失敗という人生はない
あらすじ
「人間万事泣けば(相手より)下、腹を立てれば対等、笑えれば上。」
「自分を追い詰めないようにすること。その方法は、何にでも『たかが』をつけて考えることで。」
「何がどうあろうとも、私たちの望まぬ試練が、私たちを強めるということは真実なのである」……。
現代を透徹した目で見つめ、数々の作品を紡ぎ出してきた曽野綾子の珠玉の言葉を集めた箴言集。
漠然としていた惑い、モヤモヤしていた疑問について、力強い言葉で伝え、一歩前に進むための勇気を与えくれる貴重な一冊。
六章立て
人生に失敗ということはない
生きるということ
人生に完全はない
人間は運命を選び取ることができるか
この悲しみの世に
死によって人は高められる
よく死ぬことはよく生きること
死を意味あらしめるもの
愛は生命そのものである
その人のために死ねるか
愛される資格
結婚とは、相手の総てをコミで引き受けることである
夫婦は、自分の未知の部分を相手によって発見する
許した時だけ人は本当に愛を自分のものとする
“老年”は精神の完成期である
神は私たちひとりひとりの中にいる
神は人間を束縛するのではなく、解放する
信仰は報いられない人生を祝福する
生命に関することは総すべて神の仕事である
祈りの力
覚えたる罪と覚えざる罪
この世のすべては神の作品である
無力からの出発
強い人、弱い人
愚かで盲目だから可能性をもつ
完全な善人もいない。完全な悪人もいない
悪を認めることによって人間の深さを知る
断念は敗北ではない。新たな希望である
持てる能力を生かす
足し算の幸福、引き算の不幸
本当の自由を手にするには
苦しみが人間をふくよかにする
貧しさは神からの贈り物である
与える歓よろこび、損のできる強さ
昏くらいからこそ私たちは勉はげむ
責任をとるのは誰なのか
“私”は人々の中で生かされる
この世で不用な人は一人もいない
一生はひとと共に始まる
親は子供にとって土である
生活は自分で選びとるもの
本職とは書いてこそ作家、教えてこそ教師である
人間は国家によって生かされもするし、殺されもする