青弓社 975件 人気順 新着順 選挙との対話 荻上 チキ/社会調査支援機構チキラボ 「あなたにとって選挙とは?」 「政治参加の手段?」「民主主義の根幹?」、 それとも「行っても/行かなくても変わらないもの……?」 近年、国内外を問わず、選挙のあり方そのものが問われる事態が相次いで起こっている。こうした状況のなかで、選挙に関して「科学的に」わかっていることはなんなのか。またそれを知ることは、私たちの生活にどのように関係してくるのだろうか。 2009年以降、自民党の勝利が続く日本の国政選挙について、政治学やデータ分析の専門家たちはどのように見ているのか。国際的にみて女性の社会進出が遅れているといわれている日本の現状は? またそれを取り巻くメディアの状況は? そして、若い世代が感じている日本の選挙のリアルとは? 科学的な分析に加え、杉並区長へのインタビューやお互いの話を聴き合いながら思索を深める哲学対話から、選挙を、そして政治をより身近にたぐり寄せるためのさまざまなヒントをちりばめた、すべての世代に向けた選挙の新しい入門書。 1,980円 傷痍軍人と文学の日本近代 市川 遥 戦争によって傷ついた兵士や軍人である傷痍軍人を、文学はどのように描いてきたのか。作品は傷痍軍人をいかに語り、読者にどのように読まれてきたのか。 日清・日露戦争を起点に、アジア太平洋戦争、そして戦後までを対象にして、傷痍軍人を描く文学の歴史的な見取り図を提示する。具体的には、山田美妙や江戸川乱歩、井伏鱒二、直井潔たちの文学作品のほか、美談集や童話、文芸作品集などを取り上げ、新聞や雑誌などのマスメディアでの議論も肉付けして、傷痍軍人表象の変遷を跡づける。 当初は戦争での傷病による苦しみを抱えた人々として、アジア太平洋戦争期には「傷」を抱えるヒーローとして、戦後には様々な戦争の記憶と交差しながら反戦を体現する存在として、様々に描かれた傷痍軍人の表象から、彼らを取り巻く時代の諸相や力学を浮き彫りにして、戦争と文学の緊張関係に迫る。 3,960円 アニメオタクとビデオの文化社会学 永田 大輔 1980年代に拡大したビデオというメディアは、オタク文化の代表とも見なされるアニメの視聴経験をどのように変えていったのか。アニメオタクはビデオを利用することを通じて、どのような映像文化を形成し、そこにはいかなる社会的な意味があったのか。 1970年代後半から80年代のアニメブームと呼ばれる時期に焦点を当て、「ビデオジャーナル」「アニメージュ」「Animec」「アニメV」などの雑誌を読み込んで、アニメファンのビデオ利用によってアニメが個人の趣味として立ち現れるようになったプロセスを描き出す。 ビデオがアニメの保存や操作を可能にしたことでファンの交流を促して、「趣味としてのアニメ」の新たな流通経路を作り出し、それが個人の収集(コレクション)やレンタル市場の形成につながっていった。ファン・産業・技術が絡み合いながらアニメ独自の市場を形成した1980年代のうねりを照らし出し、ビデオが切り開いた映像経験の文化的なポテンシャルを明らかにする。 3,080円 子どもの読む力を育てよう! 小川 三和子 なぜ、子どもの成長にとって読書が必要不可欠なのか? 乳幼児期から学齢期にいたるまでの子どもたちに、家庭や教育現場ではどのような読書体験を提供するべきなのか? 本がある環境づくり、読み聞かせ、ブックトーク、図書館の利活用など、子どもたちの成長のために欠かせない本との出合いや読書との向き合い方を、教育現場での体験談も交えながらやさしく具体的に指南する。さらに、子どもの発達段階(赤ちゃん―高校生)ごとに薦める絵本や児童文学もふんだんに紹介。 