潮来舟唄

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あらすじ

料理の修行中に死んだ兄の遺志を継いで六年、故郷の潮来で見世を!

潮来自慢の飯屋はここよ
酒も肴も江戸仕込み
田楽蒲焼き豆腐飯、蕎麦水団汁に餡巻きよ
兄にゆかりの益吉屋

潮来から料理修業のため江戸に来た益吉が病のため二十一の若さで亡くなり、その遺志を継いで出てきた弟の寅吉が六年の修業を終え、これから故郷に戻って見世を開こうとしている。寅吉が修行中の浅草長吉屋の長吉は、六年前に益吉の骨壺を届けられなかった悔い故、潮来まで同行するという。さらにはのどか屋の千吉に、一緒に行って見世びらきまで助けてやれというのだった。

*秋鯖の味噌煮(本書より)
――まずは切り身に塩を振ってから霜降りにしてやることだ。さらに生姜を加えて煮ると、青魚の臭みが抜けて、ちょうどいい塩梅になる。もう一つの勘どころは、煮汁に味噌を入れるのではなく、練り味噌を別につくってから加えることだ。