人が集まる場所をつくる――サードプレイスと街の再生
あらすじ
“第三の場所”が、人・風土・未来をつなぐ――
500カ所以上の街づくりや施設づくりに携わった専門家による初めての著書。
いま、日本の各地で、歴史や風土が壊されつつある。
ポリシーのない街づくりによって、どこにでもある同じ顔つきの街が各地で誕生しているのだ。わたしはこうした現象を「東京追随化」と呼び、強く危惧している。失われた景観は、二度と元には戻らない。
27歳で会社を設立してから30年余り。わたしはこれまで、国内外の500以上の街や施設をつくってきた。その過程において、「何もない」と言われる街ほど、多くの財産が眠っていることを目の当たりにしてきた。
そして、その魅力に気づくことこそが、地域を守り、街を守り、100年続く街づくりにつながるのだと実感している。
(中略)
本書では、その地域ならではの魅力に着目し、人々が自然と集まるような街づくりの拠点を「サードプレイス」と定義し、地方創生の起爆剤になるものとして提案している。
サードプレイスには、地元の人々をはじめ、人と人とがふれあえる環境がある。そのベースとなっているのはやはり、地域の文化であり、歴史であり、時代とともに培われてきた風土や慣習、さらにはそこに住む人の魅力だ。
サードプレイスを通じて、人も、街も、地域も、もっともっと輝いていける。それはわたし自身の確信であり、本書を通じて最も伝えたいわたしのメッセージである。
(「はじめに」より抜粋)
【全国からの事例を多数掲載】
北海道 スペシャリティマートHAPIO
北海道 大通BISSE
北海道 海鮮工房と羅臼町
北海道 シエスタハコダテ
青森県 八戸屋台村みろく横丁
宮城県 気仙沼内湾地区まちづくり
鹿児島県 かごっまふるさと屋台村
沖縄県 瀬長島ウミカジテラス
沖縄県 国際通り屋台村
沖縄県 石垣島ヴィレッジ
シンガポール 北海道マルシェ
ハワイ ワイキキ横丁
(著者プロフィール)
国分裕正
街制作室株式会社 代表取締役社長
1962年、北海道・歌志内市生まれ。自身が代表を務める街制作室では「風土の継承」「コミュニティの創造」「自然との共生」を軸に、地域文化が根づくまちづくりを手がける。これまで無人島での街づくり、都市再開発、地場文化発信拠点、屋台村など、約30年間で500カ所以上の街づくりや施設づくりに携わっている。