加えて、国語の授業での読書会やビブリオバトルの取り組み、学校図書館ボランティアの活動、「子ども読書の日」や「読書バリアフリー法」など国民の読書に関する施策についてもまとめ、社会と読書の関わりを総覧する。 子どもにとって、家庭にとって、そして現代社会にとっての読書の意義をあらためて考えるための一冊。 2,420円 社会福祉士になろう! 梅本 政隆 年々その数が増え続け、ますます活躍の場を広げている社会福祉士(ソーシャルワーカー)。医療・福祉分野では、介護福祉士と看護師、医師、薬剤師に次いで従事者が多い。今日では、映画やドラマでもよく目にするほどに、社会に根づいている。 しかし、こうした現状は社会のなかで生きづらさを抱えている人々のニーズの高まりを意味する。制度の狭間で身動きができなくなってしまうときに問題を解決して、対象者(クライエント)が人生の主役として生きられるように黒子として関わるのが社会福祉士の役目なのだ。 そこで本書は、社会福祉士が目の前で困っている人への寄り添い方だけでなく、マクロな制度にアプローチするために必要な「情報を俯瞰・言語化・構造化するスキル」もガイドする。さらには、資格試験を突破するコツや実務に役立つ視点、多様な分野で活躍する5人のフロントランナーへのインタビューも所収する。 ソーシャルワーカーを「生き方」として捉えて、自由なアプローチで社会を変えていけることの魅力を平易な言葉で語り尽くした入門書。 1,980円 台湾炭鉱の職場史 嶋崎 尚子/中澤 秀雄 台湾炭鉱をひもとけば、石炭産業の機械化以前の原初形態を知ることができ、さらに台湾の歴史や社会を学ぶことができる。 本書では、台湾最大だった瑞三炭鉱を中心に戦後の石炭産業を概観して、基本的な知識や情報を提示する。そのうえで、瑞三炭鉱の中心的な人物とその一族の人生を聞き書きで再現して、台湾炭鉱で働いた労働者や家族の仕事と暮らしを描き出す。さらに、炭鉱遺構をめぐる記憶保存と地域再生の現在の動きにも目配りする。 台湾炭鉱の労働者とその職場の歴史から、厳しい環境のなかで日々の生活のために協働してきた「誇り」の軌跡をたどり、観光地ではない「もう一つの台湾」を掘り起こす。 3,300円 ハイジの生みの親ヨハンナ・シュピーリ 川島 隆 世界中で読み継がれている児童文学の古典的名作『ハイジ』。高畑勲演出のテレビアニメ『アルプスの少女ハイジ』をはじめ、映画、テレビドラマ、漫画や絵本など、多彩なメディアへの翻案を提供している『ハイジ』は、これらの氾濫するイメージに追いやられ、19世紀スイスに生きた原作者ヨハンナ・シュピーリその人に光が当たることはきわめてまれだ。 本書では、近代ヨーロッパ社会のさまざまな問題が織り込まれたシュピーリ文学の諸相を検証し、女性の自己実現、自然と教育のせめぎ合い、キリスト教信仰への思い、また社会運動へのまなざしなどのテーマが彼女の作品群でどのように変奏されていったのかを明らかにする。そして、その道筋の半ばに現れた傑作『ハイジ』の到達点をあらためて考察する。 爆発的な売れ行きをみせた『ハイジ』はまた、第三者による非公式の続篇の跋扈、数えきれないほどの映像化作品、そして日本でも多様なバリエーションの翻訳を生み出している。こうした「ハイジ現象」のうねりを鳥瞰しながら、スイスという国のイメージを規定する国民神話にまで上り詰めた「アルプスの少女」の魅力の正体を探る。 3,740円 元自衛隊員は自衛隊をどうみているか ミリタリー・カルチャー研究会 自衛隊退職者は自衛隊にどういう意識をもっているのか。平和・安全保障問題に関する今後の議論の基礎になる客観的・学術的なデータを得ることを目的に、自衛隊退職者を対象に実施した「安全保障・防衛問題に関する意識調査」の結果を図表にまとめて報告する。 現代日本の平和・安全保障問題をめぐる状況は、大きな変革の時期を迎えている。