あらすじ

殺した男の子供を、刑務所で出産した受刑囚・松沢良子。だがそれは、殺してもなお、消しがたい恨みをぶつけるためだけに産んだ子供だった。その心をいち早く見抜いた所内医・早川は、子供を松沢の手の届かないところへ隔離する。月日が流れ、松沢の出所日が間近に迫ったある日、退官していた早川が松沢のところを訪れる(第1話)。▼海辺の宿で働く一人の女。そこで、初めて客と夜をともにする。だが、その客はただの客ではなかった。彼は、彼女が昔愛した男。この男を忘れるために、彼女はこの町に来たのだった。女を思い出さない男に、翌朝、女は男との細い絆をたどり、男に問いかける(第2話)。▼女子少年院の教官・野崎洋平には、気がかりな少女がいる。その少女の名前は菊島あけみ。彼に、月に一度は手紙を出すと約束して、1年前に仮退院した少女だ。だが、その便りも途絶えて、すでに3か月。また、元の生活に戻ってしまっているのではと危惧しつつ、野崎は歓楽街を訪ねてまわる(第3話)。

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  • 人間交差点 15
    人間交差点 15
    町井はボケた母を老人ホ-ムに預けている。母ひとり、子ひとりで育った彼は、小さい頃から母のことが大好きだった。その気持ちは今も変わらないと思う。だが、ボケた母と暮らすことは想像以上に大変なことだった。母をホ-ムに預けたことは仕方のないことだと割り切っているつもりなのだが、ただ、母がボケた原因のひとつの引き金を、自分が引いてしまったことが彼を悩ませていた(第1話)。
  • 人間交差点 16
    人間交差点 16
    北の町で、寒さと飢えで倒れていたところを、実業家・吉村昭也に救ってもらった少年。それから彼はむしゃらに働き、吉村の経営する企業の本部長にまでなった。だが今また、あの少年の頃の「寒さ」が男を襲っていた。自分の20年間の労働に意味はなかったのかと…(第1話)。
  • 人間交差点 17
    人間交差点 17
    殺人を犯して服役中の息子と会うため、月に二度、男は刑務所へと歩いていく。かつて銀幕で名脇役だった男も今は仕事がなく、やむなく自分で考えた話を、さも出演した映画のように語り聞かせる。そんな日ーをもう12年も続けてきたのだ。そのため、嬉しいはずの息子の出所が決まっても彼の心情は複雑で…(第1話)。
  • 人間交差点 18
    人間交差点 18
    出版社で働く岡崎には、大事にしている写真があった。そこには、貧しいなりをした母が写っている。この写真を見ながら、彼は、このような貧しい生活に陥るまいと、自分を戒めて生きてきた。だが、彼はこの写真に写っている母の姿を、実は自分が好きだったことに気づく(第1話)。
  • 人間交差点 19
    人間交差点 19
    病院の院長が補導された息子を引き取りに警察に来た。だが彼も、昔は相当なワルで、警察には度ーやっかいになった人物だ。当時の彼を知る現・警察署長は、彼を更生させたものが何だったのかを問う。すると、意外な答えが返ってきた(第1話)。
  • 人間交差点 20
    人間交差点 20
    幼い頃、急激に普及したカラ-テレビは、明るい未来の象徴だった。そして、TV局で番組の制作をしている父を、裕子は自慢に思っていた。だがある日、若い女の肢体を執拗に追い続ける父の視線に気づいた裕子は、一瞬で父に幻滅する。そして時が過ぎ、年老いた父は…(第1話)。▼新興宗教の教祖だった母が死んだ。母をうとましく思っていた息子の豊は「おまえは姿も性格も母親似だ」という父の言葉にショックを受ける。だが、十数年後に父が死に、彼が実は、母の子ではなかったことが父の遺書で明らかになる(第2話)。▼両親から受け継いだホテルのオ-ナ-として君臨していた慶子は、幼なじみであり、彼女を慕う支配人の小宮英太にいやがらせをすることを日常の楽しみとしていた。だが、そんな慶子に営業の才覚などあるわけもなく、ホテルの経営状態は悪化の一途をたどった。小宮の奔走で、やっと融資をとりつけるのだが、融資の条件は慶子にホテルの経営から一切手をひかせることだった。そして慶子はホテルを去っていったのだが…(第3話)。
