掌の小説

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川端康成 979円 ※PCブラウザ非対応作品です。スマートフォンアプリから閲覧できます。
購入した作品の読み方

あらすじ

唯一の肉親である祖父の火葬を扱った自伝的な「骨拾い」、町へ売られていく娘が母親の情けで恋人のバス運転手と一夜を過す「有難う」など、豊富な詩情と清新でデリケートな感覚、そしてあくまで非情な人生観によって独自な作風を打ち立てた著者の、その詩情のしたたりとも言うべき“掌編小説”122編を収録した。若い日から四十余年にわたって書き続けられた、川端文学の精華である。

レビュー・口コミ(1件) 一覧へ

  • 掌の小説は、きわめて短い短編小説を集めた作品集です。小説ではありますが、わずか数ページで読めてしまう短編がたくさん収録されているので、どこからでも気軽に読みすすめることができ、いつでもすぐに読み終えることができます。いずれも詩的な世界観で描かれていて、短いからあまり深みはないだろうと思われがちですが、なかなかどうして、読み終わった後に鮮烈な印象を残す作品ぞろいの珠玉の作品集となっています。たびたび映画化されている伊豆の踊り子や雪国、古都などもたしかに素晴らしい作品ですが、それに負けずおとらずの静謐さ、宝石のような輝きを奥に秘めたのがこの掌の小説だと思います。私個人のおすすめはそこはかとなく色っぽい、「バッタと鈴虫」「眠り癖」です。

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    アンズジャムさん