オピオイド ―病院から在宅における緩和医療のためのQ&A
宮本 謙一 2,420円
あらすじ
●がんをはじめとする疼痛のコントロールに欠かすことのできないオピオイドについて、特に病院から在宅における緩和医療の現場で、薬剤師に求められる必要最低限度の知識と対応に関してQ&A形式で明解に解説。
●なかでも在宅でのPCAポンプには多くの項目を充てています。
●疼痛除去、麻薬使用への不安解消、服薬指導など、在宅緩和医療に携わる保険薬局にも心強い1冊です。
<はじめにより>
筆者が大学病院薬剤部に着任した2000年前後では、医師においてさえ、麻薬の負の側面としての依存性や中毒性、呼吸抑制作用に拘泥して、鎮痛薬としての麻薬の使用は抑制的であったように思えました。(中略)日本でも麻薬の使用量は、2000年当時の5倍以上となっています。しかし、世界的に見ると、日本での麻薬の使用量は、いまだ欧米諸国の5分の1から10分の1程度にとどまっています。
そのような中、近年は地域包括ケアシステムの構築のため、在宅医療が推進されているところです。特に、がんなどの疼痛から患者を解放する緩和医療が重視されています。そこで、本書は、病院から在宅に移っても患者に痛みを感じさせないためのオピオイドの投与方法、使用上の注意や副作用の回避の方法などの疼痛管理のポイントをQ&A方式で逐一解説しました。薬剤師が、医師や看護師などの医療従事者へ適切なオピオイド使用のための情報提供を行い、かつ、密接に連携して患者の疼痛除去や麻薬使用への不安解消、服薬指導に当たるためのツールとして活用いただけたら幸いです。(宮本謙一)