海音寺潮五郎 37件 人気順 新着順 新太閤記(一) 海音寺潮五郎 「奇妙な面をしとるわ。猿に似とるわ。チビ猿じゃな」信長は小者志願の若者を見て大笑いした。武士の作法に通じた若者は悪びれず、側用人に答えた。「今川の被官松下嘉兵衛尉が家で士奉公しとりました。父は先代信秀さまが鉄砲足軽しとりました木下弥右衛門と申します」「名は!」「木下藤吉郎秀吉でございます」「なんじゃとォ!」信長はきびしい目で若者を凝視した。若者はこの時23歳。これが、当時どじょう売りの与助と呼ばれていた秀吉と信長の出会いであった。 484円 新太閤記(二) 海音寺潮五郎 永禄七年、信長は山深い二ノ宮山に城を築き、清洲から移って居城とするふれを出した。「これは難儀なこと」「美濃攻めにはかえって不便、小牧山へ移るべきだ」と家中、上も下も皆不平であった。ある日、信長は重臣たちに二ノ宮山への移転をやめ小牧山に移ると申し渡した。家中一般大喜び。苦労ではあるが、二ノ宮山にくらべればものの数ではない。人々は軽々と引き移った。「活殺自在」居城移転の大事を安々と進める信長の智謀に藤吉郎は舌を巻いた。 484円 新太閤記(三) 海音寺潮五郎 荒木、別所氏を落とし、秀吉は大厄難を越えた。今や彼の上位には柴田勝家がいるだけであった。男の大難とは常にこのようなものである。一難を越えることに難度に正比例して成長する。秀吉は荒木村重の言葉を思った。「上様が天下を平定なされた後、働かせ所のなくなった者に、かわらず大国をあたえて飼うておきなさるであろうか」藤吉郎の身分なら安心していてよい。こうまで大身となり、羽ぶりがよくなっては二工夫も三工夫もせねばならぬ。秀吉は今、守りの重大なことを知った。 484円 新太閤記(四) 海音寺潮五郎 秀吉の計略は的中した。ごく短時間の間に天下人となり、大名らに君臨するようになった秀吉にたいして、彼らは驚嘆し、また恐れてもいたが、一面には単なる幸運児と軽んずる気持ちが残っていた。しかし、故右府の盟友であり、駿遠参甲信五国の大領主、秀吉と兵を構えて六分の勝を占め、妹と母の二重の人質を取って、やっと重い腰を上げて出て来た家康が秀吉を恐れて敬意を表しているのを眼前にし、秀吉を見る目を変えざるを得ない。やっと秀吉は名実ともに天下人となった。 484円 史談と史論(上) 海音寺潮五郎 歴史上の人物を語っては当代随一といわれたの著者の史談・史論・随筆を上・下2巻に収録。調査の精緻、論理の正確明晰に加えて、読物としての面白さ、小説的描写を以て、歴史上の人物に焦点をあてる。上巻には、「西郷南洲の悲劇」「乱世の英雄」「武蔵の強さ」ほか、明治維新・江戸・安土桃山期の傑作23篇を収める。 570円 史談と史論(下) 海音寺潮五郎 歴史上の人物を語っては当代一の著者の史談・史論・随筆集――調査の精緻、論理の正確明晰に加えて、読み物としての面白さ、小説的描写を以て、歴史を彩った人物と時代背景に焦点をあてる。下巻には、「かくれ門徒の話」「倭寇物語」「平将門」「武将雑感」ほか、室町・南北朝・鎌倉・平安期の傑作22篇を収める。 570円 新装版 孫子(上) 海音寺潮五郎 戦史の研究に没頭している孫武は、戦争に勝つには勝つだけの理由があり、負けるには負けざるを得ない理由があることを知った。呉楚の確執が続く古代春秋時代の中国。楚への復讐に憑かれた伍子胥の計らいで呉の将軍となった孫武は、独自の機略で楚軍を打ち破り続ける。孫子の兵法で名高い孫武を描く歴史小説。(講談社文庫) 880円 レジェンド歴史時代小説 列藩騒動録(上) 海音寺潮五郎 江戸時代の初期から、各藩で発生したさまざまな「お家騒動」。原因となったのは、金銭をめぐる対立や父子の不和、家臣による派閥争いなど、現代に通じるものばかりだった。島津、伊達、黒田、加賀、秋田、越前といった各騒動の真相を、説得力あふれる筆致で描き出す。武士の本質に迫る、海音寺史伝文学の真骨頂。 968円 赤穂義士 海音寺潮五郎 「士の守るはただ義の一字」――ふるい残された鉄石の赤穂義士四十七人の、情を尽し、理を尽し、完璧を期して主君仇討に賭けた「武士道」とは……華やかな元禄快挙の陰に埋もれた大石内蔵助の苦悩と機略の才を数々の史料に拾いながら、武士気質から形式美へと移り変る「士」の核心に深く鋭く迫った卓見「忠臣蔵」。 660円 江戸城大奥列伝 海音寺潮五郎 春日の局――徳川三代将軍家光の乳人となり、家光の将軍継嗣に尽力し、「表」の老中に匹敵するほどの権勢を持つようになった、江戸城「大奥」の取締役。ついでお万の方、矢島の局、桂昌院、右衛門佐の局、お伝の方、左京の方、絵島等々、江戸の時代を背後から彩る大奥婦女を活き活きと描く海音寺史伝。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(一)大老堀田正俊他 海音寺潮五郎 歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短編80余編を全8巻に編成。武士の潔さ、日本人の美意識を追求した作家の精髄がここに。第1巻は処女作「うたかた草紙」、実録文学「大老堀田正俊」、西南戦争を背景とした「南風薩摩歌」、忠臣蔵の片岡源五右衛門を通して武士道観を描く「白菊」など、著者が作家としての地位を確立させた記念碑的作品群12篇を収録する。