筑摩書房 3,316件 人気順 新着順 遠い朝の本たち 須賀敦子 人生が深いよろこびと数々の翳りに満ちたものだということを、まだ知らなかった遠い朝、「私」を魅了した数々の本たち。それは私の肉体の一部となり、精神の羅針盤となった――。一人の少女が大人になっていく過程で出会い、愛しんだ文学作品の数々を、記憶の中のひとをめぐるエピソードや、失われた日本の風景を織り交ぜて描く。病床の著者が最期まで推敲を加えた一冊。 550円 日本人を〈半分〉降りる 中島義道 注意・挨拶・お願い・告知などのテープ放送や機械音を耳にすると、もう著者は黙っていられない。昼夜を問わず日本全国で繰り広げられる善意の大合唱に、著者の“哲学魂”が炸裂する。無自覚なままに責任を回避し、結局は思考停止の状態に陥っているということが、著者の怒りを激しく誘うのである。肝心のところは変わっていない日本人の感性の質を執拗に抉る、異色の日本論。 660円 デカメロン(上) ボッカッチョ/柏熊達生(訳) 中世の終焉と近代の人間解放を告げた最初の作品と讃えられる、イタリアが産んだ不朽の名作。時は14世紀、ペストが荒れ狂うフィレンツェである教会堂に落ち合った年若い3人の貴公子と7人の貴婦人。丘陵に囲まれた郊外の山荘へ難を逃れた彼らが、悲惨な現実を忘れるため、毎日1人1話ずつ10人で10日間にわたって話された100篇の物語。精力絶倫の修道士が自分の不行跡に修道院長を引きずり込んで罪を逃れる話や、恋多き女が修道院を舞台に巧みに思いを遂げる話など、本巻には30話までを収録。 1,045円 無思想の発見 養老孟司 日本人は無宗教・無思想・無哲学だという。さて無思想とは、どのような事態か。もしかするとそれは、「ゼロ」のようなものではないのか。つまりゼロとは、「なにもない」状態をあらわしつつ、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方ではないか。日本の風土と伝統が生んだ「無思想という思想」を手がかりに、現代を取り巻く諸問題、さらには、意識/無意識とはなにかを、大胆に、されど精緻に考え尽くし、閉塞した現代に風穴を開ける。 715円 オリヴァー・トゥイスト(下) C.ディケンズ/小池 滋(訳) 主人公の孤児オリヴァーの運命の星は光を失ったまま、酷薄さを増していく。盗賊団一味のビル・サイクスに従って強盗に連れ出された夜、オリヴァーは瀕死の重傷を負い、仲間に置き去りにされる。かろうじて篤志なメイリー夫人に救われた彼の運命はさらに二転三転して……。ユーモア作家として不動の地位を確立していたディケンズが、持ち前のジャーナリスト的視点で挑戦した初の社会小説。 935円 オリヴァー・トゥイスト(上) C.ディケンズ/小池 滋(訳) 18XX年初頭、イギリスのとある町の救貧院で一人の男の子が生まれ落ちた。母親は子供を産むとすぐに、ぼろ布団の中で息を引き取った。過酷な環境の中で育った孤児オリヴァーはその後、葬儀屋サワベリーなどのもとを転々とするも、残酷な仕打ちに見まわれ続ける。ついにロンドンに逃れたオリヴァーを待ち受けていたのは凶暴な盗賊団一味だった……。若きディケンズが19世紀イギリス社会の暗部を暴露し、痛烈に風刺した傑作長編小説。 935円 ときどきイギリス暮らし 井形慶子 雑誌編集長として活躍する「私」が二十歳代から魅せられたイギリス。仕事・離婚・子育てに悩んだ心を、ふるい立たせてくれたのもイギリスだった。しかし渡英30回をこえたころから「私」の中に変化が……。イギリス人と恋におちて経験した文化的ギャップ、予期せぬ人種的差別。そのはてに見つけ出したイギリスでのほんとうに豊かな暮らしとは? 感動の体験的エッセイ。 605円 「脳」整理法 茂木健一郎 おびただしい量の情報やモノに囲まれ、脳が悲鳴をあげている。現代人がより賢明に清々しく生きるためには、脳をどのように使いこなせばよいだろうか? その鍵は、森羅万象とのかかわりのなかで直面する不確実な体験を整理し、新しい知恵を生み出す脳の働きにある。本書では最新の科学的知見をベースに「ひらめきを鍛える」「幸運をつかむ」「他人とうまくつき合う」「チャレンジする勇気をもつ」など切実な課題にも役立つ、脳の本質に即した〈生きるヒントを〉キッパリ教えます。 660円 ピーターとペーターの狭間で 青山 南 アメリカ南部の黒人が話す英語はなぜ東北弁になるのか?『ライ麦畑でつかまえて』と『危険な年齢』の関係は?「がってん承知の助」の原文は? 翻訳家。なんて因果で罪つくりで、面白い商売。英語と日本語の狭間で身もだえしつつ、コトバから文化を照射する、翻訳あれやこれやエッセイ。 715円 千一夜物語(10) 佐藤正彰(訳) ついに千一夜の物語を語りおえたシャハラザード。王は彼女の命を奪わなかったばかりか、二人の間には深い愛情がはぐくまれ、物語が続く間に三人の子供にもめぐまれていたのだった。手に汗握る冒険譚から一転、美しい朝の輝きに彩られて、幸福に満ちた大団円が待っていた。 