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エンバンメイズ
エンバンメイズ
4.2
  • 田中一行先生が描く、漫画界でも珍しいダーツを題材にした作品がこの『エンバンメイズ』。この作品に登場するダーツプレイヤーたちは、現実にはありえない、狙いに百発百中の凄腕プレイヤーたちです。ですので、初めて読んだときはありえない内容のダーツ漫画だなというのが正直な印象でした。しかし、2話3話と続けて読んでいくうちに、そのありえない設定によって、逆にダーツで本当に競い合っているものが表現されているのではないかと感じるようになりました。ダーツというのは相手と点を競い合うのですが、結局は自分がどこに投げられるかというメンタルが特に大きく影響する競技です。あえて全員まともに狙えば百発百中という現実にはありえない技術レベルにすることで、そのメンタル勝負を強調することに成功しているのです。したがって、この漫画は、ダーツ漫画というより、ダーツというメンタルが競技の根幹を占める題材によって心理戦を描いたギャンブル漫画というのが適切でしょう。実際作中のダーツの勝負もそのような心理戦の様相を強調する特殊ルールが設定されており、嘘喰いやカイジなどの心理戦が好きな漫画ファンにはたまらない作品になっています。
    aplpalpaさん

    2016/04/01