文藝春秋 6,379件 人気順 新着順 風の扉 夏樹静子 染織工芸界の巨匠が破門中の弟子の恨みを買い、メッタ突きにされて殺された! しかし事件はいっこうに報じられない──そして弟子は生きている巨匠を目撃する。一方、ボーイフレンドを交通事故で亡くした娘は、彼の死体に奇妙な違和感を感じる。癌に苦しむ病床のホテル会社社長。脳死状態に陥った初老の男。見ず知らずの4人の運命が交錯するとき……医学の未知の世界に挑み、時代を先取りして従来の推理小説の枠を大胆に打ち破った、衝撃的な医学長篇ミステリー。 440円 キャッツアイころがった 黒川博行 滋賀、京都、大阪。全く別々の場所で発見された三人の男たちの死体は、なぜ同じようにキャッツアイを呑みこんでいたのか。キャッツアイを共通点に、連続殺人事件と断定されたが、被害者同士の関係もつかめず捜査は難航する。一方、第二の被害者村山光行と共に、京都府立美術大学に学ぶ啓子と弘美は、村山の旅行体験から「事件の鍵はインドにあり」と睨んで一路カルカッタへ。そこで二人が掴んだ真実とは──。サントリーミステリー大賞に輝く傑作長篇推理。 495円 クレージイ・ドクターの回想 なだいなだ 精神科医の私の家に、美人の患者が訪ねてきて、こともあろうに女房の前で“あたい、センセの子供、うんでみたいな”などと口走ったら……。さよう、愛することは、ままならぬものだが、愛されることは、更にままならぬ。個性あふれる患者たちの話、フランス人の妻の話、医学生時代のエピソードなど、さまざまな人間を登場させながら語られる、愛されるということ、試験のこと、車のこと、親子のこと、苦笑いというもの、殺すということ……人生の智恵とユーモアあふれるエッセイ集 440円 雑学艶学 西沢 爽 弓削道鏡を筆頭に、古今東西の巨根、巨マン、性豪列伝。江戸時代のソープ(湯女風呂)、接吻の起源、豊臣秀吉の見事なラヴレター、徳川家康の淋病の話、死人に接吻する話、「ずいずいずっころばし」がエロ唄である説、古事記にはじまる「麻羅=刀」説、等々。およそ性にまつわるウンチクを余すところなく傾け尽くす。当代一の人生の達人が好評「雑学猥学」につづいて贈る、Y談のタネ本にして、知性と教養が読むほどに身につく、比較人類学(?)の薫り高い、これぞ人生の本! 495円 私の西域紀行(上) 井上 靖 西域は、著者の憧れの地であった。かつては東西交通の要衝として栄え、数々のロマンを生んだこの地域は、同時に、広がる荒蕪地と沙漠が人間の進入を拒む死の土地である。「敦煌」「楼蘭」「昆崙の玉」など、西域を舞台に幾多の小説を書いている著者の四十年来の夢、それは自らの足で彼の地に立つことであった。夢は果たされ、踏査行は四度にわたった。白雪を頂く峻険の天山山脈が、タリム盆地が、火焔山が、巨匠の筆に、あざやかに甦った! 畢生の紀行文学。 550円 私の西域紀行(下) 井上 靖 「私の生涯の一書はこれだ」と著者はいう。荒涼たる土の海、天へ舞い上がる沙の渦をおかして探査の旅は続けられ、その困難のさ中に先人スタインの記録の空白が、ここにはじめて埋められる。二度目の敦煌、タクラマカン砂漠の大ドライブ、四日がかりの汽車の旅。間断なく揺れる車の助手席で、あるいはたどり着いた宿舎で、根気よくとりつづけられたメモと、作家の洞察力が、秘境のかくされた顔を正確無比の筆で描き出した。シルクロードは、読者の眼前にある。 550円 食生活を探検する 石毛直道 料理上手になる秘訣は、食物に対するあくなき好奇心と創意、工夫を持つこと。アフリカの奥地でおせち料理を作り、ニューギニアの高地で原住民に手打ちうどんをふるまい、トンガでは皇太子妃に酢ダコのレシピを伝授……。サバンナ、南太平洋の島々、熱帯雨林など世界各地で、現地の人たちと食事を共にしながら生活し、独創的な料理の腕をみがいた文化人類学者が、料理や食べ物を手がかりとして、さまざまな社会や文化を考察する。