青弓社 975件 人気順 新着順 「よむ」ことの近代 松澤 俊二 日本の近代国家形成期において、和歌・短歌といった文化的な営みはナショナリティの確立にどう影響したのか。天皇巡幸、御歌所、歌道奨励会、教育学・心理学知との接合、題詠と歌会、愛国百人一首といった素材から和歌・短歌の近代と政治性を明らかにする。 3,740円 ブックオフから考える 谷頭 和希 ブックオフから考える。 社会と都市と文化の「つながり」を。 日本全国に約800店舗を構えるブックオフは、多くの人にとって日常生活に溶け込んだ存在になっている。しかしこのような「当たり前」の存在になるまでは、ブックオフをめぐりさまざまな議論が繰り広げられてきた。あるときは出版業界の革命家として、またあるときは破壊者として、そしてまたあるときは新たなサブカル文化の創造者として……。 本書は、ブックオフが誕生した1990年代からのさまざまな「ブックオフ論」を整理し、実際に多くの店舗を観察して、「なんとなく性」という切り口から、なぜ人はブックオフに引き寄せられるのか、そして現代社会でどのような役割を果たしているのかを縦横無尽に考え尽くす。 ブックオフはどう語られてきたのか。またその語りに潜むノスタルジーとは。 チェーン店であるブックオフが都市にもたらしたある種の「豊かさ」とは。 ブックオフで「偶然」出合う本の面白さとは。 ブックオフから生まれた音楽、カルチャーとは。なぜアーティストはブックオフからの影響を語るのか。 ブックオフが生み出す公共性とは。「文化のインフラ」の内実とは何か。 チェーンストア論やテーマパーク論で注目を集める新進気鋭の著者が、出版史、都市論、建築論、社会学、政治学、路上観察学など多様な分野の知見を駆使して書き上げたいままでにないブックオフ文化論。 1,980円 面白いほどわかる!オペラ入門 神木 勇介 オペラは難しそうで敷居が高い? 鑑賞するのに時間がかかる? いやいや、オペラはクラシック音楽や演劇、舞踊、美術などの芸術に関心さえあれば、誰でも理解して楽しめる開かれたジャンルだ! 日本各地の劇場・ホールで日々多くのオペラが上演され、オペラに接することは以前よりも格段に容易になった。海外オペラハウスが丸ごと来日する引っ越し公演だけでなく、最新オペラ公演の映画館でのライブビューイングやオンライン配信も定着してきた。さらに、DVDなどの映像メディアも充実し、手に取りやすい価格になっている。 では、オペラのどこに注目して観ればいいのか/聴けばいいのか。オペラ全曲のなかでハイライトはどこにあるのか。 本書では、これからオペラを楽しみたい人に向けて、オペラ全曲の観どころや聴きどころにフォーカスしてやさしく解説。押さえておきたい「名作オペラの名アリア・名場面」と効果的な見方をガイドする。 基礎知識がスピーディーに身につき、オペラの見方が面白いほどわかるオペラ鑑賞のための攻略本。 1,980円 音楽ライターになろう! 妹尾 みえ サブスクや楽曲配信、動画サービスが全盛を迎え、激変を続けている音楽業界。日々、国内外の無数のアーティストの新しい情報が供給される情報過多の現在にあって、一人ひとりのアーティストの個性やバックボーン、楽曲の魅力を整理して的確に伝える仕事の重要性は増している。 アルバムレビューやライナーノーツ、ライブレポート、アーティストへのインタビュー、コンサートのパンフレットやフライヤーに寄せるコメントなど、音楽に関するあらゆる文章を書き、楽曲やアーティストの魅力を言葉に落とし込んで多くの人に伝えるのが音楽ライターの仕事だ。 自主制作のZINEを足がかりに執筆の場を広げ、長年ブルースを中心に執筆を続けてきた著者が、一般のファンと差をつける文章術、インタビューのポイント、音楽を「聴く力」と、それを伝わるように「書く力」を磨くトレーニング方法などを伝授する。 