テロの文学史 三島由紀夫にはじまる
鈴村和成 2,200円
あらすじ
<日本を変えるにはテロしかない>として三島は自決した。
それは今のテロに被われる21世紀を正しく予見していた。
村上春樹、村上龍、町田康、阿部和重……。
文学者たちはなぜ執拗にもテロを描いてきたのか。
「自分の姿が澄んで消えてしまつたことに、そのとき独楽が気づいてゐないことも確実なら、その瞬間、何かが自分と入れかはつたことに気がつかないのも確実である」(本文より)。市ヶ谷台で自決したとき、三島由紀夫が誰かと入れ代わったことに、彼自身も、まわりの人も、後世も、だれ一人として気づいていない。村上春樹、村上龍、桐野夏生、車谷長吉、町田康、阿部和重、中村文則、上田岳弘……。本書は三島の〈輪廻転生〉の行方をこれらの作家たちに探る試みである。