珍奇かつ痛快な知的食物探検の記録。 550円 食通知つたかぶり 丸谷才一 うまいものには目がない著者が、各地の美味を定評ある名文で綴ると、さあどうなるか? いずれも目次から「信濃にはソバとサクラと」「長崎になほ存す幕末の味」「ヨコハマ 朝がゆ ホテルの洋食」「岐阜では鮎はオカズである」「伊賀と伊勢とは牛肉の国」「岡山に西国一の鮨やあり」「由緒正しい食ひ倒れ」「利根の川風ウナギの匂ひ」「春の築地の焼鳥丼」「雪見としやれて長浜の鴨」……どうです、食指が動きませんか? しかも夷齋學人(石川淳)が格調高き序を寄せています。 440円 食味歳時記 獅子文六 子供時代の最上の美味「キントン」にはじまって、鍋物談義、目黒のタケノコ、大食と美食論、米のうまさについて、戦前のフランスで食べたスキヤキ、麩まんじゅうの味わい、佐藤春夫・幸田露伴とソバを食べた話……ヨーロッパ滞在も長く、演劇に文学に鋭いエスプリを有していた著者が、その批評眼を舌にうつして描いた文明論的味覚随筆。軽妙洒脱な文章で体験を語る各章は人生の世代、世代で異なる味覚の変化を見事に把えて、一種の老人学入門ともなり、もはやこの種随筆の古典である。 495円 熱いが御馳走 食物ことわざ事典2 平野雅章 「濃い茶目の毒、気の薬」「烏賊の甲より年の劫」、「案じるより団子汁」「酒池肉林」「鯖を読む」「蟹は食うともがに食うな」「昆布を食べると髪が黒くなる」「縦に裂けるきのこは食べられる?」──永年語りつがれたことわざ、格言には汲めども尽きぬ庶民の叡智がひそんでいる。日に三度の食事に関するものなら尚更のことだ。散逸しかかっている食物のことわざを百二十篇、先達の知恵に学びながら、味も健康も増幅させる一石二鳥の事典がこれ。 495円 新太閤記(四) 海音寺潮五郎 戦国の世を疾駆する男たちの傑作長篇の完結篇。柴田勝家を筆頭とする反秀吉派を一掃して、天下人への道をさらに進めた秀吉の唯一の不安は徳川家康の存在であった。小牧、長久手の戦いで両者はついに対決、しかし秀吉の敗北にもかかわらず、家康は秀吉に帰服し、長かった戦国時代の幕はおりた。主君信長の果たせなかった天下統一へと駒を進め、比類のない栄耀に浸る秀吉。しかし次第に穏やかならざる不安が湧き上がり、それを払拭しようと侵略の矛先を朝鮮へと向けはじめる……。 660円 父が消えた 尾辻克彦 表題作は、父の遺骨を納めるべく売り出された墓地を見に行く青年の奇妙な一日をポップ・アート風に描いて注目を浴びた第84回芥川賞受賞作。他にカメラ狂のフェティシズムを考察する「星に触わる」、晴れた日に雨樋を買うことこそラディカルだと思う男を描く「自宅の蠢き」、銭湯の出前をとるという奇想天外な世界を描く「お湯の音」、友人から屋上をもらった男の日常生活を垣間見る「猫が近づく」。赤瀬川原平の別名を持つ著者の、初期の秀作五篇を収録した純文学短篇集。 440円 日本武将譚 菊池寛 平将門は本当に粗野暴虐な謀叛人だったのか? 太田道灌の「みのひとつだになきぞかなしき」の山吹の逸話は、じつは虚構。伊達政宗が、豊臣、徳川の間に処して、戦国の世に遂に大封を全うし得た秘訣とは? 小田原城をとった北条早雲がなぜ韮山を離れなかったか。木曾義仲が京都で評判が悪かった理由……八幡太郎義家、義経、楠木正成、謙信、信玄、秀吉等々、名前は誰もが知っている忠臣、朝敵、乱世の梟雄、英雄、名将、智将の魅力を余すところなく語る、とても楽しい歴史人物論。 495円 かんちがい閉口坊 かんべむさし 全国津々浦々の善男善女のサラリーマンが坊主にみこまれて、坊主や尼の姿になって、一流ビジネス街のビルからお経を唱えながら、ぞろぞろ出て来て全国行脚の旅に出る──表題作をはじめ、奇怪な生命体が次々に登場する「出入星管理事務所」、人の行動を火山活動にあてはめてみた「活火山」「休火山」「死火山」など、十一篇の短篇はいずれも奇想天外のアイデアとケタはずれの面白さを満載。