従来からの懸念だった東アジア地域での脅威の増大や米中対立の先鋭化に加え、2022年のロシアによるウクライナ侵攻は全世界に衝撃を与えた。これを受け、日本政府は防衛力強化に向けて安保関連3文書を改定、防衛費の大幅増額や反撃能力保有の是非が政治的議題として浮上している。ところが、現在の市民社会のなかで「戦争」や「軍事」の十分な理解に基づく議論の機運が醸成されているとは言いがたい。 研究会が調査した自衛隊退職者は、かつては軍事を専門とする職に就き、いまは一般市民として生活している。平和・安全保障問題については、元自衛隊員としての経験や実感に根差した独自の認識や見解をもっているはずだ。前著『日本社会は自衛隊をどうみているか』で取り上げた一般市民の意識との差異を明らかにし、両者を比較・検討・総合することで、現代日本の平和・安全保障問題に関するより立体的・客観的な知見が得られるにちがいない。 内憂外患の日本にとって、安全保障とは何か、そして平和とは何か。この国の行く末を探るための導きの糸を世に問う。 3,300円 まるごとコントラバスの本 森田 哲生 最低音域を担当し、アンサンブルの「縁の下の力持ち」ともいえるコントラバスは、音楽の出来を決定づけるほど重要なポジションだ。曲の土台をつくり、演者と客、音と音をつなぐ。奥が深く、知れば知るほど魅力が増す。しかし楽器自体の大きさもあり、自由自在に弾きこなせるのは一部の人だけだと誤解されている。 本書では、そんなコントラバスの演奏が誰でも本質的にうまくなる方法をやさしくガイドする。楽器の特徴や基本構造、選び方から始めて、醍醐味ともいえる「アドリブソロを弾きこなす」「セッションに参加して音楽で人と会話する」ために、何をどのような順序で身に付ければいいのかを示す。 さらには、ほとんどの奏者が挫折する音楽理論も、上達に必要な核心部分に絞ってコンパクトに解説する。リペアマンの選び方や画期的なアプリケーションの利用法など、一流のプロのノウハウも惜しみなく伝授する。初級者から中・上級者まで使える、コントラバスの楽しみをより深めるために必要な知識を凝縮した一冊。 1,980円 感染症と隔離の社会史 金川 英雄 コレラ、赤痢、ペスト、スペインかぜ……近代以降、様々な伝染病・感染症が流行してきたが、医学はどのように対応して、どう克服してきたのか。 明治期に作られた伝染病・感染症を専門にする「避病院」に光を当てて、尾崎紅葉『青葡萄』や正宗白鳥『避病院』、与謝野晶子「感冒の床から」、現・都立病院の当直日誌などの作品や資料を現代語訳・要約しながら紹介し、感染症や医療現場の実態、防疫体制の地域格差などを掘り起こす。 著者が勤める国立病院機構埼玉病院の臨床現場から、現状や風評被害の実態、新型コロナウイルスの集団免疫による収束についての小論も収めて、感染症と隔離の日本史から「いま」と「あした」を考える視点を提供する。 2,640円 精神病院の社会史 金川 英雄/堀 みゆき 「精神病」患者を受け入れて癒しの場になっていった高尾山の滝治療、私立の精神病院の数々、精神病院を開設した人々。多くの史料をもとに「精神病院」の歴史を描き、精神病院と地域の関係性、当時の患者たちの苦悩と支えた人々の努力を浮き彫りにする。 3,080円 台所に敗戦はなかった 魚柄 仁之助 戦時中の婦人雑誌の料理コーナーは、少ない配給物資をいかに無駄なく食べ尽くすかという「国策料理」ばかり。玄米1升に水2升を入れてふくらませ、さらに水5合で炊く「楠公炊き」をはじめ、いかにかさを増やすかの戦時色のオンパレード。それは、1945年8月15日の敗戦後も変わらず、むしろもっと深刻な食糧難に突入した。「うどんのコロッケ/パン/プリン」「大麦や米ぬかのコーヒー」「おはぎは里芋」「黒豆で人工ぶどう酒」……。 