中国・日本わたしの国

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330円 亀有駅のタクシー乗り場。男性ばかりの同僚に混じり、決して流暢と言えない日本語で不景気を嘆く一人の女性ドライバーがいる。山田静さん59歳(当時)。彼女は、母の祖国・日本へ来て22年目を迎えた中国残留邦人の二世だ。 中国で二度、日本で一度の離婚を経て、異父兄妹4人の子を女手一つで育て上げた。誰に対しても物怖じせず、自身の主張は通す。弱音は吐かず、誰の手助けも借りたくない。そんな彼女の肝っ玉ぶりも、決して生まれながらに具わっていたわけではない。では、何が彼女をそうさせたのか? 日本に来てからは忙しく、病気をする暇もなかったという彼女が腎臓を患い手術をした。その際「長く大連の、母の墓を訪ねていないため、母が怒ったのでは」と思うのだった。彼女は二人の子を連れ中国に里帰りする。カメラもその里帰りに同行し、彼女の肝っ玉おっ母たるルーツを、彼女の半生を追い求める旅に出た。 監督は自主制作で第一回水戸短編映画祭グランプリを獲得した、ちと瀬千比呂。原一男監督主宰の「CINEMA塾」を経て主に篠原哲雄監督、黒木和雄監督の助監督を務め劇映画への道を模索していたがワン・ビン監督の『鉄西区』に衝撃を受け、デビュー作はドキュメンタリーへ回帰することとなった。
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  • スタッフ
    監督 : ちと瀬千比呂
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