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(二) 残月の賦 他 海音寺潮五郎 歴史文学の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第2巻は、勤王の大義に邁進する父子を描く「父祖の道」「残月の賦」、浪人と女歌舞伎役者との儚い関係をつづる「白日夢」、武士道の厳しさを描く「宮本造酒之助」、家康御領の民斬殺事件「駿河ばなし」、占領軍の検閲により発表をとめられた「つばくろ日記」、唐代の中国を舞台にした「遥州畸人伝」など、9篇を収録。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(三) 男一代の記 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇を全8巻に編成。第3巻は、薩摩武士の美意識に殉じた「人斬り新兵衛」、才女の薄幸の生涯をつづる「風流才媛伝」、玉の輿物語「はやり唄五千石」、男と女の織りなす人生模様「梅花の契」「行くえも知らず」、大名の孫がたどる数奇な半生「浅き夢見し」、ユーモラスな「日本行進曲」、苦難に耐える武家娘「木に花咲く頃」、関ヶ原を舞台に薩摩武士気質を描く「男一代の記」など9篇。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(四) 室の梅ヶ枝 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第4巻は、火の国熊本有志隊の逸話「キンキラキン物語」、黄巾の乱を起こす張角を描く「天公将軍張角」、勤王志士の「竹志田熊雄」、薩摩隼人の「椎の夏木立」、主君との対立を描く「お伽腹」、平安期の「隼人族の反乱」、最上家没落の「乞食大名」、戦国武士の行状「バクチ天国」、春秋時代の朱翁の「貧富問答」、遊女の純愛「室の梅が枝」など12篇を収録。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(五) 越前騒動 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第5巻は、島津家仕置家老の秩父太郎一代記「梅白し」、男女の愛の機微を描く「河鹿の宿」、武士道に殉じた大山三次の「かたみの月」、薩摩の「兵児行状記」、馬術の達人「矢野主膳」、絵の中の美女を捜した倭寇物語「美女と鷹」、長崎外町代官「村山東安」、肥後藩士で暗殺の名手、河上彦斎の逸話「人斬り彦斎」など12篇を収録。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(六) 立花宗茂 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第6巻は、長崎外町代官村山東安と対立する「末次平蔵」、西南戦争の激戦「田原坂」、戦国武者気質を描く「戦国兄弟」、数奇な運命をたどる水野勝成を描く「かぶき大名」、筑後柳川藩の「豪傑組」、富田高定の豪快悲壮な後半生「酒と女と槍と」、主従間の疑惑物語「日もすがら大名」、勇将にして知将、立花宗茂の史伝「立花宗茂」など8篇を収録。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(七) 忠直卿行状記 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の短篇80余篇を全8巻に編成。第7巻は、魔術的な剣の妙手松山主水の意気地をつづる「小次郎と武蔵の間」、金山を発見し、南部藩に功績を残した「南部十左衛門」、強盗大名「羽川殿始末記」、千姫救出事件の「坂崎出羽守」、母里太兵衛を描く「名槍日本号」、殺戮乱行に憑かれた「忠直卿行状記」、北条家遺臣の悪業への転落の軌跡を語る「鳶沢甚内聞書」など13篇を収録。 550円 海音寺潮五郎短篇総集(八) 一色崩れ 他 海音寺潮五郎 歴史小説の第一人者、海音寺潮五郎の傑作短篇80余篇を全8巻に編成。第8巻は、加賀藩の荻生喧嘩を描く「喧嘩」、水戸の剣豪「和田平介」、加賀藩士の悲劇「大聖寺伽羅」、信州松代藩の「田村騒動」、細川家と三好家の対立「阿波の屋形」、薩摩の「剛兵」、細川藤孝・忠興父子の謀略「一色崩れ」、芸州浅野家の「奥方切腹」、宗及・利休の「雪の茶の湯」など12篇。全8巻完結。 550円 レジェンド歴史時代小説 列藩騒動録(下) 海音寺潮五郎 お家騒動の多くは、継嗣問題が中心というより、党派の抗争、主人と家老の抗争、新進の権力者と門閥重臣の抗争などの方が多かった。越後、仙石、生駒、檜山、宇都宮、阿波。各大名内の諍いを、史実と知見を結集して鮮やかに再現する。著者独自の解釈も随所に展開し、武士の本質を浮き彫りにした史伝文学の名作。 968円 新装版 孫子(下) 海音寺潮五郎 「兵法家と兵学者は違う」孫武の時代から約150年後、後孫にあたる孫ビンはホウ涓(けん)の影響で兵法のおもしろさに目覚めた。やがて魏につかえ大将軍となったほう涓を訪ねた孫びんだが、その才能に嫉妬し恐れたほう涓の残酷なたくらみに嵌ってしまう。かつての友への復讐と兵法家としての意地を賭けた最後の戦いが始まる。(講談社文庫) 607円 12 TOP 電子書籍(本・小説) 海音寺潮五郎