歴史民俗学資料叢書 第三期 III 性愛の民俗学
礫川全次(著) 4,400円
あらすじ
日本を代表する民俗学者・柳田國男は、ヤマビト(先住民)やサンカを対象に差別の淵源に迫る志向を持ちながら踏み込んだ研究を残すことはなかった。人類史の初原にかかわる性愛の分野においても、その炯眼によって基層文化の深淵から注目すべき視点を抽出していたが、ついにそうした研究を極めることはなかった。近代日本国家のイデオローグ・柳田國男が考究を忌避した《性愛の民俗学》の空隙を埋めるべく、尾佐竹猛、中山太郎、伊波普猷、安田徳太郎らの優れた業績を網羅的に収録した研究者必読の文献である。
【目次】
■解説編
柳田國男における性愛の民俗学
■資料編
1 本邦男女婚姻年齢取調復命書(1889年)本邦男女婚姻年齢取調委員
2 るーでさつく 他(1912年)尾佐竹猛
3 ボサと野合摘発のボサウチ(1923年)宮武省三
4 元服の土俗と割礼(1923年)中山太郎
5 長崎地方に遺存せしJus primae noctisの痕跡(1927年)八重津輝勝
6 日本性愛奥義篇(一)(一九二七年)酒井潔
7 編輯者の言葉(1929年)安田徳太郎
8 土佐柴折藥師祭禮(1929年)寺石正路
9 はらみ女の迷信考(1929年)X・Y・Z
10 シタクチバナシ(1930年)橋正一
11 八重山島のマクタ遊び(1930年)伊波普猷
12 賣女の波と其汎用濫の状態(1930年)草間八十雄
13 琉球の遊女(1931年)金城朝永
14 検黴の初め(1931年)永見徳太郎
15 堕胎の方言と民俗(1931年)中山太郎
16 地方の性生活(1934年)中山太郎
17 碓の誥び(1934年)中山太郎
18 新枕(1948年)佐藤紅霞
19 パンパン語源考(1949年)神崎清
20 童謡閑話(1950年)山崎基次郎
あとがき
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