トヨタは「鉄」、MINIは「楽しみ」を売っている

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あらすじ

来日してから、ちょうど三十年となりました。日本企業や日本社会に関して、「マークさん、忍耐強いね。無理じゃないか」とよく言われています。特に外国の人にはそう映るのかもしれません。しかし、顧客(消費者)としての私には、この四〇年間望ましくない点の数々がまったく改善されていないと感じられます。この状況が続く限り、私の苦言が顧客としてますます辛辣になっていくのはやむを得ません。従って、顧客として、この本に厳しい言葉も使っています。すみません。失礼なことではなく、私は日本の素晴らしい可能性と将来を信じているからこそ、厳しいフィードバックをしています。

三十五年間、私は主に日本の「戦略がないメーカー」等の戦略的な課題に集中していますが、この本では競争力とは違う課題に注目しています。
日本企業はそれがどのぐらい不味いか、を気付いてさえいないし、改善をしていません。六十年間、日本企業は「片脚だけで走っている」かのように、世界で競争しています。
もったいない!
それは「提供価値」に関する経営問題です。
特に海外で、多くの日本企業の提供価値が不味いか、明確ではないか、不明です。
従って、この本には「提供価値」や提供価値を形にすることに注目しています。