音楽ライターへの一歩を踏み出したい人、もっと魅力的なレビューを書きたい人への心構えとアドバイスが詰まった一冊。 1,980円 草津温泉の社会史 関戸 明子 有数の温泉地草津は、いまや国外からの観光客が押し寄せる一大スポットになっていて、いろんな国・地域の言葉が飛び交っている。それほど人々を引き付ける魅力とはいったい何なのか、どうやって知名度が上がったのか? 豊かな温泉を生み出す草津白根山の自然や、草津の特色である共同浴場の発展と取り組み、明治から大正・昭和初期、戦後までの人口と就業者の変動、草津温泉のイメージとそれを作るメディアを丹念に調べて、温泉地と観光の形成史を立体的に描き出す。 史料、統計データ、鳥瞰図、地図、紀行文、新聞や雑誌の記事と写真、絵はがきなどの多様な素材を活用して読み解く温泉の歴史。入浴客の男女比、オススメスポットなど豆知識も。 2,640円 女性と闘争 飯田 祐子/中谷 いずみ モダニズムと左翼思想が隆盛する一方、恐慌や戦争によって不安定な時代に突入した1930年前後。男性の知識人や表現者の活動がこれまで注目されてきたが、同時代の女性たちもまた、多様な闘いの声を上げていた。 1928年から32年まで発行された雑誌「女人芸術」に集結した女性知識人やプロ・アマを問わない表現者に光を当て、彼女たちの自己表現、階級闘争、フェミニズムとの複雑な関係を浮き彫りにする。 東アジアにおける展開も視野に入れ、文学・批評・論争などの文化実践、また政治運動における表現活動をとおして、女性の闘争主体/文化生産者としての一面を明らかにする。 3,080円 炭鉱と「日本の奇跡」 中澤 秀雄/嶋崎 尚子 現在も世界のエネルギー源の約30%を占め、東日本大震災後の電力供給の30%を火力発電が支えるように、石炭はいまなお重要な資源であり続けている。 日本では高度経済成長という「日本の奇跡」と対比させて、「危険な重労働」「忘れ去るべき暗闇」「古いエネルギー」「ノスタルジー」とイメージされることが多い炭鉱は、しかし、労働・経営のあり方、技術革新、地域社会への貢献など、日本の産業全体に多大な影響を及ぼした。 戦後日本を作り出した炭鉱の歴史と現在を、企業・自治・家族・女性・産業遺産などの視点から浮き彫りにし、グローバルに展開する世界の炭鉱とも比較して、炭鉱とそこに生きた人々の歴史的意義や炭鉱が秘める現在の可能性を明らかにする。 2,640円 ニッポン神様ごはん 吉野 りり花 自然への感謝を込めて、春夏秋冬、折々に祭りがおこなわれている。人々は、神様に食べ物を供えることで健康や五穀豊穣を祈ってきた。古くから伝わる神様の食事=神饌は、各地でどのように息づいているのだろうか。 米、酒、塩、餅などの定番、七草、里芋、ウド、鹿肉に鮮魚、どぶろく、お菓子――各地の神饌を訪ね歩き、それぞれ異なる食材や調理法を紹介する。ユニークなお祭りもあわせて取材して、担い手である地域の人々の生き生きとした声とともに信仰の姿を描き出す。 軽妙な文章とカラー写真で日本全国の神饌を紹介して、それを通して日本の信仰と地域文化を照らす食と民俗のエッセー。 2,200円 企業博物館とは何か 古田 ゆかり 現代の暮らしはあらゆる産業技術に支えられている。子どもの「理科離れ」が進み、大人も日常生活で使うモノの背景に目を向けることが少ないなか、暮らしを支える技術や産業を身近に感じる機会を提供しているのが企業博物館である。 なぜ私企業が博物館を作るのか。企業は博物館で何を後世につないでいきたいのか。国公立博物館との違いとは――。 民間企業が自社の歴史や製品を展示・紹介する企業博物館は、実は公立博物館では収集するのが難しい貴重な産業遺産の宝庫だ。船舶や橋梁を造る重工業企業の製品や印刷機、機械の内部に使用されている歯車など、一般ユーザーが目にする機会は少ないものの日本の産業の発展を担ってきた技術資料に直にふれることができる場であり、技術を継承するためのアーカイブにもなっている。 