津田左右吉 3件 人気順 新着順 古代史の研究 津田左右吉 著者について 明治24年、早稲田大学を卒業、旧制中学校の教員を務めるかたわら東洋史学の泰斗・白鳥庫吉の指導を受け「歴史は本職」との思いに至る。その後、文献批判による科学的な歴史研究に挑み、その成果として数々の著作を世に送り出し、大正9年、早稲田大学教授に就いた。昭和14年には東京帝国大学の講師も兼任するが、いわゆる津田事件により学究活動の中断を余儀なくされる。戦後、早稲田大学総長に選出されるも固辞、ふたたび研究に没頭し、昭和36年、逝去、享年88。その学績は「津田史観」といわれ日本の歴史学の本流となり、今日に至るまで息吹いている。 1,210円 古事記及び日本書紀の研究[完全版] 津田左右吉 昭和十五年二月、津田左右吉博士の主著『神代史の研究』ほか三冊(*『古事記及び日本書紀の研究』『日本上代史研究』『上代日本の社会及び思想』)が発禁となった。起訴、予審を経て皇室の尊厳を冒涜するという罪名の下に公判になったのが昭和十六年十一月であった。以来、昭和十七年一月まで二十回あまり尋問が傍聴禁止のまま行なわれたが、その間博士は一切の研究も中止され、裁判のために精力のすべてを尽くされた。昭和十七年五月に下った判決(*『古事記及び日本書紀の研究』のみが有罪)は禁固三カ月(執行猶予)であった。これに対して検事控訴があったが、裁判所が受理する以前に時効となり、この事件そのものが免訴となってしまった。これは戦争末期の混乱によるものと思われる。 博士の研究は、そもそも出版法などに触れるものではない。その研究方法は古典の本文批判である。文献を分析批判し、合理的解釈を与えるという立場である。そして、研究の関心は日本の国民思想史にあった。裁判になった博士の古典研究にしても、『古事記』『日本書紀』は歴史的事実としては曖昧であり、物語、神話にすぎないという主張であった。その結果、天皇の神聖性も否定せざるを得ないし、仲哀天皇以前の記述も不確かであるという結論がなされたのである。右翼や検察側は片言隻句をとらえて攻撃したが、全体を読めば、国を思い、皇室を敬愛する情に満ちているのである。 戦後、博士が早大総長に選ばれた際、東大総長室に訪ねてこられ、「自分はその任でないと思うがどうか」と意見を聴かれた。そのとき私も研究を続けられるほうをお勧めし、博士のご意見とまったく一致したことがあった。事実、博士はその後も学究の道一筋に歩まれた。戦後の学界、思想界にはあるイデオロギーからする極端な解釈が流行したことがあるが、博士はわれわれから見て保守的にすぎると思われるくらいに皇室の尊厳を説き、日本の伝統を高く評価された。まことに終始一貫した態度をとられた学者であった。(元東京大学総長・南原繁氏) 1,430円 明治維新の研究 津田左右吉 「薩長史観」VS「津田史学」 歴史における定説の数々を塗り替えた津田左右吉が論理と実証に基づいて、長年にわたり信じられてきた薩長史観をくつがえし幕末維新の真の姿を明らかにする! 時代と格闘した著者畢生の先駆的論稿6篇を所収! 「明治維新とは一口にいうと、薩長の輩が仕掛けた巧妙な罠に征夷大将軍がかかってしまったということである……」(本文より) はじめに「明治維新史の取り扱いについて」/第一章「明治の新政府における旧幕臣の去就」/第二章「幕末における政府とそれに対する反動勢力」/第三章「維新前後における道徳生活の問題」/第四章「トクガワ将軍の『大政奉還』」/第五章「維新政府の宣伝政策」/第六章「明治憲法の成立まで」/おわりに「サイゴウ・タカモリ」 1,430円 1 TOP 電子書籍(本・小説) 津田左右吉