藤沢周平 77件 人気順 新着順 闇の梯子 藤沢周平 立派な板木師になろうと、裏長屋でつましく暮らす清次とおたみ。道を踏み外した兄や先輩のように自分はならないと心に誓って…それでも奈落の底に墜ちてゆく、厳しい宿命を描いた表題作。十四年に及んだ隠密探索を終えて江戸にもどった男が、己の探索の内容にふと疑いを持つ「相模守は無害」。呑気な青年が、思いもかけぬ運命で許嫁を失ったとき…「紅の記憶」。そのほか「入墨」「父(ちゃん)と呼べ」の全五篇。四十代半ばの藤沢周平が描く、味わい深い短篇集。 607円 用心棒日月抄 藤沢周平 用心棒が赴くところにドラマがある――。故あって人を斬り脱藩。己れの命を危険にさらし、様々な人の楯となって生きる浪人青江又八郎の苛烈な青春。江戸は元禄、巷間を騒がす赤穂浪人の隠れた動きが活発になるにつれ、請け負う仕事はなぜか浅野・吉良両家の争いの周辺に……。凄まじい殺陣の迫力と市井の哀歓あふれる十話。 781円 夜消える 藤沢周平 兼七は腕のよい雪駄職人だったが、酒が原因で問屋に見放された。そんな酒浸りの父親が嫁入りの邪魔になると娘に泣きつかれた母。夫はもう、常人にはもどれない。けれど見捨てることができようか──夫婦、親子の愛情の機微を描く表題作。岡場所に身を沈めた幼馴染と再会した商家の主人、5年ぶりにめぐりあった別れた夫婦、夜逃げした家族に置き去りにされた寝たきりの老婆……。市井に生きる男女の哀歓を、鏤骨の文章で綴る珠玉の名品7篇による短篇集。 523円 夜の橋 藤沢周平 博奕に溺れたせいで夫婦別れしたおきくが、半年ぶりに訪ねてきた。再婚話の相談で、もう自分には関係ないと一旦は突き放す民次だったが、相手がまぎれもないやくざ者と分かるや、危険を顧みず止めに出る……雪降る江戸深川の夜の橋を舞台に、すれ違う男女の心の機微を哀感こめて描いた表題作ほか、武家物と市井物あわせて全9篇を収録。『暗殺の年輪』で直木賞を受賞し、作家として脂が乗ってきたころの作品群。ひとつひとつが胸に響く“人生の教科書”のような短篇集。 680円 よろずや平四郎活人剣(上) 藤沢周平 神名(かんな)平四郎は、知行千石の旗本の子弟。しかし実質は、祝福されざる冷や飯食いで、妾腹の子である。思い屈して実家を出奔、友人たちと剣の腕を生かして道場を立ち上げようとするが、資金持ち逃げにあい、結局、裏店に棲みつく。暮らしに窮して、思案のあげく、やがて平四郎は奇妙な看板を掲げる。……喧嘩五十文、口論二十文、とりもどし物百文、よろずもめごと仲裁つかまつり候。世間知らずの平四郎の奇妙な商売、果たして依頼主はいるのだろうか? 748円 よろずや平四郎活人剣(下) 藤沢周平 よろず仲裁を請け負う平四郎にもち込まれる話はさまざまだ。中年夫婦の離縁話、勘当息子の連れ戻し、駆け落ち娘のゆくえを探索……。武家と違い、万事気ままな裏店にも、悲哀にみちた人生絵図がある。初恋の女性の不遇には心を痛め、目付をつとめる長兄には幕府の捜査にこき使われ、剣を抜くことも。いつの間にか平四郎は大忙し。藤沢周平、円熟期の代表的シリーズ、愈々佳境に! 人の世の哀切な陰影を端正に、ときにユーモラスに映し出す話題作。 748円 龍を見た男 藤沢周平 天に駆けのぼる龍の火柱のおかげで、見失った方角を知り、あやうく遭難を免れた漁師の因縁(表題作「龍を見た男」)。駆落ちに失敗して苦界に沈んだ娘と、幼な馴染で彼女をしたう口がきけない男との心の交流(「帰って来た女」)。絶縁しながらも、相手が危難の際には味方となって筋を通す両剣士の意地(「切腹」)。その他、市井の人々の仕合せと喜怒哀楽を描いて卓抜な技倆を示す傑作時代小説集。 649円 霧の果て 神谷玄次郎捕物控 藤沢周平 北の定町廻り同心・神谷玄次郎は、一流の剣の遣い手。しかし14年前に母と妹を無残に殺され、その犯人がうやむやになって以来、心に闇を抱えて生きてきた。仕事を怠けては、馴染みの女将がいる小料理屋に入り浸る自堕落ぶり。当然ながら、上役の覚えも芳しくない。だが本気になると、事件の解決には鋭い勘と抜群の推理力を発揮するため、かろうじて首がつながっているのだった。