990円 道化的世界 山口昌男 道化は硬直化した秩序のいたるところに軽快な身振りで登場し、脱臼作用(=イタズラ)を仕掛けてまわる──さまざまな現実のレヴェルをダイナミックに捉えてゆく感受性や方法論を鍛えるためにこそ、〈道化〉的知のモデルが求められている。縦横無尽の行動力と旺盛な知的好奇心で現代日本の知的文化状況に対し、常に挑発者として振るまいつづけてきた著者が、知のあらゆる領域へ向けて果敢な展開を示した最初の道化論集。 1,320円 千一夜物語(9) 佐藤正彰(訳) 盗賊たちが大岩に向かって「開け、ゴマ」と叫べば、なんと岩が二つに割れて入り口が出現。それをこっそり見ていたアリ・ババが同じく呪文を唱えると、金貨や宝石が山と積まれた穴倉まで現れて……。おなじみ『アリ・ババと四十人の盗賊の物語』をはじめ『魔法の書の物語』や『金剛王子の物語』他を収める。クライマックスを目前にシャハラザードが紡ぐ話は一気に高みへと駆け上がる。 990円 童話集 白いおうむの森 安房直子 死んだ人の住む地底の暗い森。生きている人から死んだ人への思いを運んでゆく白いおうむ。少女は偶然その森に入りこんだのだが……。表題作「白いおうむの森」ほか「雪窓」「鶴の家」「長い灰色のスカート」など、人と人との出会い、そして別れ。その喜びと悲しみを美しい筆致で描いた童話七篇を収録。 440円 社会学を学ぶ 内田隆三 社会学とはどういう学問か。また、社会学を学ぶ理由は何か。これらはそのまま、「社会」とは何かという問いにつながる。本書では、著者自身の経験に即しながら、パーソンズの行為理論、マルクスの物象化論、レヴィ=ストロースらの構造主義、フーコーの言説分析、ルーマン/ボードリヤールのシステム論、柳田国男の習俗の思考、ベンヤミンのパサージュ論などを通して、これらの問いに答えてゆく。社会学の本質に迫る、渾身の入門書。 715円 千一夜物語(8) 佐藤正彰(訳) 大金持ちだが、ものすごくケチな男がいた。それもただのケチではなく、衣服はボロボロ、風呂代を節約するためにアカは層をなしている。特にゾウリには擦り切れないよう釘が打ち付けられていて、重いことこの上なかった。このゾウリが、ある時から彼に次々ととんでもない事件をもたらし始める……。皮肉と笑いにみちた短篇「減らない草履」など、物語はいよいよ八百夜を超えて、佳境をむかえる。 990円 千一夜物語(7) 佐藤正彰(訳) 貧しい家の不良少年アラジンの前に、ある日、親類だと名乗る変わった男が現れた。男はさびしい岩山にある穴倉から、ランプをとってくるようアラジンに命じた。無事ランプを手に入れたアラジンだったが、しかしそれを男に渡さない……。本作全編中で最も名高い話の一つである「アラジンと魔法のランプの物語」。実は一般に知られているよりもはるかに豊かで奥深い話なのだった。他に「処女の鏡の物語」「無精な若者の物語」などを収める。 990円 フーコー入門 中山 元 「真理」「ヒューマニズム」「セクシュアリティ」といった様々な知の〈権力〉の鎖を解き放ち、「別の仕方」で考えることの可能性を提起し続けた哲学者、フーコー。我々の思考を規定する諸思想の枠組みを掘り起こす〈考古学〉においても、我々という主体の根拠と条件を問う〈系譜学〉においても、彼が一貫して追及したのは〈思考のエチカ〉に他ならなかった。稀代の哲学者の変容しつつ持続する歩みを明快に描き出す、新鮮な入門書。 770円 人類と建築の歴史 藤森照信 建築とは何か、その歴史とはどのようなものだろうか? 母なる大地と父なる太陽への祈りによって誕生した〈建築〉。地母神が人をやさしく包む母のような内部を、太陽神が人の眼前にそびえる父のような外観をもたらした。以降、神々のおわす神殿、神社へと発展し、青銅器時代から二十世紀モダニズムへと駆け抜けていく。人々の共同意識が作り出し、さらに意識を組織化する力をもつ建築。様々な説により自由にかつダイナミックに展開する、全く新しい『初めての建築の本』。 715円 千一夜物語(6) 佐藤正彰(訳) 貧しい漁師がアッラーに祈りながら網を打つと、二匹の猿がかかった。その猿を使ってまた網を投げると、たくさんの魚が捕れた。彼の前には次々と運が開け始める。そして……(「貧乏カリーフの物語」)。他にも「黄色い若者の物語」や「ハサン・アル・バズリの冒険」など、シャハラザードの語りも五百夜を過ぎて、ますます巧みな展開が楽しめるお話の数々。 1,100円 脳の見方 養老孟司 長い進化の時間の中で、ヒトは巨大な脳を手に入れた。取り出してしまえば、柔らかそうな、丸みを帯びた、灰色の物体に過ぎないこの器官が、ヒトを知る鍵であるらしい。私たちがものを考えるとき、そこでは何が起こっているのだろうか。真実とは一体どこに存在するのか。ゲーテからウオノメまで、自在な角度から論じ、脳とは何かに迫っていく。『唯脳論』へと続くエッセイ集。 660円 1 ... 157158159 ... 166 TOP 電子書籍(本・小説) 筑摩書房 158ページ目