すべてのレビュー・口コミ（67件）

犯人特定後のキャラ変が大好き

おもしろいです！

おもしろい

おもしろい

人気作を連発する松井優征先生の出世作『魔人探偵脳噛ネウロ』。メジャーなジャンルの推理漫画ですが、その中でも異色な作品です。主人公は謎を解いた時に放出されるエネルギーを糧とする魔人であり、この設定により、普通の推理漫画とは全く違った漫画になっています。多くの推理漫画は主に殺人事件が主に扱う事件になっていて、殺人事件を扱うために事件の動機が作品において重要になり、人間ドラマ的な要素が含まれるものです。しかし、この作品は主人公が人間とは異なる存在で、事件の動機や背景などには興味がないためにそういったありがちな人間ドラマは展開されません。犯罪者のほうもある意味シュールなまでの「なんじゃそりゃ」と言いたくなるような変なポリシーや嗜好によって事件を起こすというものが多く、探偵の魔人とはまた違った意味で人間離れした狂気の存在として描かれています。だからこそ、殺人事件というものが生み出す理不尽な悲しみや欲望に惑わされ理性を失った人間の非人間らしさが強調され、その非人間ドラマを目の当たりにする唯一普通の人間である助手の目線を通じて、人間ドラマを見るのと同じような感覚が味わえる不思議な心地の作品でした。

「魔神探偵脳噛ネウロ」は、以前週刊少年ジャンプで連載されており「謎」を食らう魔神「ネウロ」と大食い女子高生「弥子（やこ）」の探偵コンビが織りなす推理漫画。話中にはギャグもかなりあり、あの大人気漫画「暗殺教室」の作者の前作であり連載デビュー作ともなっているのでトリックの完成度や話の理解しやすさ、また登場人物たちの心情表現などはさすがです。巻数自体はとても多い！というわけではないですが読み応えは抜群で読んでいるうちに話に引きこまれてしまいます。

この魔人探偵脳噛ネウロは今「暗殺教室」の作者として一世を風靡している松井優征先生の処女作です。要約すると「謎を食べる変わった魔人が事件を解決し犯人を追いつめて空腹を満たしていく」というもので謎解きテイストのバトルものとなっております。内容の深さの評価が高く、犯人たちの筋の通った考えによる犯行、人格形成が一度読んだらその犯人を忘れないほど個性的です。少年誌が好きだけどただ戦うだけの漫画は見飽きたという方に是非ともオススメします。