無力の王
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440円
真夏のヨコハマ。女子大生の榛子は今年20歳の女子大生。男に声を掛けられ、誘われるままラブホテルへ。快感の後に残るのは、少しの眠りと一万円札数枚。そんな榛子は森林公園のプールをボーっと眺めていた。そこではバイトの監視員たちが、溺れた白いビキニの娘を介抱していた。彼等は「元帥」と呼ばれるチーフとパイ、チビ、キタ、キーボーと呼ばれる青年たちのグループだ。榛子のそばに、チーロという娘がやってきて、聞きもしないのに勝手に妊娠していると話しだす。元帥は仲間から堕胎費用を集めてチーロに渡す。そしてまたウトウト眠っていた榛子を、「そろそろ閉めるんだ、プール」とパイが起こしにきた。榛子はパイを誘う。最初にパイが連れて行ったのは小さな教会の葬式。パイの銭湯友達の老人が、50年も思い続けた恋人と結婚した翌々日に死んでしまったという。そのあと、今度は榛子が一流ホテルの豪華な食事をオゴッた。会話のハズむ二人は、勢いづいてバーに入る。酔ったパイは大声で「榛子と寝たい」と叫びつづけ、店を追い出される。すると今度は不良少年たちと喧嘩。さんざん痛めつけられた。介抱する榛子に抱きつくパイ。真夜中。影踏みを始める孤独な二人。そこへ、元帥のグループがやって来た。二人はグループに合流、行きつけのスナック「アロハ」へ。続く狂騒。そんな時チーロから電話が入り、「今、クスリを飲んで死ぬところだ」と呟く。元帥がチビを後ろに乗せてバイクで飛び出し、みんなも心当りを探しに出た。しばらくして、キタとキーボーがチーロをかかえて帰ってきた。クスリは吐かせた。気付いたチーロはへらへら笑ってる。横たわるチーロを囲んで、葬式ゲームを始めるグループ。いたたまれなくなった榛子は一人外に出る。その時、異様な衝撃音が鳴り響いた。タンクローリーに接触したバイクが横たわり元帥とチビが死んでいた。なんだろう、一体これは?昼間、あんなにみんな元気だったのに…。東の空が白み始めている。街に向かって歩く榛子の目から、涙がこぼれる。朝の始まり、いや、夜の終わり…。
- ジャンル
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制作国
日本
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制作年
1980年代
- キャスト
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スタッフ
原作 : 粕谷日出美、東條雅紀 監督 : 石黒健治 脚本 : 渡辺千明