子どもや学生向けの「社会と科学について考えるワークショップ」開発に携わる著者が、そうした企業博物館の社会的な機能や意義に注目して、運営企業83社を対象にしたアンケートと、企業博物館14館を実際に訪れて実施したインタビューを通じて、企業博物館の実態と可能性を提言する。 [取り上げるおもな企業博物館] *( )内は運営企業 東芝未来科学館(東芝)、ニコンミュージアム(ニコン)、シチズンミュージアム(シチズン時計)、ヤンマーミュージアム(ヤンマーホールディングス)、三菱みなとみらい技術館(三菱重工業)、三菱重工業長崎造船所史料館(三菱重工業)、カワサキワールド(川崎重工業)、imuse(IHI)、長岡歯車資料館(長岡歯車製作所)、ミツトヨ測定博物館(ミツトヨ)、アルプスアルパイン未来工房(アルプスアルパイン)、TDK歴史みらい館(TDK)、容器文化ミュージアム(東洋製罐グループホールディングス)、印刷博物館(凸版印刷) 2,640円 日本の人種主義 河合 優子 アメリカでの黒人への暴力事件と抗議運動、ヨーロッパでの移民排斥、コロナ禍におけるアジア人への差別などがクローズアップされ、海外の問題と思われがちな人種主義や人種差別だが、日本でも歴史的に、そして現在でも深刻な問題であり続けている。 欧米の人種概念と人種主義の歴史的・社会的な背景、基本的な知識を押さえたうえで、日本の人種概念を捉え直し、近代から現代まで、日本で人種主義が展開してきた足跡をたどりながら、トランスナショナルな視点から日本の人種主義の特徴を整理する。そして、アジア地域の植民地支配をはじめとする日本の歴史的背景や「日本人とは誰か」という問いと結び付きながら、日本社会に意識的・無意識的に根づいている人種主義の現状を具体的な事例をもとに明らかにする。差別、偏見とステレオタイプ、アイデンティティなどの視点から、個人の日常的な意識や振る舞いに人種主義が否応なく結び付いていることも浮き彫りにする。 国際的・領域横断的に蓄積されてきた人種主義に関する議論をまとめ、「私たちの問題」として日本の人種主義を考える視点を提供する入門書。 1,980円 朝鮮国民女優・文藝峰の誕生 李瑛恩 日本による植民地統治下の朝鮮で、国民的女優として活躍した一人の朝鮮人映画女優がいた。 彼女の名は文藝峰(ムンイェボン)。舞台女優だった彼女は、その自然な演技力と「朝鮮的」な容貌を見いだされ、朝鮮映画に数多く出演し、たちまち国民的な銀幕スターになっていった。 「朝鮮のマレーネ・ディートリヒ」「3千万人の恋人」とも称された彼女だが、動員の重要な手段として映画が利用された戦時体制下で日本帝国主義の宣伝映画に最も多く出演し、銀幕でイデオロギーを広める最前線に立つことにもなった。 映画の内容も言語も人材もすべてが日本の支配下に置かれていくなかで、日本への「抵抗」と「協力」のはざまにいた文藝峰。朝鮮の独立後は日本帝国主義に与した映画人として非難にさらされたことで北朝鮮に渡り、そこで再び国家の思惑に組み込まれていく。 太平洋戦争や朝鮮半島の南北分裂など、時代に翻弄され続けた彼女の人生を、植民地の映画施策と朝鮮映画の表現を精緻にひもときながらたどり、「朝鮮国民女優」の葛藤を明らかにする。 4,400円 ルールの科学 佐藤 裕 ルールを作る、ルールを守る、ルールを破る、ルールに違反する――。行動の不確実性を少なくして、社会を秩序立てるために、私たちの社会にはルールがある。人々にとってルールは「常識」とも言えるかもしれないが、ルールを言語化・可視化して体系的に整備して知識として蓄積することはいかに可能なのか。 自然法則を対象とする自然科学に対して、社会学は規則=ルールを対象にする学問であると位置づけ、私たちの日常生活や所属する組織にある細かな規則から社会全体のルールまでを評価する視点やその意義を描き出す。 