敵討
購入した作品の読み方あらすじ
惨殺された父母の仇を討つ――しかし、ときは明治時代。美風として賞賛された敵討は、一転して殺人罪とされるようになっていた……新時代を迎えた日本人の複雑な心情を描く「最後の仇討」。父と伯父を殺した男は、権勢を誇る幕臣の手先として暗躍していた……幕末の政争が交錯する探索行を緊迫した筆致で綴る「敵討」。歴史の流れに翻弄された敵討の人間模様を丹念に描く二篇を収録。
レビュー・口コミ(1件) 一覧へ
ドラマ「遺恨あり」の原作が「敵討」と知り、読んでみました。幼い頃の衝撃的な事件、ただ復讐のために生き続ける理由、変わってしまった時代と変われない自分。読んでいて、難解な箇所もありますが、勢いで読み続けました。苦しく、つらく、知っていた結末でも、読むまでやめられない衝動。同情すべき理由はあっても、決して認めてはならない人殺し。重いラストです。