フットボール批評issue28

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あらすじ

とある劇作家はテレビのインタビューで

「演劇は観客がいて初めて成り立つ芸術。スポーツイベントのように無観客で成り立つわけではない」と言った。

この発言が演劇とスポーツの分断を生み、SNS上でも演劇VSスポーツの醜い争いが始まった。

が、この発言の意図を冷静に分析すれば、「スポーツはフレキシビリティが高い」と敬っているようにも聞こえる。

例えばヴィッセル神戸はいち早くホームゲームでのチャントなど一切の応援を禁止し、

Jリーグ開幕戦のノエビアスタジアム神戸では手拍子だけが鳴り響いた。

歌声、鳴り物がなくても興行として成立していたことは言うまでもない。

もちろん、これが無観客となれば手拍子すら起こらず、終始“サイレントフットボール”が展開されることになるのだが……。

しかし、それでもスタジアムが我々の劇場であることには何ら変わりはない。

河川敷の土のグラウンドで繰り広げられる名もなき試合も“誰かの劇場”として成立するのがスポーツ、

フットボールの普遍性である。我々は無観客劇場に足を踏み入れる覚悟はできている。





【目次】
●フットボールの格言 江間慎一郎

【特集I】無観客劇場への覚悟はあるか

●村井満Jリーグチェアマンロングインタビュー 吉沢康一

●Jリーグは感染症によって死んでしまうのか?

岩田健太郎教授インタビュー(神戸大学医学部感染症内科) 木村元彦

●Jリーグのプロトコル 藤村昇司Jリーグ特命担当部長&黒田卓志Jリーグ競技運営部長 宇都宮徹壱

●エンタメを救うために政府は決断せよ

元大分トリニータ社長・溝畑宏大阪観光局長が懸念するJリーグクラブ存続の危機 木村元彦

●汚点 横浜フリューゲルスは、なぜ消えなければならなかったのか 田崎健太 ※新連載



【特集II】フットボールに“型”は必要か

●レオナルドのゴールの奪い“型” 怪物ストライカーだけに見える得点量産の道筋 河治良幸

●「フットボールYouTuber」へのなり“型” 那須大亮の戦略 海江田哲朗

●NOVAホールディングスが抱く野望の“型”いわてグルージャ盛岡の本気度を問う 宇都宮徹壱

●「新たなる日常」におけるマネーゲームの“型” コロナウイルスとフットボールの敵 田邊雅之



【特集III】「ミニ」フットボール戦術批評

●フットボールの主旋律“カオスに抗うアナリスト” 第1楽章“ゲーゲンプレッシング2.0”時代到来 庄司悟 ※新連載

●ポジショナルプレー実践論 渡邉晋(元ベガルタ仙台監督)×岩政大樹(サッカー解説者) 清水英斗

●外国人監督が指摘する日本の杜撰な守備戦術

ネルシーニョ(柏レイソル監督)、ランコ・ポポヴィッチ(FC町田ゼルビア監督)、ゼムノヴィッチ・ズドラヴコ(FC岐阜監督) 加部究

●メソッドの源流を辿る 戦術を語る、その前に。戦略を知る 結城康平

●『ドラゴン桜』が教えてくれる指導戦術 三田紀房が考える理想のリーダーシップ論 吉沢康一



【連載】

●世界サッカー狂図鑑 金井真紀

●世界サッカー狂図鑑番外編 マレーシアの芝の達人ミスターヒロイ 金井真紀

●スペインフットボールジャーナル 木村浩嗣

●スポーツ文化異論 武田砂鉄

●フットボール“誌上”定例会議 外神田蹴球結社

●「フットボールとは何か」?を考える 小林祐三(サガン鳥栖) 井筒陸也

●サッカー本大賞2020発表 編集部

●FOOTBALL BOOK REVIW ボールは跳ねるよ、どこまでも。 幅允孝

●新刊ガイド 編集部

●サッカー洋書案内 実川元子

…etc