あらすじ

カナダの秘境に一人住む謎の男が、墜落した飛行機の中から赤ん坊を見つけ、育てる決意をした。名前はゲン、日本人。それから15年、少年は謎の男からゴルフを教わり、大自然の中で遊ぶ内に、男が驚愕するほどの腕前を身につけていく。ある日、町に買い出しに下りたゲンは、酒場の酔っ払いにからまれ、木の床から打ったボールをテーブルの上にピタリと止める離れ技を見せた。これをきっかけに、ゲンは日本人記者、山科誠と出会うことになる。天才少年、いよいよ下界へ!

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  • 天才伝説(11) ツーボールフォアサム
    天才伝説(11) ツーボールフォアサム
    アボットとゲンを迎え撃つ、裏世界の現在のトップは曲者ビリー・ダンクと粗暴なジム・クルーズ。さらにカーライルの腹心、ヘンリー・コットンがゲームの立会人となった。ゲームはツーボールフォアサム。お互いが一つのボールを交互に打っていくストロークプレー。試合はアボットのブランクを感じさせない凄味の効いたドライバーショットで開幕した。ゲンとアボットのキャディは、ニューヨークで急造したタクシー運転手とブルックリンの非行少年のボスの2人。敵ペアは、アボットの存在感とゲンの天才的ショットに驚き、気持ちを引き締める。最初からハイレベルな技術とのやりとりと、裏世界のゲームならではの駆け引きの応酬が続き、序盤から白熱の展開に。
  • 天才伝説(12) 最凶の敵、登場
    天才伝説(12) 最凶の敵、登場
    コースには様々な罠が仕掛けられ、さらに試合を観戦する悪徳記者クルーズも、卑劣な策謀を巡らせていた。独断専行のクルーズの策謀は、逆にその息子ジムの足を引っぱり、ジムは退場させられたが、周到な黒幕カーライルは、ダンクのキャディを2番手に、そして3番手には裏世界の魔王と恐れられる男を切り札に温存していた。1打リードして後半戦に突入するが、25年ぶりの緊張と暑さで、アボットに疲労の色が濃くなってきた。そして12番のティショットでついにミスし、右の林深くに打ち込んでしまった。ゲンの肩に大きな負担がかかってきた。ゲンのウルトラリカバリーで、林から脱出したものの、ボールはクロスバンカーへ。危うし、ゲン&アボットチーム!
  • 天才伝説(13) 酔いどれデーリー
    天才伝説(13) 酔いどれデーリー
    デーリーに後を託したアボットは、罠が仕掛けられたバンカーから最後のショットを放ったが、グリーンを大きく外してしまう。そのピンチをデーリーが見事なカップインで救った。残り5ホールで並ばれてしまったゲンたち。その横では紫垣総理の密命でゲンを追ってきた渡辺秘書官は、アボットと接触。形見のパスポートを見て、ゲンが人質となった紫垣総理の孫であることを確認。切り札として登場した裏世界の魔王テイラーを見た途端、デーリーの顔色が変わった。酔いどれを装いながら、テイラーを挑発し、ゆさぶりをかける。その目には復讐の思いが……。デーリーにバトンタッチし、木陰で休むアボットに一人の男が近づく。その男、カーライルは25年前の怨念をアボットに一気にぶつけ始める。
  • 天才伝説(14) 必殺の8アイアン
    天才伝説(14) 必殺の8アイアン
    裏世界の魔王テイラーは、けた外れの強さを見せるが、はむかう者ならパートナーのダンクといえども潰しにかかる悪辣さで、次第にダンクとの間に不協和音が漂う。ゲンは、テイラーの傲慢な態度に怒りを覚え、スーパーショットを連発する。決着は最終ホールにもつれこみ、決着を見届けるため、アボットとカーライルは18番グリーンに向かった。そして一度は姿を消したクルーズも、再び悪謀を胸に登場。様々な人々の因縁に満ちた、裏世界の危険な戦いがいよいよ決着する。最後のショットは、アボット自身が放った。25年前、無二の親友だったカーライルとの決別を決定づけた因縁の8番アイアンのショット。その奇跡の一打がカップに吸い込まれていく。
  • 天才伝説(15) アボットの帰還
    天才伝説(15) アボットの帰還
    アボットとカーライルの25年前の遺恨と秘密の過去を背負って、舞台は2人の故郷、スコットランドへの急転する。全米オープンで優勝し、鮮烈なデビューを遂げたゲンは、人知れない裏世界での死闘を経て、その天才的な才能にさらに磨きがかかった。ゲンの新たな戦いの場、全英オープン。ゲンの前に、育ての親でゴルフの師でもあるうアボットと、全米オープン以来、不思議な友情で結ばれたジョン・デーリーが立ちはだかる。さらに、カーライルGCで戦った裏世界の魔王テイラーと、ダンクも表舞台、全英に出場。これまでのトーナメントの次元を超えた凄まじいデスマッチレースが、名門ロイヤルリザム&セントアンズGCを舞台に展開される。