戦前―戦中―戦後の台所事情を雑誌に探って、「必ず食べてから発言する」がモットーの料理人がレシピどおりに実際に作って、食べて、レポートする「食が支えた戦争」。 1,980円 日本の精神医療史 金川 英雄 明治期の西洋医学の導入以降、精神病者の治療・保護・監視に関する法律が制定されて、精神病院が作られていく精神医療史を追い、呉秀三らによる『精神病者私宅監置ノ実況及ビ其統計的観察』を精読する。国内や朝鮮半島を視野に精神医療史をレクチャーする。 2,200円 古本屋になろう! 澄田 喜広 古本屋という商売を始めよう! リアル古本屋経営の基礎とは何か、開店の準備、仕入れのノウハウ、棚作りのコツ、値付け方法、専門店か総合店か、どのようにして利益を上げるのか――激戦区で長年店をかまえる著者が、イロハからそろばん勘定までを指南する。 1,760円 三浦半島の医療史 金川 英雄 高齢化が本格化した現在、地域医療の連携が叫ばれ、その実現に向けて課題が議論されている。そもそも、地域の医療の受け皿になっている病院は、どのような歴史的な背景から根づき、地域に医療を提供してきたのか。 軍都だった三浦半島の陸軍や海軍の病院、軍需工場に付随して作られた病院が、敗戦を挟んで国立病院や共済病院、キリスト教系病院になった歩みをたどる。また、済世会病院や赤十字病院、掖済会病院、労災病院などの展開も掘り起こす。 軍港があり、工業地帯も有し、内陸と湾岸という地形的な特徴もある三浦半島の病院の歴史を、街と病院を微細に探索して当時の資料をひもとくことで明らかにして、一地域の医療史から国公立病院の具体的な社会的な背景と展開を見通す。 2,640円 ミリタリー・カルチャー研究 吉田 純/ミリタリー・カルチャー研究会 戦後日本のミリタリー・カルチャーは、戦前・戦中への徹底的な批判や否定から出発した。このことが、海外諸国とは異なる日本独自のミリタリー・カルチャーを作り出した。 1960年代に隆盛した少年週刊誌の戦記マンガ、プラモデルなどの少年文化は、敗戦後に抑制されていたミリタリー・カルチャーの復活をもたらした。その後、2010年頃を転換点として、メディアやポピュラー・カルチャーから戦争や軍事組織をイメージする世代が多数派となり、これが市民の戦争観や平和観にも反作用を及ぼして、ミリタリー・カルチャーの構造的な地殻変動をもたらしている。 現代日本のミリタリー・カルチャーを、市民の戦争観・平和観を中核とし、それと構造的に相関する文化的要素で構成する諸文化の総体として、社会学・歴史学の立場から解明する。 「読む事典」でどこからでも入っていけるミリタリー・カルチャー研究の決定版! 3,300円 マンガ学部式メディア文化論講義 姜 竣 京都精華大学マンガ学部で人気の授業から生まれた、言葉と表現の仕組みを読み解くユニークなメディア論講義の書籍化。 「時代や場所によって、人々の感性や知覚は変わる」「メディアの変化や歴史が、いまの私たちのモノの考え方に大きく影響している」――この見方を身につけるために、本書では近世から近代へ、近代から現代へと変容するメディアが私たちに及ぼした影響を、絵と声と文字という「言葉の三角形」の視点から解き明かします。 第1部の理論篇では、言葉という大きなテーマを扱うための視角と方法を提示します。続く第2部の歴史篇では、江戸時代の浮絵や眼鏡絵、明治の小説や錦絵新聞などの具体例を多く示しながら、風景画と文学、言葉と国民国家形成との関係性を解説します。第3部の実践篇では、紙芝居やマンガを事例にして、絵と声と文字の関わりから現代のメディア表現がよって立つ基盤についてレクチャーします。 マンガの描き方を学ぶために大学に入り、はじめて座学で表現とメディアの関係にふれる学生を対象にする人気講義をブラッシュアップ。