夫婦間における愛の適温
あらすじ
デビュー詩集が5刷!現在メディアから注目を集める向坂くじら、初のエッセイ集。
デビュー詩集『とても小さな理解のための』が早くも5刷。
現在最もメディアから注目を集める詩人・向坂くじら、初の散文集。
「まずもって、あの夫というやつは臆病すぎる。合理的であるということを隠れ蓑に、ただ予期せぬものの訪れを怖がっているだけ。なんだい、なんだい、びびりやがって。くされチキンがよ。だいたい、すべて計画通りの毎日なんてつまらないじゃないか。(中略)そのくされチキンがある日、なんの前触れもなく急須を一式買って帰ってきた」(本文より)
暮らしより大切なものがある人間は、いかにして暮らせばよいのだろうか?
【目次】
オッケー、愛情だけ受け取るね
わたしはね、もう、これでいくのよ
おおむね、ね(笑)
俺は論理的に話したいだけなんだけど、彼女はすぐ感情的になって
飢えなのです
合理的に考えて、死んだほうがマシである
わたしは、その顔あんまり好きじゃないな
歌を歌っていましたか
昼下がりが/部屋を/包んだ
目のあわない距離
「そっちでいくのかよ」
ものをなくしつづけて生きている
彼岸
笑う姿を見てて、うれしい
ああ、また、わたしが間違っていたのだな
熱が出ると
いちばんふつうの家のカレーが好きなんだよね
うちではお手伝いひとつしなかったのにね
あいをたいせつにね!
ごめんね、ハイジニーナちゃん
関西弁で、しゃべってみたいわあ
あんまり、遅くならずに帰ってこようね
なんでこんなところにいるんだっけ
春
【著者】
向坂くじら
詩人、国語教室ことぱ舎代表。Gt.クマガイユウヤとのユニット「Anti-Trench」で朗読を担当。第一詩集『とても小さな理解のための』(しろねこ社)。一九九四年生まれ、埼玉県在住。