同盟から決別へ:グローバル資本主義下の台湾企業と中国 (台湾学研究叢書)
呉介民(著)/日野みどり(翻訳) 7,700円
あらすじ
広東モデルなくして中国の台頭はなく、こんにちの中国モデルもなかった。本書は、台商の果たした役割を射程に、珠江デルタ地域での長期の現地調査で得た実証的データをグローバル価値連鎖理論に依拠して解読する。台商と在地体制・官僚の同盟関係とその終焉、資本家と国家による農民工への二重搾取、自前の価値連鎖の構築を図る中国の目論見とその制約要因などを論じ、「レントシーキング開発国家中国」の概念を打ち出す。世界が中国の政治・経済の先行きに強い関心を持つ今、本書は全く新しい視座を提供する。
本書英語版Rival Partnersは、米国社会学会より2023年「国際研究者によるグローバルおよびトランスナショナル社会学最優秀書籍賞」を受賞。
【目次】
刊行によせて(2019年初版) xiii
増訂版の刊行によせて xvii
英語版序文 意外性と、説得力と エリザベス・J・ペリー xxi
日本語版刊行によせて xxvi
序章 台商、中国、世界 1
第1章 世界の工場を造り出せ 31
第2章 広東モデルの起源・パフォーマンス・変遷 89
第3章 台陽公司 1979-1994年 159
第4章 台陽公司 1995-2010年 211
第5章 民工階級:身分における差序・二重の搾取・労働体制 265
第6章 広東モデル転換期の台湾企業と中国企業 363
第7章 グローバル価値連鎖とレントシーキング開発国家 443
第8章 結論――罠と挑戦 499
聞き取り調査対象者コード対照表 524
引用文献 527
訳者あとがき 550
索 引 558
著者/訳者紹介