですが、この賞を受賞する人はクセが強いことでも有名です。森博嗣、西尾維新、乾くるみ、新堂冬樹など、大ヒット作を連発している作家が名を連ねていますが、真梨幸子も負けていません。本作はまだ粗削りな部分が多くみられますが、「私はこういう世界を書きたい」という意思と勢いに圧倒されます。エログロシーンがあるので、嫌いな方は予め心の準備をお願いします。
2015/11/13第32回メフィスト賞受賞作『孤虫症』。今やイヤミス界の女王に君臨する真梨幸子のデビュー作です。『殺人鬼フジコ…』にあるような、現実と妄想を行き来するような独特の書き方は、この頃から少しずつ形成されたように見えます。女性なら誰でも感じたことがある、「妬み」「嫉み」「劣等感」から目を離さず、むしろそのドロドロとした部分にフォーカスを当てるのが面白い!ハッピーエンドが嫌いな方にお勧めです。ただ、デビュー作にしてはもちろん上々の出来ですが、広げすぎた風呂敷をたたみ切れていないのが残念。登場人物に余計な設定をつけてしまって、それをオチで拾いきれていない印象です。
2015/05/25