青弓社 975件 人気順 新着順 現代美術キュレーター10のギモン 難波 祐子 情報をみずから集め、編集し、新たな価値を創造してそれを発信・共有する――あらゆるシーンで「キュレーション」が注目されるいま、現代美術や芸術を支えるキュレーターの思考が社会に求められている。 展示、見る順番、作品、来館者、美術館の収集と保存など、現代美術のキュレーションをめぐる10のギモンを設定して、具体的な展覧会や作品を紹介しながら、現代美術のキュレーションの基本的な視点やキュレーターの意義を問い直す。 美術館や展覧会というメディアがもつ可能性とそれを支えるキュレーターという仕事の重要性を指し示す好適なガイドブック。好評のウェブ連載を大幅に加筆・修正して書き下ろしを加える。 2,200円 新自由主義の時代の在日コリアン 鄭康烈 自己責任や競争を推し進める新自由主義の時代にあって、在日コリアンはどのように自身の人生を選択し、この社会に「適応」しようとしているのか。また、在日コリアン内部での格差は、どのように生起しているのだろうか。 在日コリアン社会へのフィールドワークを通じて得たライフコースに関する語りの分析から、現代の在日コリアンがエリート層、あるいはアンダークラスへと分極化していくプロセスを丹念に描き出す。それと同時に、拡大した格差が在日コリアンのコミュニティ内部に葛藤を生じさせる事態にも迫る。 新自由主義の原理で満たされた現代を生きる在日コリアンの経験を、人種やエスニシティ、ジェンダー、階級などの複数の要因の絡み合いを想定する「交差性」の視角から読み解き、移民としての背景をもつエスニック集団が直面する複雑化し細分化した社会的不平等の実相を浮き彫りにする。 3,740円 疎開体験の戦後文化史 李 承俊 戦争の裏で、子どもたちを中心に人々は地方への疎開を余儀なくされた。避難ではなく疎開と呼ばれた銃後の人口移動政策を、敗戦後の文学はどのように語り、位置づけてきたのか。疎開に人々は何を思い、どう記憶してきたのか。 柳田国男、太宰治、石川達三、「内向の世代」のテクストや映画を糸口にして、疎開にまつわる様々な資料も使いながら、1945年から戦災を経験した子どもが大人になる70年代までの疎開の描かれ方をたどる。その語りは一様ではなく、いつ疎開を経験したのかという世代の違いや、地方/都市の相違が多様な語りを生み出している。 文学を通して疎開をみたとき、そこに立ち現れるのは敗戦後に突然もたらされた平和な日常への戸惑いであり、幼少期を戦禍のもとに過ごした葛藤である。銃後の記憶を抱えて戦後を生きた人々の思いを照らし出す。 3,960円 中居正広という生き方 太田 省一 アイドル・アーティスト・MC・俳優など、各分野の第一線で活躍して人気絶頂の中居正広。テレビでも見ない日はない、と言っても過言ではない。ファンは、そして私たちは彼の何に/どこに引かれるのだろうか。 意外にも思える読書家としての顔やメモすることへのこだわり、愛すべきヤンキー性、MCでのトークスキルや笑いの技術、いまも持ち続ける野球少年の心、マイケル・ジャクソンへの敬愛とダンス・パフォーマンス、アイドルとしての恋愛観や結婚観、SMAPメンバーやジャニー喜多川との固い信頼関係、そしてエンターテインメントという仕事への強い思い……。 「一流の素人でありたい」という中居正広の多彩な魅力に迫り、その真摯な生き方を描き出す。当社ウェブ連載で好評を得た各章に加筆・修正をほどこし、書き下ろし2章分を追加した決定版。 1,540円 女子鉄道員と日本近代 若林 宣 「太平洋戦争下に、男性の代替として鉄道は女性を大量に動員した」ことばかりが論じられてきた女子鉄道員は、実は1900年以前から働いていた。 明治初期の女性踏切番を皮切りに、出札係やバス・市電の車掌の勤務実態、男性職員との差別的な労働条件を明らかにし、厳しい労働実態にもかかわらず女性車掌を花形職業としてもてはやした当時の社会状況を活写する。 さらに、太平洋戦争に突入してからの国鉄の女性職員と乗務員をめぐる定説を新聞資料などを丹念に調査して引っくり返し、新たな一面を照らす。加えて、戦争末期には小・中学生まで鉄道員として動員していた事実も明らかにする。 男性中心の日本鉄道史の陰に追いやられ、物珍しい存在としてだけ扱われてきた女性鉄道員とそれにまつわる出来事を史資料を発掘して紹介し、通説に大きな風穴を開ける。 