あらすじ

殺した男の子供を、刑務所で出産した受刑囚・松沢良子。だがそれは、殺してもなお、消しがたい恨みをぶつけるためだけに産んだ子供だった。その心をいち早く見抜いた所内医・早川は、子供を松沢の手の届かないところへ隔離する。月日が流れ、松沢の出所日が間近に迫ったある日、退官していた早川が松沢のところを訪れる(第1話)。▼海辺の宿で働く一人の女。そこで、初めて客と夜をともにする。だが、その客はただの客ではなかった。彼は、彼女が昔愛した男。この男を忘れるために、彼女はこの町に来たのだった。女を思い出さない男に、翌朝、女は男との細い絆をたどり、男に問いかける(第2話)。▼女子少年院の教官・野崎洋平には、気がかりな少女がいる。その少女の名前は菊島あけみ。彼に、月に一度は手紙を出すと約束して、1年前に仮退院した少女だ。だが、その便りも途絶えて、すでに3か月。また、元の生活に戻ってしまっているのではと危惧しつつ、野崎は歓楽街を訪ねてまわる(第3話)。

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  • 人間交差点 21
    人間交差点 21
    「少女いたずら事件」を追っていた片田刑事は、現場のそばにある大学の保険センタ-で聞き込み中に、大学生の自殺が増えていることを知る。それが事件に何か関連があるかもしれないと感じた片山は、後日ふたたび保険センタ-を訪れ、そこで不審な学生に出会う(第1話)。▼「自分は父さんの本当の息子ではないのではないか」と、幼い息子に問われてとまどう父。血液型から、やはり自分の本当の息子ではないことがわかるのだが、そこで、自分もまた、父の本当の子供でなかったことを、男は知るのだった(第2話)。▼服飾デザイナ-として成功した男・佐ー間。だが妻は、彼と別れてパリに行くという。18年前、彼の絵の才能を信じて疑わなかった街、佐ー間と彼女が出会った街、パリへ(第7話)。
  • 人間交差点 22
    人間交差点 22
    一軒の書店が焼け落ちる火事が起こった。焼け跡から刺し傷のある焼死体が発見され、死んだ妻の夫で、書店主の原田が容疑者として逮捕された。逮捕直後、彼は犯行を否認していたものの、翌日には犯行を供述。だが彼の弁護人・鶴橋は、何故か、彼が犯人でないと感じ、真相を追い始める(第1話)。▼子供が大事にしていたハムスタ-に4匹の赤ちゃんが産まれた。だが息子が留守の間に、ハムスタ-の親が赤ちゃんを食べてしまう。それを目撃した父は、その事実をどう息子に話していいのかわからない(第2話)。▼別れて暮らす妻に、娘を連れてサ-カスに行こうと誘う夫。だが、彼はいつも約束をしては、それを破ることを繰り返し、それが原因でついに別居にまでしてしまったのだった。男は今度こそは…と約束の場所に急ぐのだが…(第3話)。
  • 人間交差点 23
    人間交差点 23
    小学6年生の娘がクモ膜下で死んだ。道草をすることも許さず、ただ厳しく教育をしたツケがこれだった。娘の死に際にも、仕事で立ち会えなかったディ-ラ-の父親は、その日の朝方、もうひとりの企業戦士と出会う(第1話)。▼3年間の浪人生活の末、やっと有名私立大学に入学した京太は、伝言ダイヤルに毎月数10万円もかけている。顔を知らない仲間に対してだけ、異常に陽気になれるのだった。そして、伝言ダイヤルの仲間たちと覆面パ-ティ-を開いた後で、彼はひとりの見知らぬ女に声をかける(第3話)。▼前野とみわは会社の同僚だ。以前はよくデ-トもしたし、みわの父親と前野は挨拶もすませていた。だが、みわはもう、彼と会わない決心をしている。だが、前野が関西へ転勤することになり…(第4話)。
  • 人間交差点 24
    人間交差点 24