私たちのモノの考え方とメディアの関係を見据え、メディアの変化が社会に及ぼす影響を追求する視点が学べる一冊です。 2,640円 ニッポン獅子舞紀行 稲村 行真 日本最多の民俗芸能といわれる獅子舞。 特徴的な大きな頭と布でできた胴体。口をパカパカさせながら舞い踊る姿を正月のショッピングモールや各地のお祭り、行事などで多くの人が一度は目にしたことがあるだろう。その歴史は古く、西暦600年ごろの飛鳥時代に中国大陸から朝鮮半島を経て日本に伝わり、現在でもその歴史を受け継ぎながら、また社会状況にあわせてさまざまに形を変えながら親しまれている伝統芸能である。 獅子舞の最大の特徴はその「多様さ」だ。獅子舞の舞い方はもちろん、頭や体の形も大きさも地域によって異なり、おのずと獅子舞に込められる人々の願いや祈りも多種多様なものとなる。そこには各地の歴史と文化、そして日々の暮らしが息づいている。 東北地方の「権現舞」、関東の「三匹獅子舞」、北陸地方の「加賀獅子」、三重の「伊勢大神楽」、鳥取の「麒麟獅子舞」など、国の重要無形民俗文化財に指定され多くの人の目にふれるものもあれば、地域の人々の手によって脈々と継承されてきたものも多い。 そんな獅子舞に魅せられた若き著者が、北海道から沖縄まで500カ所以上に足を運び、取材してきたなかから厳選した獅子舞を歴史や風習、そして担い手の思いとともに紹介する。かつてない感染症の流行や地方の過疎化に負けない躍動感あふれる獅子舞たちとそれを守る人たちの生き生きとした姿を120点以上のフルカラー写真とともに収める日本を旅する獅子舞紀行。 2,640円 戦争映画を解読せよ! 永田 喜嗣 戦争映画は多義的である。戦時にそれは、人間の憎悪と闘争本能と破壊衝動を巧妙に煽り立てる。平時にそれは、国家の和解と共生と反戦を声高に謳い上げる。そして人は、いまわしい暴力や大量殺戮を描くそれらを興奮と高揚のうちに娯楽として消費する。戦争映画とは何なのか。なぜ人は戦争映画を欲し、生み出し、享受し、そして熱狂するのか。 敵対するアメリカと日本の双方が製作した戦意高揚映画、ナチス・ドイツの侵略戦争やホロコーストの惨禍を告発する作品、南京事件や捕虜虐待などの日本軍の蛮行を暴露する抗日映画、広島と長崎への原爆投下やドレスデンへの無差別爆撃など戦勝国の戦争加害を明るみに出す作品など、各国で製作された多様な戦争映画を縦横に読み解く。 善と悪、生と死、軍隊と銃後、戦勝国と敗戦国、支配と被支配、被害者と加害者、殺す者と殺される者……。さまざまな立場や欲望、そして運命がせめぎあう戦争映画の解析を通じて、戦禍に翻弄される人間の姿や戦争と社会の関わりをひもとき、私たちの過去を思索し未来を模索する刺激的な試み。 3,960円 音楽雑誌と政治の季節 山崎 隆広 1969年に評論家・中村とうようたちが創刊した音楽批評誌「ニューミュージック・マガジン」は、「ロッキング・オン」などとともに戦後のポピュラー音楽やサブカルチャーをめぐる議論を牽引した。そのなかで〈他者〉、とりわけアメリカはどのような存在だったのか。 戦後の音楽産業、音楽雑誌や出版をめぐる事情などの基礎知識を押さえたうえで、「ニューミュージック・マガジン」の編集者を務めた北中正和へのインタビューや日本語ロック論争から、当時のポピュラー音楽と社会状況との関わりを明らかにする。加えて、吉本隆明たちが立ち上げた「試行」が日本の文化状況に与えたインパクトや、サブカルチャーへの影響などについても検証する。 1970年前後のオルタナティブなリトルマガジンで展開されたポピュラー音楽批評から、音楽が情況や運動とどう対峙したのかを描き、それをとおして戦後日本が抱える内なる他者や〈アメリカ〉の変容をあぶり出す。 3,960円 1 234 ... 49 TOP 電子書籍(本・小説) 青弓社 2ページ目