ホワイトルーキーズ
あらすじ
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「なんという場所に来てしまったんだ」--現役研修医が書くコロナ禍の理想と現実。4人の思いが交錯するリアルすぎる青春物語。
北海道の片田舎にある空知総合病院に四人の研修医が赴任してきた。
賑やかな同期と順調な新生活の始まりかと思いきや、
彼らはワケありでそれぞれ悩みを抱えていた。
風見司は工学部の大学院を修了後、医学部に編入した経歴の持ち主であり、
病院という環境に慣れずにいた。
さらに初日から心肺停止の患者に出くわし、医療現場の厳しさに打ちのめされる。
沢井詩織は都内私立医学大学の医学部を卒業後、実家の医院があるこの地方に戻ってきたが、
医師になってから見える景色は違っていた。さらに沢井が幼い頃から父の医院に通っていた
患者を担当することになった。
だが、なかなか医師として認めてはくれず、沢井は意固地になって対応するのだが……。
朝倉雄介は貧しい母子家庭に生まれ、生活苦の中で医師を目指したが、
思い描いていた生活とのギャップにうんざりしていた。
湯水のように医療費が使われる高齢者医療の意味を見いだせずに、
くすぶっていた彼だが……。
清水涼子はかつて祖父母の主治医であったベテラン医師と出会うが、
患者の家族として見えた姿と、同じ病院で働く医師として見る今の姿は違っていた。
医療現場の過酷な労働環境や医療でできることの限界を目の当たりにするにつれて、
彼女は自分の目指す医師像について悩み始める。
新米研修医の同期四人は失敗と成長、喜びを分かち合いながら院内を奔走する。
二年後に医師として独り立ちすることを夢見て、空知の青空に希望を乗せて……。
佐竹アキノリ(サタケアキノリ):1992年、北海道生まれ。2014年、アルファポリス・ファンタジー小説大賞特別賞を受賞しデビュー。2020年、医師国家試験合格、初期臨床研修を開始。2022年から内科専攻医として勤務予定。著書に「最強騎士団長の世直し旅」(ヒーロー文庫)他、多数。
ふすい:イラストレーター、装画家。現実を土台に幻想的な透明感や空気感を表現する作風で人気。『青くて痛くて脆い』『レゾンデートルの祈り』等の書籍装画をはじめ、挿絵、児童書、広告、MVイラスト、CDジャケットのイラスト等を中心に活躍。初めての画集『Brililiant World』も話題。