    父、祖父、そして曽祖父。3代続いて42歳で自殺をしてしまう血筋を引いた今泉は、今年とうとうその年齢に達した。言いようのない不安が彼を襲う。だが娘が非行に走り…(第1話)。▼夫が定年を迎え、田舎に移ってきた老夫婦がいる。平凡で、幸せなように見えるこの夫婦にも、20年前に、一人息子をなくすという辛い経験があった(第2話)。▼ミッション校の教授をしている次郎は、兄から、自分の息子を付属の小学校に入れるように口添えを頼まれる。だが、彼は申し出を断り「息子の力を信じろ」と兄に伝える。そう話す次郎もやはり、ひとりの教授から、信じることの尊さを教わったのだった(第3話)。
  • 人間交差点 25
    人間交差点 25
    刑事の片田は、殺人事件の容疑者として、元・オリンピック選手の天野ゆりかを追い、故郷の佐渡までやってきた。そこで彼は、ゆりかの祖母のところに何度も出向き、話を聞き続けるが、祖母はいつも400年前の武将の話をするばかりなのだった…(第1話)。▼証券会社に勤めていた17歳の時に、貿易会社社長の近江にスカウトされた西田。近江に憧れていた彼は、近江のようになるべく研鑽をつみ、今、近江の後をついで社長業をこなしている。だが、何故自分は、社長に見初められたのか、あの頃の近江と同じ年齢となり、西田は疑問をおぼえるのだった(第2話)。▼幼い頃、母は週に一度、自分と妹を、別居する父のもとに連れてきた。その時の母の悲しそうな姿に「母は父と会うのが嫌なのだ」と思った息子は、父のところから戻り「もう父がこなくていいと言った」と母に嘘をつく。だがそれが結果的に、父の死を招くことになってしまった。その苦い経験を持つ男は、今、父となって、嘘をつくことの恐さを息子に教える(第3話)。
  • 人間交差点 26
    人間交差点 26
    仕事にかまけて家族を捨てた男・刈屋。彼は今、孫ほども年の離れた、しかも自分と血がつながらない娘を育てている。まるで、本当の娘との生活をやり直そうとしているかのように(第1話)。▼海外赴任から五年ぶりに日本に帰ってきた平原。だが、会社も、家族も、彼の恩師の墓までも、すべてが彼を取り残して変わってしまっていた(第2話)。▼幼い日のとある土曜日、線香花火を手にしたまま、母は正常ではなくなり、子供の世界へと旅だっていった。その記憶が、梨子に、岡部からのプロポ-ズの返事を躊躇させている。彼女は結婚に対する不安がどうしてもぬぐえないのだが…(第7話)。
  • 人間交差点 27
    人間交差点 27
    大物政治家を告発するために、捜査のツメにホノルルにやってきた森脇検事。だが、異国での捜査権は自分にはない。滞在日数も限られてきて、アセる森脇は、自ら捜査を開始するが…(第1話)。▼自分を人生の勝利者だと思う三崎は、外交官。発展途上国での任期が無事に終わることを願っているだけの毎日だ。だが、ある日、大学の同級生だった根岸を見かける。人生の落伍者だと思っていた根岸は、コ-ディネ-タ-としてこの地で活躍をしているのだった(第2話)。▼同級生の江田から10年ぶりに連絡を受けた水沢は、懐かしいひとときを彼と過ごす。そして別れ際、江田は、自分が何故エリ-トサラリ-マンから、今のように落ちぶれた生活をする男になってしまったのかを語ろうとするのだったが…(第4話)。
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レビュー・口コミ(6件) 一覧へ

  • 試し読みをしてみたら予想以上におもしろいです。ハマっちゃいそうです。
    5点
    aqaghさん
  • 絵もうまくてストーリーも良くて読んで良かったなぁと思いました。
    4点
    匿名希望さん

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