桜田靖 23件 人気順 新着順 郷愁の昭和 桜田靖 『りんごの町の乙女たち』 小泉ユリは同級生のマドンナ、東京の大学に進学した同級生のグループの中で友情はできても恋愛まで発展しなかった。大手銀行に就職しエリート行員と結婚したが子供の時の事故が元で夫はインポのため離婚した。キャリアウーマンとして過ごしたが健康診断で胃癌が見つかり手術しても転移して三二才で没した。一緒に東京に進学した女子達も最初は幸せだったが、皆不幸な人生に墜ちて、男子達だけ順調に暮らした。 『はつ恋』 :山本吉雄の細川美智子への幼い恋の破局談。 440円 暁の白い光に~自衛隊創設者「辰巳栄一」伝説~ 桜田靖 辰巳栄一は葉隠武士道の佐賀育ちで士官学校、陸軍大学校を好成績で卒業した。眉目秀麗、女にもて過ぎ満州に飛ばされるも、英語力から語学研修で英国滞在中に満州事変が起きてロンドン駐在の身になった。一度帰国したが、駐在武官で英国に渡り三国軍事同盟に反対の吉田茂大使と運命の出会いをした。終戦後に吉田首相は軍人ばかりの占領軍との折衝に元軍人で英語に長けた辰巳を参謀に抜擢した。朝鮮戦争勃発で国内が不安になり、辰巳は厭戦に充満した社会で万難を排して自衛隊を創設した。 385円 秋冷の都パリ 桜田靖 姫井は菓子製造業の社長、五十にして男の更年期を克服すべく旧友等のいるパリに憂さ晴らしの旅をした。先ずは大学で仏語を習った恩師のバルドー氏に会い日本の武士道、近世史等を語り合った。翌日はサンマルタン運河散策で過ごし、明けてリエと井上靖原作の「猟銃」の一人芝居を鑑賞の後、深更までレストランで語り明かした。以後の日々はペールラシェーズの有名人の墓巡り、バルビゾン地方観光、オルセー美術館見学等で過ごし、金曜日にパリに戻った長江と酒食を共に再会を喜び合った。 330円 リヨンの河畔にて 桜田靖 「リヨンの河畔にて」は日本に留学した教え子のフランス人女性との交流話「変身」は父の田舎の生家に幼い頃に住んだことが懐かしく成功して訪ねたら故郷が消滅していた話「亡霊の棲む客間」は進駐軍に雇われた父が特に隣家の旅館に米軍の珍味を与えて繁盛させたが亡霊の間を食材置場にして検挙された話「言問橋の上」は大嫌いだった画家にふと好意を持った女性が思い切って話しかけた話「石段の町の巡礼」は、妻に死なれた男が玄関で経を唱える美人巡礼を呼び止めて身の上を聞く話。 330円 雨のアムステルダム 桜田靖 「雨のアムステルダム」は異国で消滅した祖父の面影を求める孫娘の話 「哀愁の白樺林」は紆余曲折があったが向かいの家の同級生同士が結婚し、思い出の軽井沢に金婚の旧婚旅行し、しみじみと昔を想う話 「母の桜」は生涯を桜の名所で茶店経営し最後に認知症になり息子らを忘れても桜の花は忘れなかった話 「朝焼けの川面」は絶海の島に赴任し、母の訃報を知っても船便がなく、九州の実家に12日後に着いた話 「夢の大魚」は居酒屋で意気投合した男と女が同棲を始め、すぐに熱が冷めた話。 275円 鬼のうから三代記 桜田靖 瀬戸の小島の一族が海賊討伐令で西へ逃げ別府に漂着した。明治になり別府に湯治客が押し寄せ代々旅館を経営し中興の祖、九鬼頭金之助は奇跡の経済成長でホテルを大型化し、買収のホテルは子の銀太郎やユリに譲渡した。 子はバブル期に更にホテルを巨大化し崩壊後は経営不振のホテルを傘下とした。 孫の赫太とミヤもコロナ禍で倒産寸前のホテル買収を進め、赫太がグループ会長になり経営の一元化を図った。 祖父母の卒寿を祝うまでにマスターキー紛失、星占い騒動、幽霊騒動があった。 330円 大楠のごとくに―葉隠サムライ 富岡敬明の生涯― 桜田靖 富岡敬明は鍋島藩支藩に生まれ若殿の側近になった。 酒で失敗し辺境の代官に左遷されたが脱藩の科で流刑の江藤新平と親しんだ。 側近に帰り咲いたが大殿にへつらう大田蔵人の嫌がらせで若殿は気死した。 亡君の遺恨を晴らす義挙に失敗、牢獄に幽閉された。維新の世になり政府高官の江藤に助けられ復職した。 