本書はルールとゲームの関係性など、基本的な視点を身近な事例から確認したうえで、規範理論や機能主義、構築主義、エスノメソドロジーなどの社会学の理論と本書の「ルールの科学」を突き合わせて丁寧に検証する。さらに、差別論や社会学それ自体にこれまでの議論を応用して、ルールの科学の射程を明らかにする。 3,300円 宝塚の座付き作家を推す! 七島 周子 “推し活”ブームの追い風も相まって、近年一層注目を集めている宝塚歌劇団。ファンはステージ上のスターのパフォーマンスや生きざまを見つめ、生徒(出演者)たちもスターダムを夢見て日々奮闘する。 宝塚歌劇団の上演作品は、座付き作家が芝居からショーまですべての脚本を書き、演出している。 柴田侑宏、谷正純、木村信司、上田久美子、正塚晴彦、小池修一郎、児玉明子……。 新作を次々に提供する座付き作家は、世界各国のミュージカルや映画の翻案、小説、漫画などを原作とした作品、他ジャンルとのコラボレーション、そして完全オリジナルの作品まで、幅広いエンターテインメントを作り出している。男役・娘役トップや注目の生徒たちとともに作品としての面白さを追求し続ける作家の奮闘が、宝塚歌劇の長い歴史を支えているのだ。 本書は、贔屓(推し)を中心に観劇してきた著者が“推し座付き作家”たちを紹介し、作品の特徴、トップの魅力を引き出す演出、「最推し作品」や「さらに味わうポイント」も解説。“縁の下の力持ち”にスポットを当てる。 宝塚を長年楽しんでいるファンにとっては観劇の新たなスパイスになり、新規ファンにとっても理解を一段と深める道標になる「もう一つの」ガイド本。 2,200円 幻の麺料理 魚柄 仁之助 文明開化以降、外国由来の多種多様な麺と在来の料理法をミックスして独自の発達を遂げてきた日本の麺料理。ラーメン、ナポリタン、カレーうどんなど今日まで残る「成功例」の陰で、跡形もなく消えていった幻の麺料理があった。そのレシピを、明治・大正・昭和の雑誌や料理本から発掘し、実作・実食する検証レシピエッセー。 大正から昭和初期にかけて、メディアと交通網の発達、台所の近代化、そして現在まで続く婦人・主婦向け生活雑誌の創刊ラッシュによって、爆発的に進化した近代日本食文化。 過渡期には、パスタ麺や中華麺、ケチャップやホワイトソースといった新しい食材を既存の日本料理と自由に組み合わせた、数々の無国籍麺料理のレシピが生まれては消えていった。 戦前のナポリタンうどん、カレー餡かけそば、納豆スパゲティ、ラーメンおこし、マカロニのおすまし、元祖ラーメン「豚饂飩」「しなそば」「南京そば」、元祖カレーうどん、など、当時の雑誌に掲載されていた実際のレシピを100点以上所収。 取り上げるおもな雑誌……「婦人之友」「主婦之友」「主婦と生活」「暮しの手帖」「婦人倶楽部」「婦人生活」ほか多数。 2,200円 妾と愛人のフェミニズム 石島 亜由美 夫婦関係に不和を生じさせる存在、倫理にもとるものとして現在ではタブー視されている「愛人」や、かつて「妾」と呼ばれた人たちは、どのような女性だったのか。 フェミニズムの分野で「妾」や「愛人」が議論の対象にされてこなかったことに疑問をもった著者が、明治期から2010年代までの「妾」と「愛人」にまつわる「読売新聞」や「週刊文春」の記事分析と文学作品の読解を通して、時代ごとに形作られた社会的イメージの変遷をたどっていく。 森鴎外や尾崎紅葉の小説に描かれる近代男性の妾囲い、有島武郎と波多野秋子などの大正期に新聞紙上をにぎわせた知識人の愛人関係、太宰治「斜陽」で「道徳革命」を成就させる戦後の愛人、「嫉妬する妻」による刃傷沙汰事件、「おいしい生活」を望む女性たちの間で流行した愛人バンク、政治家の「女房役」やハイクラス男性のビジネスパートナーとしての愛人、2000年代以降の政治家のスキャンダルのなかで性的に消費される愛人像などを取り上げ、近・現代日本に現れる「妾」と「愛人」像と、その評価を詳細に検討する。 