ロミオとジュリエット
1,500円
自分のなかにある、ある場所に、いくつになっても褪せることなく、18までのあの風景が広がっていて、そこには名前のない自分が、名前のない誰かが立ち尽くしている。
彼らはなにかに押しつぶされそうな表情をしているけれど、それでも限られた時間を、そしてあらかじめ決められたような空間を、全力で走っている。
現在のぼくは、それはなぜなのか、知っている。でもあのころのぼくは、それがなんなのか、なにもわかっていない。
なにもわかっていない彼らは、いつも立ち尽くしている。
森に、夜に、立ち尽くしている。
彼らのあいだには、壁が。
ありとあらゆる壁という壁が。
どうしたって戻りたくない、あのころに、たとえ戻れたのだとしても、ぼくは彼らになんの言葉もかけることができないだろう。
なにもわからずに、ただただ走っている彼らに。
なにが待っているのかもわからずに、ただただ走っている彼らに。
なんの言葉も。
だから描こうと、おもっている。
言葉とかじゃない、なにかを。
描いて、彼らをここで待っていたい。
彼らにとって現在は、未来。
ここで、待っていたい。
藤田貴大
※一部マイクが着いていない関係で台詞が聞き取りづらい箇所がございます。予めご了承ください。
※作中に、暴力シーンだと捉えられる部分がございますが、制作サイドでは、視聴における年齢制限は設けていません。
- ジャンル
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制作国
日本
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制作年
2016年
- シリーズ
- キャスト
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スタッフ
作・演出 : 藤田貴大 衣裳 : 大森伃佑子 音楽 : 石橋英子、須藤俊明、山本達久 ヘアメイク : 池田慎二( Team Ikeda ) 照明 : 富山貴之 音響 : 田鹿 充 映像 : 召田実子 舞台監督 : 森山香緒梨 宣伝美術 : 名久井直子 宣伝イラスト : ヒグチユウコ 企画協力 : マームとジプシー、徳永京子 企画制作 : 東京芸術劇場 主催 : 東京芸術劇場(公益財団法人東京都歴史文化財団 東京都)、アーツカウンシル東京(公益財団法人東京都歴史文化財団)