そんなある日、川に女の死体が浮かぶ──。人間味あふれ、読後感抜群の傑作連作短篇集。 660円 闇の傀儡(かいらい)師 下 藤沢周平 “八嶽党”をめぐる陰謀に巻き込まれ、幕府の隠密とともに追跡、死闘の日々をおくる源次郎。その最中、彼に好意をよせる津留が、党にさらわれ、遂には、将軍家の跡継ぎ・家基が奇怪な死をとげてしまう。これも八嶽党の仕業だと噂されるが、その八嶽党にもどこからか闇の魔手がのびてきて……。源次郎の剣の前に立ちはだかる〈邪剣の遣い手・八木典膳〉〈謎の美女・お芳〉〈老剣士〉〈隠密〉などが入り乱れる、波乱万丈の物語。 660円 帰省 藤沢周平 没後もなお人気が高まるばかりの作家・藤沢周平。本書は、埋もれていたエッセイを発掘し、没後11年を経て編まれた未刊行エッセイ集に、さらに新しく発見された8篇を追加した最後のエッセイ集。創作秘話や苦手な講演に冷や汗をかいた話、時代小説の受難についてなど、意外な一面を窺い知ることができる。政治的なことからは距離をおいた氏には珍しく、三島由紀夫の自決に言及している文章も。決して驕らず、「普通が一番」と言い続けた国民的作家の貴重な肉声。 660円 白き瓶 小説 長塚節 藤沢周平 37年の短い生涯を旅と作歌に捧げた長塚節(たかし)。清潔な風貌とこわれやすい身体をもつ彼は、みずから好んでうたった白埴(しらはに)の瓶(かめ)に似ていたかもしれない。清痩鶴のごとく住んだと評され、妻も子も持たぬまま逝った男の短い生涯を、清冽な文章で辿った会心の鎮魂賦。作品の細部をめぐって、著者・藤沢周平が歌人・清水房雄氏と交わした書簡の一部も特別収録。吉川英治文学賞受賞作。 880円 本所しぐれ町物語 藤沢周平 浮気に腹を立てて実家に帰ってしまった女房を連れ戻そうと思いながら、また別の女に走ってしまう小間物屋。大酒飲みの父親の借金を、身売りして返済しようとする十歳の娘。女房としっくりいかず、はかない望みを抱いて二十年ぶりに元の恋人に会うが、幻滅だけを感じてしまう油屋。一見平穏に暮らす人々の心に、起こっては消える小さな波紋、微妙な気持の揺れをしみじみ描く連作長編。 660円 密謀(上) 藤沢周平 織田から豊臣へと急旋回し、やがて天下分け目の“関ケ原”へと向かう戦国末期は、いたるところに策略と陥穽が口をあけて待ちかまえていた。謙信以来の精強を誇る東国の雄・上杉で主君景勝を支えるのは、二十代の若さだが、知謀の将として聞える直江兼続。本書は、兼続の慧眼と彼が擁する草(忍びの者)の暗躍を軸に、戦国の世の盛衰を活写した、興趣尽きない歴史・時代小説である。 660円 凶刃―用心棒日月抄― 藤沢周平 好漢青江又八郎も四十半ば、若かりし用心棒稼業の日々は今は遠い……。国許での平穏な日常を破ったのは、にわかの江戸出府下命だった。姿なき敵との凄絶な対決をむかえる用心棒シリーズ最終作。 660円 刺客―用心棒日月抄― 藤沢周平 お家乗っ取りを策謀する黒幕のもとから、五人の刺客が江戸に放たれた。藩内の隠された罪と疑惑を探る忍びの集団「嗅足組」を抹殺するためにである。身を挺して危機を救ってくれた女嗅足の頭領佐知の危難を救うべく、青江又八郎も刺客を追って江戸へ――。 660円 市塵(上) 藤沢周平 貧しい浪人生活から儒者、歴史家としてようやく甲府藩に召し抱えられた新井白石は、綱吉の死後、六代将軍家宣となった藩主とともに天下の経営にのり出していく。和漢の学に精通し、幕政改革の理想に燃えたが、守旧派の抵抗は執拗だった。政治家としても抜群の力量を発揮した白石の生涯を描く長編感動作。 550円 市塵(下) 藤沢周平 内政外交の両面で新井白石は難題に挑んでいく。綱吉時代に乱れた経済立て直しのための通貨改革、朝鮮使節との交渉。国のため、民のために正論を吐く白石だが、その活躍ぶりを快く思わない政敵も増えた。そんななか、白石を全面的に庇護してきた家宣の死で、白石の運命は、また大きく変わることとなった。 550円 1234 TOP 電子書籍(本・小説) 藤沢周平 4ページ目