一夫一婦制度が確立した明治期以降、ときに「純粋な恋愛の遂行者」として近代知識人に称賛され、ときに「眉をひそめられる不道徳な存在」として排除された女性たちの存在に光を当てるフェミニズム研究の裏面史。 3,080円 就活メディアは何を伝えてきたのか 山口 浩 就職活動は、学生と企業が本音と建て前を切り替えながら相手を選ぶ実践である。その就活でお互いを知るための情報ツールである書籍やウェブサービスなどの就活メディアは、どのような役割を担ってきたのか。 明治期から戦前・戦中、そして戦後までの就職活動の歴史を、各時代の社会状況を押さえながら描き出す。そして、就活本(指南書やビジネス書)を多数紹介しながらその内容を具体的に読み解き、時代ごとに求められる学生像や企業側の姿勢、繰り返される若者批判や学校批判を浮き彫りにする。 試験対策から学歴主義、縁故、女性の就職、キャリア形成、ソーシャルメディアの影響まで、就活をめぐる多様な議論と実態を時代ごとにたどり、企業と学生の思惑とせめぎ合い、理想と現実のギャップを浮き彫りにする。「就活をめぐる都市伝説」をまとめるコラムも収め、就活メディアの機能を明らかにし、日本社会の変容をもあぶり出す。 1,980円 時間に抗う物語 中谷 いずみ ジェンダーや階級などの今日的な視点から、暴力をめぐる小説や思想を読み解くことはいかに可能なのか。他者の痛みを描く文学を介して、私たちがそれらの経験を分かち合うことはできるのか。 戦前のアナキズム思想やフェミニズム、プロレタリア文学、戦後の大江健三郎や井伏鱒二、井上ひさしの作品などを「暴力をめぐる記録/記憶」として読み解く。そして、「歴史」「戦前・戦後」などの時間の視点からそれらの作品や思想に介入し、批判的に検証する。 それらの実践を通して、女性への差別や抑圧される身体、歴史の語りとホモソーシャル、異性愛主義体制の再生産、戦争の記憶など、暴力やジェンダーの問題を私たちの目の前に出現させる。忘却に抗い、痛みの経験や暴力の痕跡を分かち持つための想像力を呼び起こす文学研究の成果。 2,860円 落語と小説の近代 大橋 崇行 江戸期から明治期にかけて、大衆芸能である落語は小説にどのような影響を与えたのか。落語は西洋近代とどのように出会い、どのように向き合ったのか。 三遊亭円朝の「怪談 牡丹灯籠」「怪談乳房榎」「真景累ヶ淵」「錦の舞衣」のほか、三遊亭円遊、快楽亭ブラック、談洲楼燕枝など、同時代に活躍した噺家による落語も議論の俎上に載せて、明治期の物語の様相や「人情」の語られ方を丁寧に読み解いていく。 これらの議論を通じて、言文一致をめぐる問題、坪内逍遥の「人情」論を再考するとともに、小説が落語に翻案されるプロセス、物語が小説・落語・講談などのメディアを越境する諸相を分析し、日本近代文学研究、アダプテーション研究の新たな地平を示す。 3,080円 海辺の恋と日本人 瀬崎 圭二 明治・大正期以降に海水浴が広がるにつれて、海辺は男女の出会いや別れ、恋愛の物語を織り成す空間になっていった。戦後にはアメリカ・湘南・南国などのブームを経て、多様なひと夏の物語を描き続けている。海辺と恋愛の100年にわたる物語をたどる文化史。 1,760円 占いにはまる女性と若者 板橋 作美 占いに何を求めているのか、なぜ信じるのか、「信じない」と強調するほど気になるのはなぜか――。占いの仕組みを二項対立構造や隠喩、分類方法、恣意性などに分解して検証し、「たかが占い」と思いながらも自分の行動の指針をゆだねてしまう奇妙な心性を探る。 1,760円 1 ... 567 ... 49 TOP 電子書籍(本・小説) 青弓社 6ページ目