新版 最強のベーシックインカム
あらすじ
AIやロボットが生産し、その恩恵を国民にベーシックインカムという形で分配し、おカネを循環させよう。
おカネを配ったらインフレになる、働かなければ堕落するという考えは根拠がない。
ベーシックインカム制度は、自己実現できる働き方にシフトするだけでなく、現代が抱える様々な問題も解決できる。
月1万円から始めれば、混乱することなくベーシックインカム社会に移行できるのだ。
―著者談―
なぜベーシックインカムに興味を持ったのかといえば、子供の頃から、未来の社会は人間の代わりにロボットが働く社会になるだろうと思っていたからです。人間が働かなくてよい社会になるわけですから、おそらく、おカネが人々に「タダで」支給される社会になるだろうと思ったわけです。現代の感覚から言えば、タダでおカネを配ると聞くと、違和感がありますが、ロボットが人間の代わりに働く社会になれば、人々におカネを配る以外に方法はないと思いました。
子供の頃は、そうした社会は夢物語だと思っていました。しかし、最近は、とりわけ人工知能が急速に進化してきました。そうした状況から、人間の代わりにロボットの働く未来社会が、だんだん近づきつつあるのではないか、と実感するようになりました。それで、ますますベーシックインカムの必要性を感じようになりました。というのも、考えてみるとわかりますが、現在の制度のままでは、つまり「働かなければ、所得を得られない」という仕組みにこだわっていると、人間がロボットに仕事を奪われ、失業者が増大する、という矛盾が深刻化してきます。
簡単に言えば、人間の代わりにロボットが働く社会になると、すべての人が失業してしまうわけです。そうなると、仕事をする、しないに関わらず、人々におカネを配らないと、みんなおカネがなくて貧困になってしまいます。それに、そもそも、何のためのロボットが働いてくれるのか、わからない状況になります。ロボットが働くのだから、わたしたちは、そのぶんだけおカネをタダで受け取って生活できるはずです。もちろん、今すぐそうなるわけじゃなくて、社会がそうした方向に向かって、徐々に進んでいるということです。
国民におカネを配って、景気を活性化しながら、「人間の代わりにロボットが働く未来社会」にむかって、徐々に社会の構造を変えてゆく必要がある。そういう段階に、いまの社会が、さしかかっているのではないかと思います。今日における、人工知能をはじめとするテクノロジーの進化をみて、そう強く感じます。今が人工知能やロボットの時代への転換点だと思いますね。