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ジョンQ ―最後の決断―
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ある日、マイクが野球の試合中に倒れ、ホープ記念病院にかつぎ込まれる。診断の結果、心臓に中隔欠損が見つかる。微小の穴が開いていたのだ。心臓から血液が十分に送り出されず、肺の組織に溜まっていたため心機能を低下させた。重体だった。持ってあと数週間、最悪の場合は数日の命。心臓外科医レイモンド・ターナー(ジェームズ・ウッズ)による病状説明は、<死の宣告>に等しく、残された道は「心臓移植」しかなかった。
心臓移植のためには、マイクを「レシピエント・リスト」(※移植待機者名簿のこと)へエントリーしなければならない。しかし手術費は約25万ドル、リストに載せるだけでも30パーセントの約7万5千ドルを現金・前払いで支払う必要があった。
「医療保険で賄えるはずでは?」
「調べさせてもらいましたが、アーチボルドさんの保険は移植手術には適用されません」
院長のレベッカ・ペイン(アン・ヘッシュ)の冷静な口調が、ジョンとデニスをさらに苦境へ追い込む。ジョンは長年勤めた工場で半日勤務のパートタイマーへリストラさせられた際、自分の知らない間に、補填額上限2万ドルの医療保険ランクに変更されていたのだ。
「何年間も払い続けてきて…うちの子に死ねというのかっ!」やり場のない怒りが込み上げてくる。
ジョンは家財を売り、わずかでも治療費にあてるため、テレビに乾燥機、ソファーなどを売りに出す。マイクが産まれて買ったもの、いっしょに遊んだ、たくさんの思い出がつまったもの。一つ一つが子どもとの日々の思い出だった。教会の牧師からは、地域住民の人たちが寄せてくれたカンパを渡される。みんなが心配してくれていた。
しかし、ジョンを待っていたのは、病院理事会からの退院勧告だった。
「お金ならわずかだが昨日払ったじゃないか。残りはこれから一生かかっても絶対に払うから、お願いだ、あの子を見捨てないでくれっ!」
病院の冷たい対応に、我慢はもはや限界だった。そしてついにジョンは決断する。ターナーに銃を突きつけ、通用口をロック。救急病棟に12人の人質を取り、立て篭もった。わが子を救うための、たった一人の決起だった。
やがて、シカゴ市警が病院を包囲した。周辺地区は完全封鎖され、クーデターのような物々しさ。報道陣が殺到し、一斉に実況中継を始めた。
シカゴ市警のベテラン警部補フランク・グライムズ(ロバート・デュヴァル)が説得に乗り出す。
「名前は?」
「…ジョンQと呼んでくれ」
「分かった。ジョンQ、君を騙すことはしない。要求は?」
「子どものマイクの名前をリストに載せるように言ってくれ。俺の要求はただ一つ、子どもを救うことだ」
グライムズへジョンからの連絡が入る。一刻も早くマイクの名前をリストに載せてほしかった。そのための条件として、赤ん坊と女性を含む人質4人を解放するという。グライムズはペインに、ジョンQの子どもを思う気持ちを伝え、リストへの手続きを急がせる。
「…治療を拒まれた男が人質を取って立て篭もっている、それが事実なんですよ」
「それは違います。医療保険に加入していないか、なにかの事情で解約された人がこの国に5千万人いるということが事実なのです。リストに載せろというなら言う通りにします。でも、国中の病院に銃を持った人が詰めかけることになります」
進展しない状況に業を煮やした警察本部長モンロー(レイ・リオッタ)は、狙撃命令を下す。
「なんで、事をそんなに急ぐんだっ」激昂するグライムズ。
「人質を殺さないという保障はない。狙撃するしかない」モンローは一歩も引かない。
マイクの心拍数が落ち始める中、病院の周囲には大勢の市民が集まってきていた。ジョンQとマイクを、まるで自分の家族、友人を励ますかのように声援し見守ってくれている。
彼らの大きな声援がジョンにある決断をさせる。
「俺の心臓を使ってくれ…」
ジョンQからの連絡にグライムズ、モンロー、ペインは驚く。ターナーは、ジョンのわが子を思う強い決断に言葉を失う。救急病棟内には緊迫した空気が流れていた…。
レビュー・口コミ(2件) 一覧へ
此の映画がは名作です。是非とも観るべき作品です。
『子は鎹』な作品です。ラストは涙モノです。5点デンゼルワシントンが本当にカッコいい
でも、ドンチードルもいい味出してる5点
- ジャンル
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制作国
アメリカ
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制作年
2000年代
- キャスト
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スタッフ
監督 : ニック・カサヴェテス 製作 : マーク・バーグ/オーレン・クールズ