SF界の奇才が段ちがいの力量を示す突撃的SF大行進! 550円 御前会議 五味川純平 御前会議──天皇の前で開かれるため最高の権威をもつ。が、その天皇は一切の責任の外にあった。昭和十六年、四回の御前会議の結果、日本は勝算なき太平洋戦争に突入した。この会議の経緯を詳細に辿り直し、改めて御前会議のもつ奇怪な本質を抉る迫真のドキュメントが本書である。陸軍と海軍の権力抗争、開戦のために工作される非合理的な数字、参戦を疑問視しながら、しだい口を閉ざしてゆく重臣たち。著者は言う、“恐るべき傲慢と惰性が日本を破滅させた”と。 715円 指揮官 児島 襄 山本五十六は真に名将であったのか? マッカーサー元帥の統率力の根源は何であったか? 第一部は太平洋戦争史に名を残す日本帝国の将官たち十四人を、第二部では、第二次世界大戦に活躍した外国の指揮官、指導者十三人をとりあげた。これら指揮官の参加した様々な局面に即して、とくにその重要事態時の姿に、著者は注目する。求められた判断の機会にいかなる決定がなされたか。そこには戦争という歴史の形成と個人との関りが明瞭に示されている。 715円 重臣たちの昭和史(上) 勝田龍夫 なぜ日本はあの戦争に突入したのだろう? 二・二六事件当時の世相はどんなだったか? 木戸幸一の語った新事実とは? 陸軍の暴走はどのように始まったのか? 天皇の統帥権の実態とは? 元老西園寺・木戸・近衛と原田熊雄を中心に、貴重な談話・手紙・一次資料からの豊富な引用を交えた、立体的な昭和史。当代きっての事情通・原田熊雄の女婿ならではの情報力で描き出されたこの大河歴史ドキュメントは、歴史を多面的に知りたい人にとって、まことに平易かつ便利な通史である。 715円 重臣たちの昭和史(下) 勝田龍夫 日本は太平洋戦争をどのような目算で戦ったのか? 負けが込んできてからの情報は上層部にどう伝えられたか? 敗戦前後、権力の中枢にある政治家や軍人たちはどう振舞った? 蘆溝橋事件、三国同盟、日米開戦そして敗戦──そのとき天皇の周辺のみが知り得た膨大な事実の証言をもとに描く、昭和史の悲劇のクライマックス。著者(当代きっての事情通・原田熊雄の女婿)ならではの情報力で、元老西園寺・木戸・近衛と原田熊雄を軸に描かれる、分かりやすく迫力ある昭和史。 715円 新太閤記(三) 海音寺潮五郎 トントン拍子で出世してきた秀吉の前に、明智光秀の反逆によって、猛獣のように怖れていた主君信長が本能寺に斃れるという事態が出来した。毛利攻略のため中国に兵を進めていた秀吉は、信長の死を秘して、軍をとって返し、山崎の合戦で光秀の軍を破った。天下を目前にして秀吉の智略は光る。とはいえ、眼前には柴田勝家、徳川家康など名門武将たちが虎視眈々として控え、織田家の血脈を利用しようと謀略をはじめる。その渦中には、秀吉が一心に憧憬をつづけたお市の方がいた――。 660円 懐しき文士たち 戦後篇 巖谷大四 昭和二十年八月十五日、天皇の玉音放送によって戦争は終結、「戦後」が始まった。二十一歳の若さで三島由紀夫が颯爽と登場し、新風を文壇に吹きこむ一方では、文豪幸田露伴が八十一年の生涯を静かに閉じた。『近代文学』の創刊、昭和十九年を最後に中止されていた芥川賞・直木賞も昭和二十四年には復活、伊藤整のチャタレイ裁判、川端康成がノーベル賞受賞にあたって語ったこと等、戦後の文壇を彩った作家と文学の全貌を、興味深いエピソードで描き出す、生きた戦後文壇史。 495円 1 ... 312313314 ... 319 TOP 電子書籍(本・小説) 文藝春秋 313ページ目