冷たい校舎の時は止まる(上)
購入した作品の読み方あらすじ
雪降るある日、いつも通りに登校したはずの学校に閉じ込められた8人の高校生。開かない扉、無人の教室、5時53分で止まった時計。凍りつく校舎の中、2ヵ月前の学園祭の最中に死んだ同級生のことを思い出す。でもその顔と名前がわからない。どうして忘れてしまったんだろう――。第31回メフィスト賞受賞作。
レビュー・口コミ(6件) 一覧へ
これほど完成された作品はないと思います。長編にもかかわらずページをめくる手が止まりませんでした。
5点名前探しの放課後を読み、辻村深月さんの世界観にハマってしまいました!
こちらの作品も心が揺さぶられる、自分の高校時代も思い出させられる
不思議で素晴らしい作品です!!!5点辻村深月さんを好きになったきっかけになった本です。驚きと切なさと、これを読んで好きにならない人っているのかな。是非一度。
5点これがデビュー作というのだから、若手直木賞作家の力量を見せつけられた感のある作品です。「冷たい校舎の時は止まる」は、閉ざされた学校が舞台の学園ホラーミステリーです。特に上巻はホラー色が強く怖いです。ですが中盤以降はストーリーが謎の解明に向けて展開し、巧みな人物描写と合わせて面白く読み進めることができるので、よっぽどホラーが苦手でなければ嫌な読後感にはならないと思います。高校生が自らの境遇に悩み苦しみ、他者との繋がりや決別を経て、自分のあり方や将来をしっかりと見据えていく様が、瑞々しく描かれています。同世代の方にはぜひともおすすめしたい作品です。
第31回メフィスト賞受賞作にして辻村深月のデビュー作『冷たい校舎の時は止まる』。雪の降る日、いつも通り登校した生徒8人が学校に閉じ込められてしまいます。窓も開かず扉も開かず、外部と完全に遮断され時間の止まった校舎の中で、8人は学園祭の日に死んでしまった同級生を思い出すことに。メフィスト賞は西尾維新や真梨幸子など奇才を発掘することで有名な賞ですが、辻村深月は一つの枠にとらわれない豊かな文学性をこれから発揮してゆくことになります。辻村作品をシリーズで読むうえでは、最初に読むべき本です。(下巻へ続く)