  • 天才伝説(16) 嵐の師弟対決
    天才伝説(16) 嵐の師弟対決
    25年前からの宿縁に決着をつけるため、全英オープンに復帰したアボットが、ゲンとデーリーの前に立ちはだかる。名門ロイヤルリザム&セントアンズGCを舞台に繰り広げられた全英オープンは、すべてが異様だった。他のメジャー選手を尻目に、3日目にして優勝争いは、豪腕デーリーと、彗星のように現れ、全米オープンを制した天才少年ゲン。そして25年ぶりに表舞台に復活した伝説のゴルファー、アボットに加えて、裏世界の帝王テイラーとダンクの5人に絞られ始めた。全英ならではの、雨と烈風吹き荒れる過酷な条件の中、因縁と怨恨を秘めた5人の凄まじいデスマッチレースは、ますますヒートアップ。
  • 天才伝説(17) 運命の環
    天才伝説(17) 運命の環
    全英3日目。異端児デーリーを除き、素姓も経歴も分からない無名のゴルファーが上位を独占する展開に、世界中がどよめいていた。戦いはさらに大波瀾の予感に満ち始める。雨が止み、複雑だった風が素直な風になった途端、伸びていたスコアが止まったのだ。師弟対決となったゲンとアボット。2人は18番ティに立つ。414ヤード、パー4、風はフォロー。1オンを狙い、ゲンは渾身のドライバーショットを放った。メジャーの檜舞台で、大自然の中でゴルフを覚えた天才児ゲンの野生が目覚め、アボットを追いつめる。メジャー選手の追随をまったく許さず、野生児の天才的な技と裏社会のおどろおどろしい技とによって、全英オープンは異様な雰囲気を放っていた。テイラーとデーリーの舌戦も激しさを増す。
  • 天才伝説(18) 裏社会のあいさつ
    天才伝説(18) 裏社会のあいさつ
    テイラーの復讐を誓ったデーリーは、裏社会の卑劣な妨害工作を逆手にとろうとしたが、左手首靭帯断裂で途中棄権となってしまう。デーリーの仇討を誓うゲンは、最終日をダンクとスタートする。風は最終日になってますます激しく吹いてくる。1番でいきなりエースを奪取したダンクは、巧みにスコアを伸ばしていく。アボットとテイラーの最終組。ゴルフ裏社会の盟主の座を狙うテイラーは、すべてのグリーン横に手下を配置し、キャディの読唇術を利用してアボットを潰す魂胆だった。「僕にもチャンスはくるよ」 天才児ゲンの野生が何かをつかまえた。優勝争いは、この4人に完全に絞られた。伝統のジ・オープンの栄冠を手にするのは誰だ?
  • 天才伝説(19) 忍びの風
    天才伝説(19) 忍びの風
    日米英独仏、各国首脳がロイヤルリザムに集結、アボットの旧友カーライルもその顔ぶれの中にまじっていた。異様な緊張感につつまれた全英最終日。9番ホールを終えて20アンダーと、独走するダンクをゲンが追撃する。7打も引き離したダンクだが、不安をぬぐいされないでいた。しかし12番パー3、ゲンの放ったボールはグリーンをオーバーし、奥のブッシュの中に。ロストボールの大ピンチを迎える。一方、アボットとテイラーの最終組では、裏社会の騙しのテクニックによる潰し合いが始まっていた。そればかりか、悪党テイラーはさらなる卑劣な手段で、首位ダンクを引きずり落としにかかる。そんなテイラーの悪巧みの気配を、ゲンは察知したが……。
  • 天才伝説(20) 黒い罠
    天才伝説(20) 黒い罠
    全英オープン最終日のバックナイン。精密機械のようなダンクのプレーが突然、狂い始めた。秘められたダンクの弱点、老いゆくアボットの弱みを悪党テイラーがずる賢く突いてくる。妨害工作で上位のスコアを崩し、優勝を盗もうという魂胆だった。ロストボールのピンチを脱したゲンは、テイラーの悪巧みの気配を察知し、勝機が訪れるのをじっと待っていた。一方、アボットは奇跡のアルバトロスで、首位に2打差まで詰め寄った。ゲンはダンクに6打差をつけられ、17番ティに立つ。バックナインもいよいよ大詰めに来て、勝負がにわかに動き出した。ダンクの逃げ切りなるか、ゲンに逆転のチャンスはあるのか。運命の一打が放たれた。
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