江戸無血開城の山岡鉄舟と知り合い、命により税制反対の農民一揆の鎮圧に山梨県に赴任した。 村役人を死罪にし悔やみ甲府に永住し菩提を弔った。能吏で活躍し県民一人の華族だった。 330円 荒城の空のちぎれ雲 桜田靖 中学二年で野球部エースの勝行は、仲間らと花見し婦人のコートを団子の汁で汚し大喧嘩、荒城の城跡で祖父から町史を聞いてラブホを知る。墓参で祖母から実の父母の墓に眠りたいと打ち明けられた。姉の美貌の同級生の自死事件、預かった山羊の獣姦事件、盆踊りの輪に級友とフォークダンスで乱入、神社の祭礼の綱引きの伝統を破り神主を怒らせ、誕生会にクラス仲間31人が出席し家族は大童。年の瀬に中三からは都会の伯父宅に間借り一流中学から進学校合格を命じられエースの座を棄てた。 275円 ビイデビイデの紅い花―小笠原島流浪記― 桜田靖 小笠原海玉は双子の弟、乳飲み子の時に両親が火災で焼死、農家の祖父に引き取られ将来は下男の育ちをした。 姉の海香は医師の祖父が引き取り、将来は医師を婿に取るよう育てられた。 双子の父母は学生結婚で、母は医師を婿に取る運命にあったので、娘を拉致したと医院側は怒り両家は絶交した。 海玉は遠縁の警察官を頼り東京で警備員をするが、大きな失敗をして逃亡のように小笠原島に渡り、島で自殺するが助かり仕事を転々、海香も医院廃業で都の教員になり島に赴任し弟と巡り会えた。 330円 星影のセレナーデ(五)人間の運命の巻 桜田靖 赤嶺は三年生になり義祖母から仕送りを受け、バイトの必要がなくなり勉学とサークル活動と学友との交流を深めた。四年生になり卒論も就職試験も満足にできた。回想から現実に戻り、偶然遭遇した勝子婆さんから懐かしい光子小母さんの近況を知り会いに行ったが厳しい現実を見て落胆した。悄然とホテルに戻りベッドにいて夢幻に河原に降りていた。憧れのお姉さん香田暁子がいた。河を渡り生みの母に会いたいと言うのを止めさせようと説得したが、彼女は水に入り川霧の彼方へ姿を消した。 330円 星影のセレナーデ(四)別れと妄想の巻 桜田靖 未亡人になった入江光子は、赤嶺が市場のアルバイトで知り合った人達を招いて送別会を開いた。近隣住民の光子の幼馴染の片山勝子はいかがわしいバーのママであえて招かなかったが仕事帰りに清水夫人と出会い送別会があった事を知り腹立ち紛れに宴の後へ押しかけた。光子と勝子と赤嶺は飲み直しをし、酔った女同士は喧嘩したが幼馴染のことで仲直りし三人で入浴した。その晩、赤嶺は夢幻に光子と一緒の布団にいた。実家に戻った光子とは永の別れになり、赤嶺は貿易英語研究部に入った。 330円 星影のセレナーデ(三)青春純情の巻 桜田靖 ヤクザの抗争で父が殺された順平は店を辞め敵討ちに組員となった。赤嶺は学業と店のバイトの両立を続けた。佐々に誘われ博多の左翼の集会に参加、その足で新婚の山滝先輩を訪ねたら新妻は偶々足立商事経営者と親戚だった。暁子は家を出て経営者の秘書、娘に去られた菊屋の主は落ち込み重篤な病が見つかり病没、在日の子も帰還船で帰り、妙子は演劇部が嫌で退学した。年末に順平が金の無心に来たのを主が殴り逆に包丁で殺害され店は閉店、未亡人は実家があり赤嶺はバイトも間借も失う。 330円 哀愁の都 桜田靖 中尾は春のパリから帰り得体の知れないピエールの実家を訪ね、父の名が宮本蔵人と判った。一年半後に秋のフランスを旅した。奇遇でピエールに逢ったが、父の真の名前など教えても無頓着だった。商社時代にホームステイさせたアンリをストラスブールに訪ねた。中尾の秘書の安納由美と結婚していたが、すでに彼女は天国の人。主人が認知症の清子とはルーアンに旅し、日本に帰りたいと泣かれベッドを共にした。佐竹とはリヨンで会い縁者から義絶され異邦人として生きると嗚咽した。 275円 花冷えの都パリ 桜田靖 商社マンから予備校講師への半生を終えた中尾は、学生時代のサークル仲間を訪ねてパリ観光をした。 