歴史民俗学資料叢書 第三期 V ワザと身体の民俗学
あらすじ
心身・身体への関心の高まりの背後には、人間存在への抜き差しならない不安と焦燥に怯える民衆の姿がある。かつての時代においても転換期には、生命・精神・身体へ差し迫る危機を感知し、新たな民俗伝承文化を見出すことによって生き延びてきた民衆の姿がある。この不分明な時代の転換期に、ワザと身体、身体感覚、身体意識、心身相関の諸相を、芸能・技術関係の研究や文献を網羅し検証することによって、この現代の危機の実相を解読し、自然と人間との新たな相互関係を構想するための資料集である。
【目次】
[解説編] 福沢諭吉におけるワザと身体(礫川全次)
[資料篇]
『かたわ娘』(一八七二年) 福沢諭吉
違式違条例(一八七三年以降) 発令府県不詳
赤子の躰に在る痣の如きものゝ事(一八八七年) 池田作次郎
拍手手指を以て売買するの遺風(一八九〇年) 井上喜久治
本邦人陰茎の包皮に就て(一八九九年) 足立文太郎
誤れる体育(一九二〇年) 田中香涯
日本人の坐り方に就て(一九二〇年) 入沢達吉
陳元贇と柔の始祖(一九二一年) 下川 潮
石棒に現れたる割禮の痕跡に就て(一九二四年) 武藤一郎
生命の救 ほか(一九二四年) 栗須七郎
支那及朝鮮に於ける巫の腹話術に就いて ほか(一九三一年) 孫 晋泰
馬体ノ名称、手入飼養法(一九三一年) 輜重兵第一連隊編纂
禿は人生を真暗にする(一九三四年) 本村儀作
躯体の童戯(一九三六年) 武藤鉄城
動物に扮する舞踊(一九四二年) 中山太郎
輸送船の対遭難訓練に就て(一九四三年) 大本営陸軍部
人形の遣ひ方とその組立(一九四三年) 石割松太郎
浮世繪農工畫と扱管・千刄稻扱 ほか(一九四三年) 多賀義憲
女形の姿勢 ほか(一九四四年) 尾上梅幸
健忘症と疣との治療(一九四六年) 浅田 一
犯罪と血液型(一九四七年) 浅田 一
京見て来い(一九四八年) 桂井和雄
あとがき
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