2,640円 分断されないフェミニズム 荒木 菜穂 非婚/未婚/既婚、正規労働/非正規労働、性差別的な売春か/セックスワークか、女性の保護か/男女平等か――。フェミニズムは分断と連帯にどう向き合えばいいのか。 フェミニズムの議論を骨格に、現場の声にふれた経験に基づき、女性たちが簡単にはつながれない現実を見据えたうえで、シスターフッドとは何かを問いかける。 女性たちが差別に抗い、不満に共感しあいながらも、ともに声を上げられない現実を、ジェンダーに基づく権力構造による分断だけではなく、考え方や生き方、事情や立場が異なる個人の関係性などの視点から読み解く。 「分断」を乗り越えることを模索し、「ほどほどに、誰かとつながり、生き延びる」ための女性のこれからを提案して、長年のフェミニズムの場での活動と思索に基づいて女性のつながりのあり方の再考を求める評論。 2,640円 映画系女子がゆく! 真魚 八重子 女子にまつわるさまざまな視点から映画作品を読み解き、描かれる女性たちの喜びや性、あるいは生きづらさ、自意識との葛藤、孤独、恋愛の苦しみといった心情を浮かび上がらせる。当社Web連載に5本の書き下ろしと映画解説を加えた決定版。 1,540円 映像のアルケオロジー 大久保 遼 第15回日本社会学会奨励賞を受賞。 スマートフォンやパソコン、タブレットPC、プロジェクション・メディア……「スクリーンの遍在」と「映像の多様化」という現代のメディアをめぐる状況を理解するためには、テレビや映画ではなく、むしろ写し絵や幻燈、連鎖劇やキネオラマといった19世紀転換期の忘れられた映像文化に光を当てることが重要である――過去の映像メディアを同時代の社会制度や科学技術、大衆文化の連関のなかに位置づけることで、日本近代の豊かな視覚文化を照らし出す。歴史と現在を対置し、19世紀の多彩な映像文化こそが現代の映像環境を準備したことを示す、メディア研究の重要な成果。 4,400円 オカルト番組はなぜ消えたのか 高橋 直子 1974年の超能力ブームに始まり、ユリ・ゲラー、ネッシーや雪男、80年代から90年代にかけてのノストラダムス、矢追純一のUFO、心霊写真、霊能力者・宜保愛子、そして2000年代のスピリチュアル・ブーム……。 1958年の「テレビ放送基準」以来、「迷信は肯定的に取り扱わない」と定めているにもかかわらず、なぜオカルト番組は熱狂的な支持とバッシングの渦のなか続いていたのか。 「謎」や「ロマン」を打ち出し、視聴者が半信半疑で楽しむエンターテインメントとしてオカルト番組が隆盛を極めたことを掘り起こす。そして、スピリチュアル番組へと移行して「感動」や「奇跡」の物語へと回収されることで、オカルトの内実(真偽)が問われ、終焉へと至った歴史的なプロセスを明らかにする。 3,080円 「リンゴの唄」の真実 永嶺 重敏 並木路子が歌う「リンゴの唄」は敗戦後の日本の心象風景を象徴する歌として「敗戦後の人々を勇気づけた歌」「焼け跡のBGM」として扱われている。 しかし、この曲の作詞・作曲の成立過程、映画やラジオ、レコードを通じて爆発的に流行した社会的な背景、人々がどんな思いで歌ったのか、などの実態については不明のままだ。 作家や文化人は「リンゴの唄」をどこで聞いたのか、引き揚げ船ではどうやって歌っていたのか、無名の人々の日記にはどう書かれていたのか――NHKの番組履歴も詳細に検証して、「歌と時代」を描き出す。 2,200円 〈68年〉の性 神奈川大学人文学研究所/小松原 由理 フランスの5月革命が象徴する1968年。世界的に学生の異議申し立てが吹き荒れ、ベトナム反戦闘争が激しさを増し、日本でも東大・日大をはじめとする全共闘の大学闘争、アメリカ軍の後方基地である全国各地の反基地・ベトナム反戦運動が高揚したのが68年だ。 2015年夏に国会議事堂前で展開された安保法制反対デモとも比較されたように、政治の激変、社会運動の高揚の転換点として語られる68年だが、ほかにも多様な価値観や文化・芸術などに大きなインパクトを残したにもかかわらず、これまでの議論が見落としてきたものは多い。 本書では、「性と身体」という視点から68年の多様な文化実践を掘り起こし、現代にも続く影響力とそのダイナミズムを明らかにする。具体的には、これまでの68年論が素通りした文芸作品や芸術表現、解放をめざした運動の陰で抑圧されていた女性問題、などを取り上げて、変革のなかで「性と身体」がどのように語られてきたのかを6章に分けて検証する。