  • 人間交差点 21
    人間交差点 21
    「少女いたずら事件」を追っていた片田刑事は、現場のそばにある大学の保険センタ-で聞き込み中に、大学生の自殺が増えていることを知る。それが事件に何か関連があるかもしれないと感じた片山は、後日ふたたび保険センタ-を訪れ、そこで不審な学生に出会う(第1話)。▼「自分は父さんの本当の息子ではないのではないか」と、幼い息子に問われてとまどう父。血液型から、やはり自分の本当の息子ではないことがわかるのだが、そこで、自分もまた、父の本当の子供でなかったことを、男は知るのだった(第2話)。▼服飾デザイナ-として成功した男・佐ー間。だが妻は、彼と別れてパリに行くという。18年前、彼の絵の才能を信じて疑わなかった街、佐ー間と彼女が出会った街、パリへ(第7話)。
  • 人間交差点 22
    人間交差点 22
    一軒の書店が焼け落ちる火事が起こった。焼け跡から刺し傷のある焼死体が発見され、死んだ妻の夫で、書店主の原田が容疑者として逮捕された。逮捕直後、彼は犯行を否認していたものの、翌日には犯行を供述。だが彼の弁護人・鶴橋は、何故か、彼が犯人でないと感じ、真相を追い始める(第1話)。▼子供が大事にしていたハムスタ-に4匹の赤ちゃんが産まれた。だが息子が留守の間に、ハムスタ-の親が赤ちゃんを食べてしまう。それを目撃した父は、その事実をどう息子に話していいのかわからない(第2話)。▼別れて暮らす妻に、娘を連れてサ-カスに行こうと誘う夫。だが、彼はいつも約束をしては、それを破ることを繰り返し、それが原因でついに別居にまでしてしまったのだった。男は今度こそは…と約束の場所に急ぐのだが…(第3話)。
  • 人間交差点 23
    人間交差点 23
    小学6年生の娘がクモ膜下で死んだ。道草をすることも許さず、ただ厳しく教育をしたツケがこれだった。娘の死に際にも、仕事で立ち会えなかったディ-ラ-の父親は、その日の朝方、もうひとりの企業戦士と出会う(第1話)。▼3年間の浪人生活の末、やっと有名私立大学に入学した京太は、伝言ダイヤルに毎月数10万円もかけている。顔を知らない仲間に対してだけ、異常に陽気になれるのだった。そして、伝言ダイヤルの仲間たちと覆面パ-ティ-を開いた後で、彼はひとりの見知らぬ女に声をかける(第3話)。▼前野とみわは会社の同僚だ。以前はよくデ-トもしたし、みわの父親と前野は挨拶もすませていた。だが、みわはもう、彼と会わない決心をしている。だが、前野が関西へ転勤することになり…(第4話)。
  • 人間交差点 24
    人間交差点 24
    父、祖父、そして曽祖父。3代続いて42歳で自殺をしてしまう血筋を引いた今泉は、今年とうとうその年齢に達した。言いようのない不安が彼を襲う。だが娘が非行に走り…(第1話)。▼夫が定年を迎え、田舎に移ってきた老夫婦がいる。平凡で、幸せなように見えるこの夫婦にも、20年前に、一人息子をなくすという辛い経験があった(第2話)。▼ミッション校の教授をしている次郎は、兄から、自分の息子を付属の小学校に入れるように口添えを頼まれる。だが、彼は申し出を断り「息子の力を信じろ」と兄に伝える。そう話す次郎もやはり、ひとりの教授から、信じることの尊さを教わったのだった(第3話)。
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レビュー・口コミ(6件) 一覧へ

  • 試し読みをしてみたら予想以上におもしろいです。ハマっちゃいそうです。
    5点
    aqaghさん
  • 絵もうまくてストーリーも良くて読んで良かったなぁと思いました。
    4点
    匿名希望さん

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