ザ・ミドル 起業の「途上」論――事業創造という迷宮を突破するための114の言葉
あらすじ
はじまりと終わりはどうでもいい。
大切なのはその「あいだ」だ!
表立って語られることのない
起業という「旅の途上(ザ・ミドル)」で起こる
波乱万丈とその対処法を完全網羅。
クリエイター・プラットフォーム「ベハンス」を起業し、
売却後はAdobeで新規事業を成功に導き、さらにはVCとしても活躍。
スタートアップ・エコシステムの全局面を見てきた起業家が
これからの挑戦者たちに贈る、至言・名言・金言114。
◇起業と売却の「あいだ」にあるブラックボックスを明るみに出す
ベンチャーやスタートアップと聞けば、多くの方が熱狂的な立ち上げ時のエピソードか、売却や上々などの華々しい幕引きの瞬間を思い浮かべるのではないでしょうか。
しかし、本書にはそうしたエピソードは登場しません。代わりに語られるのは、立ち上げと幕引きの「あいだ」にある、苦しい時期の話ばかり。
なぜ、そんな“中途半端な”タイミングのエピソードをかき集め、アドバイスを書き留めたのか。
その答えは、本書のこの言葉に、集約されています。
―――
さて、ここで本音を話そう。僕たちがよく耳にする薄っぺらい成功物語には、何か足りないものがある。僕がいつも語っているベハンスの短い物語もまた、よく考えるとおかしな話だ。5年間もユーザーを引きつけられず、給料を払うだけで精一杯だったチームがどうしてずっと一緒に働いていられたのだろう? 何年も無名のまま、どんな仕事をしているのかと聞かれても言葉に詰まるような時代を、どうやって耐えてきたのだろう? 素人の集団が、どうやって自分たちよりも優秀なプロたちを採用し、管理し、つなぎとめてきたのだろう?
旅の途上のぐちゃぐちゃで浮き沈みの激しい瞬間の中に、誰も語らない本当の物語がある。(中略)成功と失敗を分ける一線がどれほど脆いかを起業家は知っているのに、それを認めたがらない。旅の途上が成功と失敗を分ける。そのあいだのすべてをどう扱うかで、最後に正しい側にいられるかどうかが決まる。
―――
「よくある成功物語」では、成功者本人も気づかぬうちに端折ってしまう、「旅の途上」の話。しかし、どんな起業家も、本当はその「あいだ」に訪れたチャンスを乗りこなし(またはピンチを乗り切って)うまくいったはずなのです。
起業家は、「起業という旅路の途上(ザ・ミドル)」のことを伝えるべきじゃないか。
本書は、これまで光が当たってこなかった、起業にまつわるブラックボックスを明るみに出す1冊です。
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