60年代論の新機軸を提示する論集。 3,740円 HIVとともに生きる 大島 岳 現在、地球規模で最も深刻な感染症の一つHIV/エイズ。医療の進展とともに服薬を続ければ死に至らず、ほかの人と同じ生活ができるようになった。だがジェンダーやセクシュアリティ、病いや障がいなど交差的な差別や偏見はいまだに根強い。日本で「HIVとともに生きる」ことはいったいどのようなことなのだろうか。 ゲイ男性を中心にHIV陽性者百余人と交流し、22人のライフヒストリーを聴き、かれらが書いた手記などの史資料も読み込み、生活史に深く迫る。当事者と支援者がおこなってきた協働的な実践を掘り起こし、周囲に創造的に関わりながら包摂する力を発見していく。 傷つきとレジリエンス、病いの語り、クィア理論や批判理論など社会学理論から、一人ひとりが苦しみのなかで培ってきた生きる力が、社会とどのように接合し社会を構想できるかを浮き彫りにする。傷ついた生の意味を協働で探り、親密性や共同性を育む「生きるための理論」を探求するラディカルな生活史研究。 3,740円 「読書の自由」を奪うのは誰か 馬場 俊明 「図書館の自由に関する宣言」が1954年に採択されたあとに起きた3つの侵害事件――県立山口図書館蔵書隠匿事件(1973年)と富山県立図書館『図録』事件(1986年)、船橋市西図書館蔵書破棄事件(2001年)をあらためて検証する。 この3館の「図書館の自由」侵害事件は、国家や警察権力などの公権力の介入によるものではなく、図書館と図書館員自らが犯した侵害事件である。それだけに、図書館界は大きく揺れ、論議を尽くしながらも、対処の仕方にはいまもって疑問符が残っている。 ひとたび問題に直面すると、「自由宣言」の理念と組織構造との間には対立が生じ、どのように対応すればいいのかの合意形成が困難になる。 これからも「図書館の自由」を堅守するために3つの事件の実情に迫り、問題点の概要と教訓を導き出す渾身の論集。 2,860円 関西フォークとその時代 瀬崎 圭二 ベトナム反戦運動や学生運動を背景に、社会批判や反戦のメッセージを込めた関西フォークは、多くの若者を引き付け、強い支持を得た。1969年の新宿駅西口広場でのフォークゲリラにつながる関西フォークはどのように現れ、どのような人々が関わり、何を表現し歌ったムーブメントだったのか。 本書では、関西フォークの歌詞と現代詩との関わりに着目して、岡林信康、高田渡、松本隆、友部正人などのフォークシンガーの音楽実践を「ことば」を中心に描き出す。そして、歌い手をサポートした片桐ユズルや有馬敲らの文学者・文化人の活動やその意義にも光を当てる。 関西という地でフォークソングを歌い新たな表現を追い求めた若者たちとそれを支えた文化人の交流の場として関西フォークを位置づけ、「声の対抗文化」として評価する。関西フォークの音楽性や文学運動としての側面を検証する研究書。片桐ユズルへのインタビューも収録。 3,080円 図書館員の未来カリキュラム 未来の図書館研究所 急激な変化を続ける情報環境に対応し、これからの時代を生き残るために図書館員には何が求められるのか。 「これからの図書館の役割」「そのために必要な知識とスキル」をテーマに毎年開催しているワークショップ「図書館員の未来準備」。その講座内容をもとに、それぞれの分野で新たな地平を切り開いている執筆陣がそろい、「図書館のDX(デジタルトランスフォーメーション)」「新たな図書館情報サービスの展開」「地域への貢献」の3つを柱に、未来を担う図書館員が身に付けておくべき知識やスキルを伝える。 Web-APIの技術を取り入れたウェブサービス、国内外の図書館でのAIなどの活用事例、図書館蔵書からウェブ上のあらゆる情報源への視座の転換、国内でも広がりを見せているメーカースペースやファブラボといった第三の学びの場の試み、2022年の法改正で一躍話題になった図書館と著作権法をめぐる問題、まちづくりと図書館の関係、地域や学校との連携などの10のトピックを取り上げ、日々の業務に役立てるための学びの指針を示す。 付録として、2023年にアメリカ図書館協会が「図書館員が職務を遂行するために必要不可欠な知識・スキル」として発表した「ALAコア・コンピテンス」の翻訳を所収。 3,080円 持続する郊外 川崎新都心街づくり財団/平本一雄 高度経済成長期に形成された東京都市圏の郊外社会――。