野球と暴力 殴らないで強豪校になるために

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あらすじ

超メジャースポーツである野球が、なぜ超閉鎖的なのか?
“監督服従”型の野球から、“選手自発”型の野球へ
体罰による“統制”から、個々に向き合った“指導”へ
「勝者が歴史をつくる」なら、「暴力のないチーム」がこれからの勝者だ!

〈本文より〉
母校で起こった不祥事に対して、私には疑問しかない。学校関係者やOBから過剰に勝利を求められることはないし、野球の実績で進学先を決める生徒もいない。それなのに、なぜ指導者は暴力に訴えたのか。野球部OBの保護者のひとりは、私にこう言った。
「熱心に指導してくれる、いい監督さんやったんです。暴力は悪いことなんでしょうけど、やっぱりダメなんでしょうか」

〈取材対象者より〉
「暴力的なことでしか厳しさを出せないとしたら、その人は指導者とは言えないんじゃないでしょうか。」(渡辺俊介)
「大多数は天才じゃないから、その子の才能を見極めながら、あきらめさせてやることが必要だと思っています。」(田中聡)
「高校野球の監督は、“総務部総務課総務担当”になるしかない。カリスマになんか、なる必要がない。」(佐々木順一朗)
「東大と公立高校が強くなることが、日本の野球界を変えるきっかけになると思っています。」(喜入友浩)

〈本書に出てくる主な取材対象者〉
渡辺俊介(元・千葉ロッテマリーンズ) / 田中聡(元・阪神タイガース) / 佐々木順一朗(元・仙台育英、現・学法石川監督) / 上林弘樹(北照監督) / 船屋隆広(札幌大谷監督) / 中矢太(済美監督) / 中矢信行(元・愛媛県高野連審判長) / 三谷志郎(今治西、早稲田大学OB) / 喜入友浩(東大OB、TBSアナウンサー) / 島田裕巳(宗教学者)

【目次】
はじめに
第一章 「昭和の野球」と「暴力指導」の真実
第二章 「厳しい指導」は何のためにあるのか?
第三章 野球というスポーツの「閉鎖性」
第四章 不祥事、出場停止からの復活
第五章 「暴力なし」で強くなる!
第六章 野球界の未来のために
おわりに