日本映画の斜陽に嫌気した佐竹は渡仏しパリの独立プロでしがないドサ回り暮し、想い人だった清子は佐竹と別れ、シャンソン酒場オーナーと結ばれていた。 清子と再会し気兼ねなくモンマルトル観光を一緒したが別れの辛さに涙がこぼれた。 翌日、カタコンブの骸骨壁を見物し公園で憩って物乞いのピエールと知り合ったら同じ温泉町別府がルーツと判ったが、彼は正体不明の幽鬼のようだった。 275円 女幽鬼・白い眼光 桜田靖 シェアハウスに学生6人が暮らした。リーダー格の雷光が他のメンバーを趣味の神秘現象研究会に引き入れた。自分が怪談を披露し、皆にも強要したが全てフェイクのお粗末さ。 五月の連休に富豪の子の核太がスポンサーになって、故郷の信濃にバスハイクした。一晩目は核太の屋敷、翌日は戸隠で奇譚を聞き、核太の父の計らいの姨捨の古寺の本堂に泊まった。 夜中に迷度は童子の卒塔婆を拝み核太と陽奈は無縁塚を拝むのを雷光が見たが、本人達は否定し、雄太は雷光一人が外に出たと証言した。 330円 カンバスの秋色 ママになれなかった女 桜田靖 由香が小倉の手向山公園の桜紅葉を描いていたら、いきなり知らぬ青年から絵を売ってくれるよう頼まれた。 邪意はなかったので送付したら、代金に同封の手紙に驚いた。不妊体質の由香が子を欲しくて親友に代理出産してもらった子だった。 その子は遺伝子上の親に全く懐かず、由香をノイローゼにし母子心中騒動になった。根負けした遺伝子上の親は、ホストマザー夫妻に子を譲った。その子も養子に出され苗字は変わり、名前も改名していた。 互いに知らず長い歳月を隔てて再会していた。 330円 エデンの東へ、 桜田靖 鎌倉の大富豪の次男の山比幸は、母から長男の海飛幸と露骨に差別され育ったがエデンの園にいる暮らしだった。 父の文武は鎌倉の種馬と陰口され愛人と隠し子の存在に閉口した妻の澄子は別居して逗子に住んだ。 山比幸は元執事や乳母から情報を手繰って実の母の真相を知った。伯母の戸籍上の長男の寿志が、実は弟だったのは衝撃だった。 ボート転覆事故の際に、溺れかかった寿志を見殺しにしたことを伯母の園子の瞳に魅了され告白し、想い人の彩子から叱られてエデンの園から去っていった。 330円 なんじゃもんじゃは首吊りの木 桜田靖 合瀬順一は故郷を棄て上京したが、仕事はタコ部屋で土木作業員、逃げて今田健三の偽名で神田の大食堂で働いた。 還暦が近づき老いた二親が心配になった。 少年時代の先輩に様子を探ると、早く帰省しろと叱られた。 母親は間借りしていた辻坊主と間男し、逆上した父親が二人を斬り殺し、自分も首吊りの猟奇事件の舞台と化していた。 村の衆は集会に順一を呼び出し親不孝者と罵詈雑言を浴びせた。 順一は自暴自棄、少年時代のマドンナの面影と弟の亡霊を追って白い花の中へ身を投げた。 330円 路傍の花 桜田靖 幼馴染の大学生男女が真夏に安達太良山の麓にオートバイ旅行し、暴走族に絡まれて二人は湖に落下して死亡した。警察は事故と事件の両面から捜査したが埒があかなかった。双方の両親は不仲になり、葬儀方法、賠償金、弔慰金、慰霊の花束、供花などを巡り対立した。そんな中で、息子の父はマニラ支店長に単身赴任、独り住まいの妻はドイツへ。娘の父は病死、母は三回忌で帰国した男の父と慰霊の旅で意外な結末となった。 330円 カニになった乙女 ─サリン事件哀話─ 桜田靖 地下鉄サリン事件で意識喪失しベッドに眠り続ける佐々木香仁子は、夢幻に生家の池に棲む弁慶ガニになった。ある日、喪服姿の養祖母や縁者が屋敷の池をのぞき込んで、養祖父が死去したと知り、元は人間だったと気付くが、記憶は曖昧なまま思索力は戻った。屋敷は更地にされ、カニは燃やすゴミで棄てられるが、運よく近隣のママと幼女に救われ水槽に飼われる。様々な人間模様を観察し世間を斬る。幼女の不慮の死で、川に放たれたが天敵カモメに食われ、ベッドの香仁子も息を引き取った。 330円 12 TOP 電子書籍(本・小説) 桜田靖