当初は批判的に語られた郊外地域は、半世紀がたとうとする現在ではどのように成熟し、これからはどう変化していこうとしているのだろうか。 そして、郊外に暮らしてきた住民はまちづくりとどう関わり、高齢者はどのような生活を送り、これから迎えるポストコロナ期にライフスタイルはどう変貌するのか……。 東京都市圏の多摩丘陵に位置する川崎市麻生区をモデルに、住民へのインタビューやウェブ調査などをとおして、まちづくりのあり方や隠れた魅力、近隣の大学とコラボした文化活動、コロナ禍の影響などの郊外の実態を描き出す。 また、多摩ニュータウンなどの計画的に建設された郊外住宅地と異なり、麻生地域は個別開発の集合体として住民主導の草の根で建設されてきた。その歩みをたどることで、地域の人々の手によるまちづくりの格好の参考事例と今後のあり方を提示する。 川崎新都心街づくり財団と地元の複数の大学が協力して、多様な調査を元に郊外の持続型モデルを提言する貴重な成果。各自治体の関係部署、まちづくりを実践している市民やNPO、開発をサポートする企業などは必携の一冊。 4,400円 日本の初期テレビドキュメンタリー史 丸山 友美 1957年からNHKで放送されたテレビドキュメンタリー・シリーズ『日本の素顔』は、戦後社会で映画とは異なる新たな表現を切り開いた。初期テレビ制作現場に集った人々はどのようにテレビドキュメンタリーを創造し、どのように『日本の素顔』を作り上げていたのか。 本書では、放送アーカイブを活用して現存する『日本の素顔』を視聴し、当時の資料を渉猟し、関係者へのインタビューを積み重ね、当時の制作現場での試行錯誤や模索、様々な実践に光を当てて、テレビドキュメンタリーという表現形式の独自性を明らかにする。 具体的には、大阪中央放送局の番組制作の実態、制作現場で立ち上がる規範や葛藤、『日本の素顔』唯一の女性プロデューサーの実践などから、東京中心の初期テレビドキュメンタリー史に東京/大阪、男性/女性、エリート/アシスタントという視点を挿入して、『日本の素顔』の複数性と重層性を浮き彫りにする。 これまでの初期テレビドキュメンタリー史では十分に記されてこなかった番組制作の営みや、ドキュメンタリーという表現が内包するグラデーションを可視化する労作。 4,400円 熱い都市 冷たい都市・増補版 若林 幹夫 古代アフリカの王国、『記』『紀』の日本の都、中国の都城、中世ヨーロッパの都市、近世都市としての江戸、アメリカの近代都市など、時間と空間を超えて都市のありようを捉え、哲学・思想を縦横に用い、人々の行為や経験が蓄積する場としての社会性を描き出す。 4,400円 サイレントマザー 石川 瞭子 虐待と貧困の連鎖の渦にいながら、助けを求める声を上げられない母親たち=サイレントマザー。 育児放棄や暴力などの子どもへの虐待、父親の娘への性暴力を見て見ぬふりをする、ついには子どもを殺してしまう……。社会問題にもなった虐待事件のルポルタージュや資料を丹念に読み込み、不登校と向き合う母親、子を愛せない母親、破壊衝動をもつ母親、子を病気に仕立てる母親などの調査事例も多角的に検証する。 サイレントマザーは夫の暴力や経済的な貧困に苦しみ、自身の子ども時代の暴力経験から心身を害している場合も多いことを明らかにして、「助けて!」を言えずに沈黙・貧困・虐待のスパイラルから抜け出せないと指摘する。児童虐待防止の関係者が「沈黙しないで! 助けを求めて! 自分と子どもの命を輝かせて!」と訴えて、すべての機関・関係者に対抗策・防止策を提示する。 2,200円 沢田研二大研究 國府田 公子 沢田研二――グループサウンズ、ザ・タイガースのボーカルで熱狂的なファンを獲得。「勝手にしやがれ」など次々にヒット作を出してトップアイドルに。70歳代に入ったいまもライブを重ね、ファンを魅了している。 そのジュリーを追いかけて50年。地方のファンクラブ支部長から始まり、月刊の会報「LIBERTY」は500号を突破、ウェブサイト「Julie's World」の掲示板とブログを毎日更新。ファン同士の交流の場にもなっている。 ジュリーの半世紀の活動を一冊に濃縮。GS時代から独立してソロに、そしてライブを続ける現在までのコンサート評、テレビドラマや映画などの映像の情報はもちろん、雑誌の記事までももらさずに手際よくまとめる。 これが沢田研二だ! 1,980円 1 ... 345 ... 49 TOP 電子書籍(本・小説) 青弓社 4ページ目