弱い者らが夕暮れて、さらに弱い者たたきよる ~OSAKA MOTHER’S SON 1980 ~

購入した作品の読み方

あらすじ

1979年。東大阪の中学1年生になった僕は、
ラジオで気になる音楽を見つけてはカセットテープに録音していた。

八神純子の『想い出のスクリーン』を一緒に聴きながら
「この曲、気に入ってるねん」と僕に言った同級生のヤスダは、
夜逃げをした。僕が貸したカセットテープを置いて――。


ちっとも「ニュー」な匂いのしない町で聴いた「ニューミュージック」。
ちっとも「シティ」な匂いのしない町で聴いた「シティポップ」。
時代のヒットソングと共に、少年は大人になっていく。

音楽評論家のスージー鈴木にしか描けない、
苦くてポップな青春音楽物語。


「けどな、世の中なんて、分かれへんことばっかりやねんで。
 勉強すればするほど、歳取れば取るほど、
 世の中が分かれへんことばーっかりなのに気づくで。」

「あの頃、僕たちはこう生きたんや」
校内暴力、貧困、ジェンダー、学生運動、民族差別。
切なさを一つ一つ集めながら、
大人への階段を一段一段のぼっていく......。
『恋するラジオ』に続くスージー鈴木、音楽小説第二弾


【目次】
イントロダクション
第一章 八神純子/想い出のスクリーン
第二章 西城秀樹/ラスト・シーン
第三章 庄野真代/飛んでイスタンブール
第四章 原田真二/タイム・トラベル
第五章 堀内孝雄/君のひとみは10000ボルト
第六章 渡辺真知子/ブルー
第七章 浜田省吾/風を感じてEasy to be happy
第八章 久保田早紀/異邦人 シルクロードのテーマ
第九章 渡辺真知子/唇よ、熱く君を語れ
第十章 RCサクセション/雨あがりの夜空に
第十一章 ジョン・レノン、ヨーコ・オノ/
     スターティング・オーヴァー
最終章 THE BLUE HEARTS/TRAIN-TRAIN